はしもと たかし
橋本 崇弁護士
橋本崇法律事務所
武蔵溝ノ口駅
神奈川県川崎市高津区久本1-6-8-4
国際模擬裁判大会で鍛えた交渉力。海外生活や支店長の経験を糧に、地元・神奈川で独立
弁護士1年目で支店長に抜擢されるなど、若いときから多くの事件処理に当たってきた橋本崇法律事務所の橋本 崇(はしもと たかし)弁護士。
英語が堪能で、学生時代には海外の模擬裁判大会に参加したことも。
地方勤務などを経て地元・神奈川に戻って独立した現在は、経験豊富な債務整理や労働問題、さらには個人事業主のトラブル解決や外国人の雇用問題などに力を入れています。
その原点とも言える恩師との出会いや、生まれ育った地元への思いをお聞きしました。
英語が堪能で、学生時代には海外の模擬裁判大会に参加したことも。
地方勤務などを経て地元・神奈川に戻って独立した現在は、経験豊富な債務整理や労働問題、さらには個人事業主のトラブル解決や外国人の雇用問題などに力を入れています。
その原点とも言える恩師との出会いや、生まれ育った地元への思いをお聞きしました。
01 弁護士としてのキャリア
1年目で支店長に抜擢。債務整理を中心に、軌道に乗せた手腕
ーー2021年9月に現在の事務所を開業したばかりですが、それまではどんなキャリアを歩んできたのでしょう?
最初に、全国に支店を構える弁護士法人に入所しました。
その後、半年ほど経ってから新設された仙台支店に異動し、支店長に抜擢されることになったんです。
初代支店長を務めた約2年間、東北全域をカバーしながら債務整理を中心に順調にご依頼をいただき、支店を軌道に乗せることができました。
それから東京の本店に戻り、今度は残業代請求をはじめとする労働問題に重点的に取り組むようになりました。
その後は、事務所を退所して新たに不動産会社の法務部で働き、次に企業法務を専門とする事務所で経験を積みました。
02 現在力を入れている分野
破産や個人再生、約2年で100件。過去2年分の未払い残業代を算出
ーー独立した現在、どんな事件に力を入れているのか教えてください。
とくにご依頼の多い事案のひとつが、個人事業主の方々からのご相談です。
フリーランスで働いている方々は取引先との間でトラブルになるケースが多く、契約書の作成や報酬を払ってもらえない際の仲介などをよくしていますね。
フリーランス向けの契約書作成講座の講師も務めています。
事件処理の経験値としては、借金・債務整理に自信があり力を入れています。
最初の事務所で支店長を任された約2年間、破産や個人再生の申し立てを計100件ほど、任意整理も毎月50件程度と大量の事件を扱ってきました。
借金のご相談時によく感じるのは、「自己責任だ」とご自身を責める依頼者さまが多くいらっしゃることです。
私は「自己責任」という言葉が好きではありません。
周囲の環境、外的な原因からやむを得ず借金をつくってしまっているケースが多いんです。
私は、ギャンブルなどで多額の借金を背負い、周りから「自己責任だ」と突き放されてしまった方々の破産手続きを何度も成功に導いた経験があります。
それらはどれも、ご本人としっかり話し合いながら、生活再建の道を一緒に探ってきた結果です。
ーー以前の事務所では、労働問題にも重点的に取り組んでいたようですね。
残業代請求やパワハラ、セクハラ、不当解雇など、弱い立場に置かれがちな労働者のご相談をたくさん受けてきました。
印象に残っている事件には、例えばトラックドライバーの残業代請求があります。
運送業界はドライバーが長時間勤務や過重労働になりやすい傾向があるため、依頼者さまが勤めていた会社では、残業代について労使の間にある取り決めがあったんです。
「職能手当」という名目で毎月固定の残業代を支払う取り決めです。
どれだけ働いても一定の残業代しか支払われず、それがどう考えても実際の勤務時間に見合わない、あまりにも少ない金額だったんです。
ただ、その点を追及しても、会社は頑なに認めようとしませんでした。
ーーそれで、会社側と徹底的に争ったわけですか?
