バツイチ同士の再婚に伴う相続対策

再婚前に何か対策ができることがあれば、教えてください。
再婚予定です。男性50代・女性30代(お互い離婚歴あり)

①婚約者の彼には離婚をした前妻のもとに10歳の娘がいます
②私は離婚歴はありますが、子供はおりません。
③婚約者の彼は、養育費を毎月10万円支払っているそうです。もちろん私と再婚をしても支払いは続きます。大学進学を見据えているようなので、支払いは大学卒業までだと思います。
④養育費のほか、通学している私立の学校の学費、習いごとの費用なども支払いをしています。この先必要な学費も彼が支払うつもりだということです。
⑤前妻の子供にかけている学資保険も、彼が支払いしているものがあります。支払いは月払いでこれからも続くようです。
⑥前妻は離婚前まで専業主婦でしたが、今は派遣社員で働いています。
⑦私は正社員で働いています。
⑧再婚をしたら、できたら子供を産みたいと考えています。再婚して子供ができなくても、不妊治療をすることまでは望んでいません。なので、子供なしで夫婦だけで生涯暮らしていく可能性も大きいです。
⑨婚約者の彼は実家の相続、生前贈与で得られる予定のお金で、今後不動産を購入する予定です。私と再婚をしたら、その購入した不動産に一緒に住むつもりだということです。
夏に彼の祖母が亡くなり、その相続手続きがまだ途中の段階です。
色々手続きが済むまでは賃貸に住む予定です。
⑩婚約者の彼は自分の実家にも毎月約5万円の仕送りをしています。

以上①〜⑩までの事情をもとに再婚を考える場合、後々揉めることのないように、事前に婚約者の彼と話し合いをしておくべきポイントを教えていただけたら幸いです。
彼の考えとしては、彼の収入だけで養いたいという思いが強く、
私がこの先仕事を続けるとしても、私の収入は生活費には組み込まず、全て貯金して欲しいと言っています。私は定年まであと27年ほどありますがずっと続けるかは未定です。
その際の貯金の名義なども、どのようにするのが最適か教えていただけたら幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

再婚後、残念ながら彼氏さんとあなたとの間に子どもができず、相続対策なしに彼氏さんが亡くなった場合の法定相続分は、
あなた・・・2分の1 前妻との間の娘・・・2分の1
となります。
そこで例えば、彼氏さんが遺言を作り全部の遺産を妻に相続させるとしておくと、仮に前妻との間の娘から「遺留分減殺」を受けたとしても、
あなた・・・4分の3 前妻との間の娘・・・4分の1
の割合で彼氏さんの遺産を分割することになります。(ここでは「遺留分減殺」の説明は省略します)

また、彼氏さんの遺産分割は、当然彼氏さんの財産のみが対象ですので、今後の生活費を彼氏さんが持ち、あなたの稼ぎをあなた名義で貯めておけば、その貯金は遺産分割の対象にはなりません。

そのような点を踏まえ、彼氏さんの提案通り、まずはあなたの稼ぎはあなた名義で貯めておくといいのではないでしょうか。
また結婚後には、お互いに亡くなったら相手に全部の遺産を相続をさせるという内容で、2人一緒に遺言を作ることも検討してはいかがでしょう。

匿名A弁護士さま

分かりやすく、ご丁寧な回答をいただきありがとうございます。
このような方法があるのですね。

これは例えば結婚前に
◆仮に子供が授からなかった場合… 全部の遺産を妻に相続させるとしておく。という内容の婚前契約書または婚前に遺言書を書くというのは、有効性はあるのでしょうか?

私の両親も、相続で後々揉めることが嫌なようで、もし婚前に交わせる約束書面があれば、安心してくれそうなのですが…。
また、結婚してからだとなかなか言い出しにくいのかな…などと不安もあります。

たびたびの質問で恐縮ではございますが、ご教示いただけると幸いです。

たびたび失礼いまします。

このようなケースの場合…、この先不動産を購入する場合は、共同名義の方が良いのでしょうか?

私自身の心配事は、
例えば私と彼の間に子供が授からず、彼が先に亡くなった場合、住んでいる家も売ってお金に変えないと、前妻のお嬢さんに相続分を渡せないとなった場合、自分が年老いてから住む場所を確保できるのかが不安な点です。
もちろん、住んでいる家を売らなくても相続相当分のお金を前妻のお嬢さんかな渡せるぐらい貯金できるのが理想ですが、
仮にわたしが体調を崩して仕事を続けられないなどの事情が今後発生した場合には、相当額分の貯金もなかなか難しいのかと思っております。

婚前契約書などで、「死んだら遺産を贈与する」という死因贈与契約を締結しておくことでも遺言と同じような効果を得ることができます。

また最近の相続法改正により、残された妻が死ぬまで家に住み続けられる権利として「配偶者居住権」という制度が設けられましたので、その制度を活用する方法も考えられます。
もし契約書の作成まで視野に入れておられる場合は、お近くの弁護士、できれば相続に強い弁護士にご相談なさるとよいでしょう。

匿名A弁護士さま

ご回答ありがとうございます。
今まで知らなかったことが、おかげ様で少しずつ知識に変わり、安心材料になりました。

不可能だと思いこんでいたので、教えていただいた方法は、わたしにとって明るい光になりました。

見ず知らずのわたしのために、お時間をさいていただき、本当にありがとうございます。