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おざき ゆういち

尾崎 祐一弁護士

尾崎祐一法律事務所

自衛隊前駅

北海道札幌市南区澄川5条6丁目1-8

対応体制

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注意補足

【土日祝も電話問い合わせ可(9:00〜20:00)】メール面談予約は24時間受け付けております。事務所前に駐車可能。

相続・遺言

取扱事例1

  • 兄弟・親族間トラブル

被相続人の存命中に他の相続人が生活のために被相続人から受け取った現金が「特別受益」=遺産のさきもらいとして考慮された結果、遺産である土地建物すべてを受け取れた例

依頼者:60代 女性

【相談前】
遺産として若干の預貯金と建物1棟及びその敷地が残された。
相続人は2人であり、そのうちの1人が依頼者である。
遺言がなかったのでこのままでは預貯金を半分ずつ分けた上で不動産についてはどちらかが取得して価格の半額を賠償するか売却して代金を半分ずつ分ける以外に解決方法はない。

【相談後】
依頼者の主張をよく聞いてみると、もう一人の相続人に対して被相続人が相当額の援助をしていることが明らかになった。
そこで、依頼者に関係資料を持参してもらったところ、被相続人の自筆でもう一人の相続人に対する援助の金額及び日付が記載されていると思われる書面が存在した。
この書面を家裁での調停の場で証拠として提出したところ、調停委員会は援助分を特別受益と認めて依頼者が不動産すべてを取得し、預貯金を相続人2人で半分ずつ取得する調停案を提示してくれた。

【先生のコメント】
相続の案件では、被相続人が生前に残した古い資料を丹念に検討することが重要である。
単に「親から○○○と聞いていた」というだけでは調停や審判の場ではなかなか言い分を通すことは難しい。
直接的な証拠ではなくても被相続人の預貯金の古い取引履歴などを調べていくと依頼者の主張と符合することがあるので、弁護士に相談することが肝要である。

取扱事例2

  • 調停

相続人の一人が相続分を超えた多数の遺産を取得しようとして他の相続人である依頼者に少額の遺産で納得するように迫った。

依頼者:40代 女性

【相談前】
依頼者は不安に感じて自ら家裁に遺産分割調停の申立てをした。
しかし、調停の場では相手方のペースに巻き込まれてしまい、不安になって弁護士を依頼することとした。

【相談後】
依頼者から被相続人の財産に関する資料をすべて持参していただき、不動産の名義上は被相続人の所有であっても実質的な所有者が依頼者の配偶者であるものなど遺産とそうでない財産とを明確に峻別して遺産の範囲を明確にした上で調停の場に臨んだ。
その結果、調停において依頼者が納得する調停案が示されるに至った。

【先生のコメント】
家裁の遺産分割調停では、弁護士を依頼している側や声の大きい当事者の言い分が通りそうになることがある。
紛争性のある遺産分割事件では早めに代理人として弁護士を依頼して正当な権利を主張しないと調停で不利な案を受諾させられてしまうことがある。

取扱事例3

  • 相続の揉め事の対応・代理交渉

相続人の一人が被相続人の預貯金の大半を他の相続人に無断で引き出して領得してしまった。

依頼者:30代 女性

【相談前】
依頼者としては到底納得がいかなかったので、勝手に預金を引き出した相続人に対して電話やメールなどで連絡を試みたが一切の反応がなかった。
そこで、公平に分割する方法を求め、弁護士に依頼した。

【相談後】
勝手に預金を引き出した相続人に対して、自己の相続分を超えて取得した預金は取得する理由がないので返還するよう求めて訴訟を提起した。
相手方は、被相続人が残したメモのようなものを自筆証書遺言であるかのような主張をしたのであるが、裁判所は認めずに当方の言い分どおりの判決を言い渡し、控訴審でも維持された。

【先生のコメント】
相続人の中には自分だけで遺産を処分してしまったり預貯金を引き出して領得する者がいる。
このような場合には法的な手段をとらなければどうしようもない場合も多々あるので早めに弁護士に相談することを勧める。