結論から申し上げれば、会社とは約2年間争い、最後はなんとかこちらの主張を認めさせることができました。
決め手のひとつになったのは、勤務時間を徹底的に調べたことです。
トラックに搭載されているタコグラフ(運行記録計)をもとに、過去2年間分の勤務時間とそれに見合う残業代を正確に弾き出しました。
記録は相当な量でしたが、1日ずつ遡って丹念に調べ上げたんです。
細かく立証し、会社側と粘り強く交渉した成果と言えます。
03 弁護士としての強み、信念
海外の模擬裁判大会で鍛えたディベート力。土壇場の和解劇を何度も
ーー徹底した調査とともに、交渉が得意な印象も受けました。
昔から、ディベート(議論・討論)や交渉は得意だったんです。
それは、学生時代に所属していた法律サークルの影響も大きいのかもしれません。
幼少期にアメリカで3年間暮らしていたこともあり、サークルでは国際法を使った模擬裁判に熱心に取り組みました。
アメリカなど海外で開催される国際法の模擬裁判大会にも参加し、難民問題や宇宙法などをテーマに海外の学生とディベート形式で対峙してきたんです。
弁護士になってからは、例えば企業間のトラブルで契約書に記載されている支払額を交渉の末に4割くらいまで減らして和解したケースや、時効にかかっている債権を強引に裁判所に申し立てて和解を勝ち取ったこともありました。
ーー最後まであきらめずに、手を尽くそうとする姿勢が伝わってきます。
それとともに私が大事にしているのは、依頼者さまのお話をよく聞くことです。
その原点は、ロースクール時代の法律事務所でのインターンにあります。
私は奈良県にある事務所で働いていたんですが、地域に密着しながら住民に寄り添う先生の姿に感銘を受けたんです。
その先生から学んだのは、法律的な結論ありきで依頼者さまと接するのではなく、法律を離れ一般的な感覚も大事にすること。
先入観や偏見を持たず、ひとりの個人として依頼者さまと向き合うことです。
同時に私は、素早いレスポンスにもこだわっています。
依頼者さまを不安にさせないために、お問い合わせに対しては必ず24時間以内に回答するようにしています。
ーー出会いは人を、価値観を変える。まさにそんなすばらしい出会いですね。
インターン先の事務所の先生は、被差別部落やヘイトスピーチの問題にも熱心に取り組んでいました。
当事務所のある川崎市も、在日朝鮮・韓国人をはじめ、外国籍の方々が数多く暮らしている地域です。
私自身も、そういった日本で暮らす外国籍の方々の力になりたい思いが強くあります。
具体的には、まずは雇用問題です。
残念ながら、外国籍であることなどを理由に職場から不当な扱いを受けているケースも少なくありません。
私もかつて海外に住んでいた経験があるので、そうした差別的な扱いを受けるつらさや孤独感がわかるんです。
留学生や技能実習生を含め、外国籍の方々が少しでも日本で快適な生活を送れるように、法律の立場からできる限りサポートさせていただきたいですね。
04 今後の展望
地域に愛される法律家に。横浜市青葉区の「まち活パートナーズ」も
ーー仕事を離れた橋本先生の素顔も、ぜひ知りたいところです。
趣味はたくさんありますが、まずは旅行と読書ですね。
旅行会社に勤めていた旅好きの妻と2人で出かけることが多く、とくに東北、なかでも食と日本酒がおいしい秋田と山形がお気に入りです。
読書は、哲学など思想系の本を読むことが多いですね。
変わり種ですと、音楽ゲームの「ダンスダンスレボリューション」が好きで、かれこれ20年ほどプレイしています。
重心を激しく動かすので、体幹が鍛えられるんですよ。
弁護士の仕事は頭だけでなく、いろんな現場をフットワーク軽く駆け回ることも大切です。
ゲームのおかげで足腰が鍛えられ、体力には自信がありますね。
ーー最後に、今後の目標や読者へのメッセージを聞かせていただけますか?
事務所のある神奈川県は、私が生まれ育った地元です。
地域への思いは強く、通常業務とは別に横浜市青葉区の区民活動支援センターのお手伝いもしています。
弁護士をはじめとするプロフェッショナルのボランティアが、地域でさまざま活動を行っている団体に対して助言する「まち活パートナーズ」に登録しているんです。
とくに現在は、コロナ禍で仕事や生活に困っている方々が増えています。
事務所は誰もが気軽に相談できる居場所づくりを大切にしているので、少しでも困ったことがあれば、迷わずご相談いただきたいですね。
地域のみなさまに愛される法律家になれるように、全力でお手伝いさせていただきます。