立ち退き料を支払ってもらうためには...

オーナー都合での立ち退きの場合立ち退き料が支払われるのが一般的なようですが、立ち退き料を支払わないことが違法でない以上立ち退き料の支払いはオーナーの気分次第という認識でおりますが間違いないでしょうか?
これを踏まえると、オーナーに立ち退き料を支払う意思がない場合どうしても立ち退き料を支払ってもらいたいのであれば、立ち退きは強制できないようなので①立ち退き料が支払われるまで居座る、もしくは②弁護士に依頼する、の二択しかないという結論に達しましたが他に何か良い方法はございますでしょうか?

以下、現状を記します。

・オーナー個人経営のシェアハウスで賃貸契約書は存在しない
・11月17日付けでエレベーター内に、老朽化とオーナーの体調不良のため2月20日をもって閉業との張り紙(償却資産申告書が届いていたので実際は売却と推測)
・退去に伴う大きめのゴミは1点につき300円徴収するとの張り紙
・共用シャワーの湯が出なくなったため修理を依頼したがもう修理はしないとの返答
・それに伴いボイラーのひとつの故障等があるので安全のため1月中の退去を検討するよう張り紙

ネットで調べたところ契約書がない場合の退去告知は民法で3ヶ月前の告知で可ということでしたが、当方4年、長い方は10年住んでおられ、皆住民票を置き生活されており借家に当たると考えられるので、借地借家法が優先され6ヶ月前告知をしなければならないのではと考えております。
オーナーに2月20日は1日でも過ぎたらいけないのか確認をしに行ったところ「そんなこと言わないで1月中に出てってよ」と直接言われてもいます。
オーナーとはそれなりに長い付き合いなので人となりもある程度は分かっており、最後まで期待を裏切らない対応に心中まったく穏やかではありません。
想像の域を出ず恐縮ですが、今後2月20日までにwifiや他のボイラーの調子が悪くなった際もう修理をしないという懸念もあり、立ち退き料を支払うまで居座るといった場合水道・電気を止めるといった手段に出るであろうことも容易に想像できます。
ちなみに当方家賃の滞納は一度もありません。

できることならば最後ぐらい「お世話になりました」と穏やかに去りたいものですが、上記二択のような強硬手段でなかば喧嘩のような形でしか終わらせられないのもなんだかなと思い質問させていただきました。
ご教授のほど、よろしくお願いいたします。

借家人の保護の観点から制定された借地借家法という法律が存在し、大家(賃貸人)側が賃貸借契約の解約や更新拒絶をしようとしても、当然に認められるわけではなく、解約や更新拒絶に「正当の事由」が存在する必要があります。
 そして、この正当の事由が認められるか否かの判断要素の一つとして、いわるゆ立退料の申出•支払という財産上の給付が挙げられます。なお、賃貸借契約を4年間継続して来たこと•住民票を置いていたこと等の経緯やこれからも建物を使用する必要性、建物の現況等の事情も正当事由の認定の際考慮されることになります。
 退去を求めるにあたり、大家(賃貸人)側から立退料を提示してくるケースもあれば、立退料については何も言って来ないケースもあります。
 いずれの場合であれ、大家側の退去要求に借地借家法の「正当の事由」が認められない場合には、書面にその旨を記載し、退去要求には応じられない旨を大家側に伝えておくべきでしょう(適正な立退料の提案があれば、検討の余地がある旨を記載しておいてもよいでしょう)。
 ご自身では対応が難しい場合には、お手もとの証拠(※)を持参の上、お住まいの地域の弁護士に直接相談してみることもご検討下さい。

※賃料支払関係(送金明細、領収書)、賃貸借契約の内容がわかる資料(入居者募集時のチラシ、入居時に渡された書面、更新料の支払に関する資料等)、入居中の建物の状況が確認できる写真等

【参考】借地借家法
(解約による建物賃貸借の終了)
第二十七条 建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から六月を経過することによって終了する。
2 前条第二項及び第三項の規定は、建物の賃貸借が解約の申入れによって終了した場合に準用する。
(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)
第二十八条 建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。

シェアハウスの場合、定期借家契約を結んでいることが多いですが、ご相談者様のケースでは、賃貸借契約書が存在しないのですね。

その場合、ご相談者様の専有する貸室があるのであれば、借地借家法の適用がある建物の普通賃貸借契約であると主張することができる可能性がかなりあります。

建物の普通賃貸借契約の場合には、清水先生が書かれているように、借地借家法28条により、「正当事由」がなければ更新拒絶や解約申入れは認められず、「正当事由」ありといえるには通常、立退料の提供が必要です。

そのため、「相当の立退料を支払わないのであれば、正当事由がないので更新拒絶や解約申入れは無効」と主張して、居座るというのが、立退料を出させるための通常の対応になります。その場合、シェアハウスだと家主が強引なこと(水道・電気を止めるなど)をする懸念もありますので、弁護士を立てた方が良い事案だろうと思います。

清水先生
ご回答どうもありがとうございます。
正当事由の中に『立ち退き料の支払い』が含まれるのですね。
ネットで検索した際の『立ち退き料は支払う必要があるが義務ではない』の意味がよく分からなかったのですが合点が行きました。
ですが、そうなると立ち退き料を支払ってもらうためには私の提示した①もしくは②以外に方法はなさそうですね。
オーナーに対し立ち退き料に関しての通達をした時点で対立は必至、穏やかにここを去ることは不可能、やれやれです。
お忙しい中のご回答、どうもありがとうございました。

秋山先生
ご回答どうもありがとうございます。
元々オフィスビルで旅好きのオーナーが趣味で始めたような緩いシェアハウスなので契約書は存在しません。
ですが住人は相部屋ではなくそれぞれが個室に住んでおります。

やはり強引に水道・電気を止めるいうのは想定しうる対応なのですね。
オーナーの性格上自分が不快になったり面倒を被るとそのような行動に出ることは容易に想像できます。ですのでこちらとしてもその点を非常に危惧しております。
「相当の立退料を支払わないのであれば、正当事由がないので更新拒絶や解約申入れは無効」と主張した時点で、嫌になって『ライフラインを絶つ』や『1月いっぱいで閉める』などと言い出す可能性は非常に高く、あれこれとまたとやかく文句を言われこちらも不快な思いをすること必至です。
そういったことが想定されるならば初めから弁護士に依頼すれば良いのですが、費用面と、いくら可能性が高いと言えどその想定も私の想定でしかなく実際に解約申入れは無効と主張してみなければ本当のところは分からず。
そんな事を頭の中で行ったり来たりを繰り返しておりますが、あと数えるほどの休日しか残っていない中、立ち退き料の件・物件探し・引っ越しまでをこなせる自信もありません、やれやれです。
お忙しい中のご回答、どうもありがとうございました。

先生方

この度はお忙しいところどうもありがとうございました。
今現在頭の中がごちゃごちゃとしており感情交じりの散文になってしまい大変失礼いたしました。
法テラスの利用も考えたのですが2週間待ちとのことでしたので取り急ぎこちらにて質問させていただきました。
私の取れる最初の手段としては『正当事由として認められないので解約は無効』とオーナーに対し主張すること、その後の展開によっては弁護士への依頼も視野に入れるというのが順当な策であると認識いたしました。
なお、両先生方の助言はどちらも非常に参考になり甲乙をつけることは不可能ですのでベストアンサーは押さないでおきます、ご了承下さい。
この度は本当にどうもありがとうございました。