取扱事例4

  • 遺産分割

両親について一度に遺産分割調停を行ったことが円満な決着につながった。

死亡した高齢の男性に子ども5人と妻がいた。
この5人の子ども同士と妻では亡父の遺産分割の話し合いができなかったことから、このうちの一人が家庭裁判所に遺産分割調停を申し立て、当事務所で調停を申立てた相続人以外の妻と4人の子どもの相続人のうちの一人の子どもについて遺産分割調停における代理人となった。
また、全ての相続人について弁護士が代理人となった。

そして、父親について遺産の整理や評価をしているうちに男性の妻すなわち5人の子どもの母親が急死した。
子どものうちの一人が母親について遺産分割の申立をした。

母親が元気なうちは、5人の子ども達は皆自らの主張を通そうとしていたが、父親の相続分の半分の持ち分を有する母親が急死したことに皆ショックを受けたことから、子ども全員がそれぞれ依頼している弁護士の説得に応じ、法定相続分に近いかたちで父親と母親の遺産を分けることで納得し、調停がまとまった。

取扱事例5

  • 遺留分の請求・放棄

裁判所を効果的に利用することによって遺留分の取り戻しが正当に行われた。

被相続人には2人の子どもすなわち姉と弟がいた。
そして、被相続人は、全ての遺産を弟に相続させる旨の公正証書遺言を作成していた。
相続開始後に遺言では遺産を全くもらえない姉から遺留分の請求の依頼を受けた。

遺産の大半は不動産であったので、早速不動産鑑定士に相談して遺産額を確定し、相当な遺留分額の請求を弟に対して文書で行ったのであるが、弟は評価の方法に難癖をつけて相当な遺留分額の支払いを拒絶した。
そこで、地方裁判所に遺留分額を請求するために訴訟を提起した。
裁判官は、当方が提起した訴訟を調停に付し、調停委員として弁護士と不動産鑑定士(当方が相談した上記不動産鑑定士とは別な鑑定士)が各1名ずつ担当することとなった。

その結果、裁判官と上記調停委員2名で構成する調停委員会から、ほぼ当方が請求する遺留分額と同額が調停案として示された。
調停委員に不動産鑑定士がいることから、最終的には弟も裁判所の調停案を受け入れ、事件は正当な遺留分の取り戻しにより解決した。

取扱事例6

  • 相続人の調査・確定

遺言を作成するにあたっては,「相続させる。」の文言の使用をお勧めします。

遺言者(被相続人)は昭和の初めに生まれた人であり、遺言を作成する時点で90歳を超えていた。
相続開始後に発見された遺言は自筆証書遺言であった。
その当時は現在の自筆証書遺言保管制度がなかったので、不動産の移転登記等を行う場合には、必ず家庭裁判所での遺言の検認を行い、遺言書に検認を済ませた旨の裁判所書記官の奥書を付けてもらう必要であった。
この検認手続を自筆証書遺言を発見した相続人から依頼された。
検認手続に際しては、家庭裁判所から全ての相続人に通知を出す必要がある。
そこで、相続人が誰かを探索する作業をすることになった。
前記のとおり遺言者は昭和の初めに生まれた人なので兄弟姉妹が10人おり、相続人の確定に4カ月もかかってしまった。
しかし、検認手続は特段問題なく終了した。

この自筆証書遺言で感心したのは、「○○○その他一切の財産を妻△△△に相続させる。」という文言であった。
この文言であれば、不動産について極めて円滑に所有権移転登記を行うことができる。
おそらく遺言者が専門家の助言を受けていたと思われる。
もし、遺言を作成する際に自筆証書にて作成するのであれば、「相続させる。」という文言の使用をお勧めします。

取扱事例7

  • 遺言

親孝行の通信簿が遺言でした。

高齢の遺言者(被相続人)には、長女を頭に4人の子どもがいた。
妻は既に他界しているので、自分が亡き後には特に何もしなければ4人の子どもがそれぞれ4分の1ずつ相続することになることは理解していた。
しかし、遺言者はそれには納得がいかなかった。
なぜならば、子ども達のうち、長女の遺言者に対する孝行が突出していたからである。
長女が遺言者の近所に住んでいたこともあるが、ほぼ毎日のように遺言者宅に通って食事の用意や掃除・洗濯をすべて行ってくれていた。
そのため、遺言者は、長女に全ての遺産を相続してもらいたかった。

