おざき ゆういち
尾崎 祐一弁護士
尾崎祐一法律事務所
自衛隊前駅
北海道札幌市南区澄川5条6丁目1-8
インタビュー | 尾崎 祐一弁護士 尾崎祐一法律事務所
相続の解決実績は400件超、ペット信託も。故郷の札幌で35年、住民に寄り添う町弁の闘い
35年に及ぶ長いキャリアを、地元・札幌のために費やしてきた尾崎祐一法律事務所の尾崎 祐一(おざき ゆういち)弁護士。
オールラウンダーな弁護士ですが、現在最も力を入れているのが相続問題です。
ほつれた糸を解きほぐすように、親族間の対立をやわらげる交渉術。
それは、豊富な経験が成せる職人技です。
住民のために駆け回る忙しい日々、その原動力はどこにあるのでしょうか。
オールラウンダーな弁護士ですが、現在最も力を入れているのが相続問題です。
ほつれた糸を解きほぐすように、親族間の対立をやわらげる交渉術。
それは、豊富な経験が成せる職人技です。
住民のために駆け回る忙しい日々、その原動力はどこにあるのでしょうか。
01 弁護士としてのキャリア
無我夢中で走り抜けた35年、故郷の札幌で町弁を続ける理由
ーー弁護士になって30年以上という長いキャリアが目を引きます。
弁護士登録が1988年ですから、今年(2022年)で35年目に入りました。
でかいことをやってのけようとか、ニュースで報道される事件に携わろうとか、私はそのように考えたことが一度もありませんでした。
「目の前の事件をやり切る」。
とにかくその一心で、一つひとつの事件に愚直に向き合ってきた結果です。
振り返ると、あっという間の35年間でしたね。
ーーしかも、そのキャリアのすべてを札幌で過ごしてきたようですね。
生まれは同じ北海道の室蘭市ですが、1歳に満たない頃に札幌に引っ越してきました。
大学時代に一度東京へ出ましたが、弁護士になってからはずっと札幌で暮らしています。
弁護士として最初に勤めたのは、札幌の中心地・大通にある法律事務所でした。
そこに約30年在籍した後、2017年に独立して現事務所を立ち上げました。
現在の事務所がある場所は、中心地から少し離れたところにある住宅街です。
より住民目線、より地域に根差した弁護活動を行うためでした。
弁護士登録が1988年ですから、今年(2022年)で35年目に入りました。
でかいことをやってのけようとか、ニュースで報道される事件に携わろうとか、私はそのように考えたことが一度もありませんでした。
「目の前の事件をやり切る」。
とにかくその一心で、一つひとつの事件に愚直に向き合ってきた結果です。
振り返ると、あっという間の35年間でしたね。
ーーしかも、そのキャリアのすべてを札幌で過ごしてきたようですね。
生まれは同じ北海道の室蘭市ですが、1歳に満たない頃に札幌に引っ越してきました。
大学時代に一度東京へ出ましたが、弁護士になってからはずっと札幌で暮らしています。
弁護士として最初に勤めたのは、札幌の中心地・大通にある法律事務所でした。
そこに約30年在籍した後、2017年に独立して現事務所を立ち上げました。
現在の事務所がある場所は、中心地から少し離れたところにある住宅街です。
より住民目線、より地域に根差した弁護活動を行うためでした。
02 注力分野と強み
相続の解決実績は400件超。飼い主の死後を見据えたペット信託も
ーー35年というキャリアの長さは、経験値の高さや引き出しの多さとイコールの関係にありそうです。
民事、家事、刑事事件。
それに、個人や企業のみなさん。
分野を問わず、どんなご相談にもオールラウンドに対応できること。
それこそ、数々の事件を目の当たりにしてきた私の強みのひとつでし ょう。
独立してからは個人のお客さまからのご依頼を中心に受けていますが、なかでも今最も力を入れているのが相続問題です。
相続については、以前の事務所でも重点分野のひとつでした。
約35年の間に積み上げた解決実績は、少なくとも400件以上に達します。
遺言書の作成や遺産分割協議、遺言執行、遺留分減殺請求など、あらゆる問題を扱ってきました。
ーー「ペット信託」という珍しいサービスも提供していらっしゃいますね。
これは、あらかじめ信頼できる人に財産の一部を預けておき、ペットを飼えなくなったときにその財産から新しい飼い主に飼育費を支払うサービスです。
きっかけは、ペットが飼い主の死亡、その他、飼育不能のために行き場を失くし、遺棄されたり、殺処分されたりするケースがあると知ったことでした。
私も犬を飼っているものですから、すごいショックを受けたんですよ。
ペットを飼っている方なら、一度は「自分が先に亡くなったら、ペットはどうなるのか?」と不安を覚えたことがあるのではないでしょうか。
私自身は、犬を飼いはじめて約10年。
散歩の相棒であり、愛する家族の一員です。
ペットが飼い主の死後も幸せな生活を送れるように、そんな「もしも」のときに備えた取り組みです。
売上の一部は動物保護団体に寄付しています。
民事、家事、刑事事件。
それに、個人や企業のみなさん。
分野を問わず、どんなご相談にもオールラウンドに対応できること。
それこそ、数々の事件を目の当たりにしてきた私の強みのひとつでし ょう。
独立してからは個人のお客さまからのご依頼を中心に受けていますが、なかでも今最も力を入れているのが相続問題です。
