遺言書に書かれた事実と異なる内容についての対応
現在、存命している親の公正証書遺言を見る機会があり、そこに書かれた内容に偽りがありました。 元々、不公平な遺言書の内容であり、遺言書作成に同居している兄弟の関わりがある事は明らかだと思っておりますが、公正証書遺言なので取り消してはもらえないだろうと思っております。 しかし、誤りだけは正してもらいたく、どの様な手立てが考えられるか助言頂きたいです。 現在置かれている状況は以下の通りです。 同居している兄弟に親と数年会わせてもらっておらず、仮に実家に勝手に入れば問題にされると思います。 この会えなくなった原因の1つに、私への大きな誤解があり、その誤解を信じ込んだ親が怒った状態で遺言書を作成したようです。 その状況下で親は介護状態、認知症気味であるとの事、遺言書内の誤った記述の訂正を訴えましたが、不可能だと言われています。 誤解された部分についても親と話したいと申し出ましたが、話しても分からないと親ではなく同居の兄弟が拒否します。 誤りの部分は私の特別受益とされている部分で、これまでに親が出してくれた孫へのプレゼント的なお金も含め、様々な費用、1つ1つは大きな額ではありませんが、数年分まとめ借金にしている上、金額が実際より100万以上も多く記載されています。 又、出してもらっていない費用、150万程度を借金にもされています。 更に親が支払うとしていた費用を私への貸付にされ特別受益にされている上、その用途についても本来使用した内容とは異なる用途として遺言書に記載されています。 兄弟からこれらのものを特別受益として扱うので、遺留分請求をしても相殺されると言われておりますが、この件に対して、何らかの対応が取れるでしょうか。 又、親が存命中にするべきものなのか、相続が発生してからの対応になるのか教えて下さい。 宜しくお願い致します。
弁護士からの回答タイムライン
- お答えいたします。遺言を作成する際に,その内容をどのようにするかについては,遺言者の自由ですので,ご質問のように間違った情報に基づいて作成された遺言であっても,遺言を作成した存命の親の方で間違いに気がついて遺言の内容を変更しない限り、周りの者が何かできることはありません。相続開始後であれば,遺言の解釈の問題として他の相続人や受遺者と争うことができなくはないですが,実際上はかなり困難です。遺言無効の訴えは,公正証書遺言であればかなり難しいものと言わざるを得ないと思います。
- みなづきさんご回答頂きありがとうございます。 相続開始後であれば,遺言の解釈の問題として他の相続人や受遺者と争うことができなくはないですが,実際上はかなり困難とのことなのですね。 しかし、金額の虚偽について、証拠があっても正す事は難しいのでしょうか。 遺言書の無効を訴えるのではなく、他はその通りで構わないので、虚偽部分の記載のみ正すという事は出来ないのでしょうか。 相続が起こってからの話し合いの中で、親に会わせてもらえない為、兄弟と話し合いをしているのですが、兄弟の言う事があまりにも変わったり、騙されたりした為、途中から会話を録音するようにしていました。 兄弟は「親が自分が費用を出すと言っていた事は知っていた」といいましたので、それなら間違った事を記載している事は確かなのだから、親と話をさせて欲しいとお願いしましたが、そんな事話してももう分からないから無理と拒否されました。 こうした会話では証拠になりませんか? 虚偽部分があることを知っていて作成していても、公正証書遺言というだけで嘘をも通してしまいますか?
- お答えいたします。不公平な公正証書遺言であっても遺言の内容を変更できるのは遺言者だけです。遺言は,遺言者が自分の財産に関する最後の意思表示ですので,遺言者以外の者がその内容を左右させることはできません。たとえ間違っていても誰かがその内容を変更することはできないのです。
- みなづきさん遺言者以外に正す事は出来ない事、理解致しました。 ありがとうございました。
この投稿は、2023年9月14日時点の情報です。
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