そこで、専門家に相談したところ、長女以外の子ども達にも遺留分があることの説明を受けた。
そこで、遺言者は、長女以外の子ども達の遺留分を害しないで且つより沢山の遺産を長女に渡そうと考えて、相続分を長女2分の1、他の子ども達についてはそれぞれ6分の1ずつと指定する公正証書遺言を作成した。
遺言者についての相続開始後、具体的に誰がどの遺産を取得するかの交渉について長女から依頼をうけた。
他の子ども達は、父である遺言書が残した公正証書遺言に記載されている相続分には不服であったが、遺言の無効事由は何ら存在しないため、遺言記載の相続分で納得し、誰がどの遺産を相続するのかの具体的な協議に入った。

このように、遺言を作成すると、生前に遺言者に対して特定の相続人がしてくれた内容に即したかたちで死後の遺産の分配をすることができる。
まさに遺言は親孝行の通信簿であると実感した。

取扱事例8

  • 遺産分割

遺産分割協議でも証拠が残れば戦いやすいです。

被相続人である父は、男子3人を残して亡くなった。
長兄が主導的に遺産分割協議をしたのであるが、二人の弟に対して遺産の内容や分割方法についてきちんと説明せずに自分に任せるように仕向けた。
そして、末弟には「手続で必要だから印鑑登録証明書を送って欲しい。」と電話で連絡して印鑑登録証明書を送付させた。
ところが、長兄は、印鑑登録証明書の印影部分を印鑑店に持ち込んで末弟の登録印を偽造し、勝手に亡父の預金を引き出したり、不動産の名義を自己に書き換えてしまった。
偶然このことを知った末弟は、亡父の相続について長兄を全面的に信頼して任せていた次兄に話したところ、次兄は驚愕して末弟に対して二人で長兄に事情を説明させようと話した。
そして、次兄と末弟とが一緒に長兄を訪ねて亡父の遺産やその処理について問いただしたところ、長兄が末弟の印鑑を偽造して勝手に自分のものにしたことを認めた。
次兄と末弟は、長兄との話し合いをICレコーダーでこっそりと録音していた。

次兄と末弟は、亡父の遺産分割調停を申し立てた。
長兄は、調停の席上において分割協議は既に終わっている旨主張したが、ICレコーダーの記録を調停委員を介して明らかにしたところ、自分が勝手に亡父の遺産を処分したことを認め、再度遺産分割をやり直すことに同意した。

このように、話し合いの際に可能であれば証拠を残せば、相続人のうちの誰かが不正をはたらいたとしても、十分戦えるので、大切な話し合いの際には記録をとることをお勧めしたい。

取扱事例9

  • 遺言

遺言を作る場合にはその理由等を動画に撮りましょう

被相続人である母には、相続人として既に死亡した夫との間に生まれた娘と前婚の時に生まれた息子との2人の推定相続人がいたのであるが、自分の亡き後は全ての遺産を娘にあげたいということで事務所に相談に来られた。
事務所で財産関係や全ての遺産を娘に相続させる理由を伺って、全ての遺産を娘に相続させる遺言を作成したとしても、息子には遺留分があることを理解してもらって、公正証書遺言を作成することにした。

ただ、最近公正証書遺言に関しても、遺言能力がない等の理由で遺言無効確認請求訴訟が提起されることが多いことに鑑み、公証役場へ行く前に予め事務所において、どのような遺産があるのかや、全てを娘に相続させたい理由をお話してもらい、それを親戚の者に動画撮影してもらって証拠化しておいた。
相続開始後、案の定息子から公正証書遺言無効の主張がなされたのであるが、前記の事務所で撮影した動画の複製を送ったところ、遺言無効の主張は撤回し、遺留分を渡すだけで解決した。

公証人が関わっていても、遺言無効確認請求訴訟が起こされることがあるので、そのような時のために、遺言能力に問題のないことや遺言者の真意を証明するために遺言作成時に動画撮影をして、予め証拠を用意し、遺言無効の主張を封じることができるように事前準備をしておくことが大切である。

取扱事例10

  • 遺留分の請求・放棄

兄弟姉妹に対しては遺留分を渡す必要がありません

配偶者を亡くされた奥様(夫婦間に子どもも養子もいない)が公正証書遺言を持参して相談にみえられた。
お話しを伺うと、上記遺言では全財産を奥様に相続させるとなっていたので、全ての遺産(不動産、預貯金、自動車等)を奥様が取得されることを説明したのであるが、死亡した配偶者(被相続人)の兄弟姉妹が「自分達にも相続に関して何か権利があるはずである。」と執拗に電話や手紙がくるとのことであった。