相続については、以前の事務所でも重点分野のひとつでした。
約35年の間に積み上げた解決実績は、少なくとも400件以上に達します。
遺言書の作成や遺産分割協議、遺言執行、遺留分減殺請求など、あらゆる問題を扱ってきました。
ーー「ペット信託」という珍しいサービスも提供していらっしゃいますね。
これは、あらかじめ信頼できる人に財産の一部を預けておき、ペットを飼えなくなったときにその財産から新しい飼い主に飼育費を支払うサービスです。
きっかけは、ペットが飼い主の死亡、その他、飼育不能のために行き場を失くし、遺棄されたり、殺処分されたりするケースがあると知ったことでした。
私も犬を飼っているものですから、すごいショックを受けたんですよ。
ペットを飼っている方なら、一度は「自分が先に亡くなったら、ペットはどうなるのか?」と不安を覚えたことがあるのではないでしょうか。
私自身は、犬を飼いはじめて約10年。
散歩の相棒であり、愛する家族の一員です。
ペットが飼い主の死後も幸せな生活を送れるように、そんな「もしも」のときに備えた取り組みです。
売上の一部は動物保護団体に寄付しています。
03 過去の解決事例
母を思う娘の願いを叶えた遺産分割交渉。刑事処分を免れた少年事件
ーー数ある相続の解決劇のなかから、印象に残っている事件のエピソードを聞かせていただけないでしょうか?
数年前のことです。
依頼者さまの家族を思う気持ちに、心を打たれた事件がありました。
発端は、会社を営んでいたオーナー経営者が、遺言を残さず死亡したことでした。
残された相続人は、奥さまと3人のお子さん(娘2人と息子1人)。
そして、奥さまと2人の娘さん側と、息子さんとの間で意見の相違が生じてしまったんです。
私がご依頼を受けたのは、奥さまと娘さんたちです。
心を打たれたのは、娘さんの母を思う気持ちでした。
高齢の奥さまは加齢とともに視力が低下し、生活に支障が出るほどの状態に。
それを案じた娘さんたちが、「遺産はできる限り母に回してほしい」とおっしゃるんです。
ご自身の取り分を一切主張しないケースに、私はこれまで接したことがありませんでした。
ーーただ、息子さんは違ったわけですか?
父の会社を継ぐことになっていた息子さん。
それ自体は両親の希望だったんですが、それにかこつけて相続分を超える要求をしはじめたんです。
そんな息子さんに対し、私は何度も説得を試みました。
詳細は伏せますが、粘り強い交渉が実り、最後は奥さまが遺産の大半を手にすることで合意。
さらに、相続税に詳しい税理士と協力し、相続税が1円もかからないようにすることもできたんです。
そして、その後のことです。
娘さんたちは、母親のために設備の整った高齢者向けマンションを手配されました。
「この先も安心した生活を送れるようになった」と、みなさんとても喜んでいらっしゃいましたね。
ーー裁判ではなく、交渉で解決できたことも大きかったのではないですか?
裁判までもつれると時間がかかり、精神的な負担もどんどん大きくなってしまいますからね。
そこまで持ち込まずに決着させられてよかったですよ。
そのあたりは、やはり経験によるところも大きいはずです。
話し合いで丸く収めるか、裁判で徹底的に争うか。
交渉であれば、落とし所をどう見極めるか。
場数を踏んでいる分、こじれた案件やイレギュラーな事態に直面しても、慌てず冷静に対処することができるからです。
これは、相続に限らずあらゆる事件に言えることです。
ーーその相続以外の分野についてもお聞きします。記憶に残っている事件があれば教えてください。
思い出深いのは、弁護士2年目のときに担当した少年事件です。
その少年は、暴走族の特攻隊長。
暴走族同士の抗争のなかで、仲間が相手のひとりをナイフで刺して殺してしまったんです。
少年は傷害致死で逮捕され、家庭裁判所(家裁)に送られてしまいました。
死亡事件ですので、成人と同じように刑事裁判を受ける可能性が高い状況でした。
ただ、まだ10代の未来ある少年です。
なんとか、刑事処分だけは避けられないか。
そう思って必死に動いた結果、少年院送致で終えることができたんです。
「保護処分で十分立ち直れる」。
少年の家庭環境や暴走族に入った経緯などから、家裁の調査官や裁判官にそう強く訴えるとともに、鑑別所にいる少年とも何度も接見しました。
そのやりとりを通して少年が内省し、自分の言葉で反省の弁を裁判官に伝えられたことも大きかったですね。
数年前のことです。
依頼者さまの家族を思う気持ちに、心を打たれた事件がありました。
発端は、会社を営んでいたオーナー経営者が、遺言を残さず死亡したことでした。
残された相続人は、奥さまと3人のお子さん(娘2人と息子1人)。
そして、奥さまと2人の娘さん側と、息子さんとの間で意見の相違が生じてしまったんです。
私がご依頼を受けたのは、奥さまと娘さんたちです。
心を打たれたのは、娘さんの母を思う気持ちでした。
高齢の奥さまは加齢とともに視力が低下し、生活に支障が出るほどの状態に。
それを案じた娘さんたちが、「遺産はできる限り母に回してほしい」とおっしゃるんです。
ご自身の取り分を一切主張しないケースに、私はこれまで接したことがありませんでした。
ーーただ、息子さんは違ったわけですか?