この事案では、死亡した配偶者の直系尊属は被相続人が死亡する10年以上前に死亡しているとのことであった。そこで、兄弟姉妹も相続人になるのであるが、全財産を配偶者たる奥様に相続させる旨の公正証書遺言があるので、相続が開始すれば奥様が全ての遺産を取得することになる。また、兄弟姉妹には遺留分権はない。そこで、本件については、これらのことを書面にまとめて当法律事務所から内容証明郵便で送付した。その結果、兄弟姉妹から奥様に対しての要求が為されなくなった。

相続に関して困ったことが起こった場合には、些細なことでも早めに弁護士に相談することをお勧めします。

取扱事例11

  • 公正証書遺言の作成

公正証書遺言の作成と任意後見契約の締結で二重の安心が得られます

最近、比較的元気な高齢者の方からの相談で、ご自分が亡くなられた後の財産の処分と、認知症等により物事が判断できなくなった時に対する備えを一緒にやってしまいたい旨の相談が増えております。法律相談にも高齢化社会の波が押し寄せてきているのですね。

このような相談をお受けした場合にお勧めしているのは、公正証書遺言の作成と同時に任意後見契約の締結です。公正証書遺言は、公証人という法律の専門家の関与の下に作成されるものなので、事後的にその有効性が争われる可能性は極めて低くなります。それでも、遺言者の死後における遺言の有効性が争われるおそれがある場合には、当事務所では、遺言作成の動機や内容について動画を撮影することにしております。任意後見契約の締結は、自分が判断能力を失ったときにサポートしてくれる人を予め決めておき、実際に判断能力がなくなった時に任意後見人を引き受けてもらうものですが、必ず公正証書の形式で契約締結する必要があります。 

このように、両者いずれも公証人関与の下で作成あるいは締結されますので、老後の安心を法的に得るためには是非公正証書遺言の作成と任意後見契約の締結をお勧めいたします。これら二つを同時に行えば、公証役場へ赴くの1回だけですので、それほど手間もかからずにできます。老後の安心を得たい方には是非お勧めさせていただきたいと思います。

取扱事例12

  • 遺産分割

相続情報証明制度の活用は弁護士の依頼から

相続情報証明制度というものをご存じでしょうか。

全国の登記所(法務局)において法定相続情報一覧図の写しを交付してもらうことで、複数の金融機関に遺産である預貯金が存在する場合には、手続が同時進行で行うことができるので、早く遺産を手に入れることができます。
現行では、ある銀行で相続預金の払戻を受ける場合には関係する戸籍一式を持参し、そして次の銀行へ行くということをしなければなりませんが、法定相続情報一覧図の写しを数通交付してもらえば、複数の銀行において相続預金の同時払戻ができるのです。

実際に私が相続人の代理人として担当した事件において、この制度を利用したところ、全部で4つの銀行あるいは信用金庫に預貯金がある被相続人について、短時間で払戻をして非常に喜ばれたことがあります。

但し、上記一覧図の作成のためには、亡くなられた方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本等を取得しなければならず、これはかなり手間のかかることです。遺産分割手続(交渉や調停)を弁護士に依頼すれば、これら戸籍謄本等の取得についても弁護士がやりますので、この制度の詳しいことは、弁護士に相談されることをお勧め致します。

取扱事例13

  • 遺産分割

遺産管理者を選任してもらって遺産の散逸をさせなかった事案

このケースは、既に妻を亡くしていた夫が3人の子ども(長男、二男そして長女)を残して亡くなった事案です。
遺言はありませんでした。
長男及び二男は首都圏に住んでおり、すでに2人とも結婚して家庭をもっています。
ところが、長女は発達障害のために就職もできず、自宅にて親のお金をあてにして無為徒食の生活をおくっていました。
遺産は、自宅及びその敷地や預貯金の外に多額の現金(いわゆるタンス預金)が数千万円単位で自宅の納戸や押し入れに残されていました。
このままでは遺産分割前に長女がこれら多額の現金を好き勝手に費消してしまうことになりかねません。
私が相談を受けたのは、長男と二男からであり、彼らは法定相続分で遺産を分割することで解決したいと考えておりました。
そこで私は、裁判所に仮処分命令の申立をして遺産管理者を選任してもらいました。
遺産管理者は司法書士でしたが迅速に行動してくれ、タンス預金を整理して金額を確定させ、銀行に預金して保管してくれました。
おかげで遺産分割前に遺産である現金の散逸を防ぐことができ、遺産分割自体は、長女が発達障害ではありましたが調停で解決することができました。
このように、遺産が散逸しやすい現金などの場合には遺産管理者の選任という方法を用いて遺産の保全をはかることが有効です。

取扱事例14

  • 遺言執行者の選任

遺言執行者は相続人の訴訟代理人にはなれません

相続の案件を数多く手がけていると、遺言を作成した際に遺言執行者に指定されることも数多くあります。
そして、相続開始後に相続人同士で例えば遺留分をめぐって訴訟になってしまい、相続人の一部から訴訟代理人を依頼されることがあります。
しかし、このような場合には、遺言執行者が一部の相続人の訴訟代理人にはなれません。
なぜならば、遺言執行者が一部の相続人の代理人になることにより、当事者の利益が害されたり、遺言執行者の公正性や信頼が害されるおそれがあるからです。
ですから、私共弁護士たる遺言執行者は、相続人の一部の方から相続人同士の紛争において依頼を受けても訴訟代理人にはなりませんのでご注意下さい。
ただ、そのような場合において、単に依頼をお断りするだけでは不親切ですので、他の弁護士をご紹介させていただくことにしております。
皆様も遺言が残された案件で訴訟が起こってしまった場合には、遺言執行者ではない弁護士を依頼するか、知っている弁護士がいなければ、遺言執行者に紹介を依頼していただければ幸いです。

取扱事例15

  • 相続の揉め事の対応・代理交渉

死亡退職金と相続

相談に来られた方は50代半ばの女性で、ご主人と2人暮らしでお子さんはおられない方でした。
この相談者の方は、最近ご主人を事故で亡くされて退職金の支給を受けました。
ご主人の勤務先の退職金規程では、死亡退職金の受取人の第1順位は配偶者である旨はっきりと定められています。
ところが、亡くなったご主人の親から、退職金の3分の1について相続権を主張されて困っておられたのです。
しかし、死亡退職金は、受取人が支給者である勤務先から退職給与規定等に基づき直接支給を受けるものです。
そして、退職金は、受取人である遺族(この事案では奥様)の生活保障を目的としているため、被相続人の本来の相続財産ではなく、受取人固有の財産です。
従って、死亡退職金は本来の相続財産でなく、本件では奥様の固有財産です。
それ故、ご主人の親から奥様に対する退職金の3分の1の請求は正当なものではありません。
そこで、この趣旨を文書に記載してご主人の親に郵送しました。
その結果、ご主人の親からの退職金の3分の1の請求は止まり、無事解決致しました。

取扱事例16

  • 相続放棄

形見分けと相続放棄

【相談前】
相談に来られたのは、1カ月前に父親を病気で亡くした3姉妹だった。
亡くなった父親は小さな自動車修理工場を経営していたが、工場に出入りしていた会計事務所の方に聞いたところ、父親は約1000万円の負債を抱えていた。
そこで、3姉妹は相続放棄をしようと話し合ったが、葬儀後間もなく工場から、父親の形見として何年も父親が愛用していたブレザー1着と使い古した机と椅子一組を3人で持ち出し長女の家に持って行った。
ところが、父親の自動車修理工場の債権者が偶然これらの形見を持ち出すところを見ていたのだ。
そして、3姉妹に対して「遺産を処分したのだから相続放棄はできない、当社の債権200万円を支払って欲しい。」と言ってきた。
困惑した3姉妹が当事務所に相談に来た。

【相談後・先生のコメント】
結論としては、相続放棄は可能である。
持ち出した着古したブレザーや机と椅子は、相当古いものであり、金銭に換価することはできない。
このようなものを形見分けとしてもらったとしても、相続放棄が出来なくなる遺産の処分にはあたらないというのが裁判所の考え方だ。
以上の説明をした上で3姉妹から父親の相続放棄を受任した。
そして、無事相続放棄の申述は受理され、3姉妹は父親の債務を一切支払わずに済んだ。
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