父の会社を継ぐことになっていた息子さん。
それ自体は両親の希望だったんですが、それにかこつけて相続分を超える要求をしはじめたんです。
そんな息子さんに対し、私は何度も説得を試みました。
詳細は伏せますが、粘り強い交渉が実り、最後は奥さまが遺産の大半を手にすることで合意。
さらに、相続税に詳しい税理士と協力し、相続税が1円もかからないようにすることもできたんです。
そして、その後のことです。
娘さんたちは、母親のために設備の整った高齢者向けマンションを手配されました。
「この先も安心した生活を送れるようになった」と、みなさんとても喜んでいらっしゃいましたね。
ーー裁判ではなく、交渉で解決できたことも大きかったのではないですか?
裁判までもつれると時間がかかり、精神的な負担もどんどん大きくなってしまいますからね。
そこまで持ち込まずに決着させられてよかったですよ。
そのあたりは、やはり経験によるところも大きいはずです。
話し合いで丸く収めるか、裁判で徹底的に争うか。
交渉であれば、落とし所をどう見極めるか。
場数を踏んでいる分、こじれた案件やイレギュラーな事態に直面しても、慌てず冷静に対処することができるからです。
これは、相続に限らずあらゆる事件に言えることです。
ーーその相続以外の分野についてもお聞きします。記憶に残っている事件があれば教えてください。
思い出深いのは、弁護士2年目のときに担当した少年事件です。
その少年は、暴走族の特攻隊長。
暴走族同士の抗争のなかで、仲間が相手のひとりをナイフで刺して殺してしまったんです。
少年は傷害致死で逮捕され、家庭裁判所(家裁)に送られてしまいました。
死亡事件ですので、成人と同じように刑事裁判を受ける可能性が高い状況でした。
ただ、まだ10代の未来ある少年です。
なんとか、刑事処分だけは避けられないか。
そう思って必死に動いた結果、少年院送致で終えることができたんです。
「保護処分で十分立ち直れる」。
少年の家庭環境や暴走族に入った経緯などから、家裁の調査官や裁判官にそう強く訴えるとともに、鑑別所にいる少年とも何度も接見しました。
そのやりとりを通して少年が内省し、自分の言葉で反省の弁を裁判官に伝えられたことも大きかったですね。
04 思い悩む人たちへ
外国人の人権問題にも関心。「ひとりで悩まず、相談してほしい」
ーーお仕事や日々の出来事を綴るブログも拝見しましたが、そこでは入管・難民制度の問題点なども指摘していらっしゃいました。
日弁連(日本弁護士連合会)の人権擁護委員会に所属し、外国人の人権問題に取り組んでいるんです。
最近では、スリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさんが名古屋入管に収容中に死亡した事件がありましたよね。
日本の入管難民法は時代遅れで、問題点が非常に多いんです。
外国人技能実習制度も同じです。
ですから、勉強会やセミナーなどに参加するとともに、少しでも多くの人に実情を知ってもらおうと個人でブログを書いているんです。
ーー社会に翻弄され、苦しむ人たちに光を当てる。弁護士のあるべき姿そのものですね。
その思いは、いくらキャリアを重ねてもまったく変わりませんね。
これまでの35年間がそうであったように、今後も目の前で苦しんでいる方々、そして一つひとつ事件に集中し、どんな状況でも依頼者さまの力になれるように全力でぶち当たっていく覚悟です。
読者のみなさんには、「ひとりで悩まずに気軽にご相談ください」とお伝えしたいですね。
日弁連(日本弁護士連合会)の人権擁護委員会に所属し、外国人の人権問題に取り組んでいるんです。
最近では、スリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさんが名古屋入管に収容中に死亡した事件がありましたよね。
日本の入管難民法は時代遅れで、問題点が非常に多いんです。
外国人技能実習制度も同じです。
ですから、勉強会やセミナーなどに参加するとともに、少しでも多くの人に実情を知ってもらおうと個人でブログを書いているんです。
ーー社会に翻弄され、苦しむ人たちに光を当てる。弁護士のあるべき姿そのものですね。
その思いは、いくらキャリアを重ねてもまったく変わりませんね。
これまでの35年間がそうであったように、今後も目の前で苦しんでいる方々、そして一つひとつ事件に集中し、どんな状況でも依頼者さまの力になれるように全力でぶち当たっていく覚悟です。
読者のみなさんには、「ひとりで悩まずに気軽にご相談ください」とお伝えしたいですね。