採血ミスによる神経損傷、適切な慰謝料請求の方法とは?
内容 ] この度は宜しくお願い致します。 某検診センターにて採血ミスによる神経損傷を負った事による慰謝料請求についての相談です。 下記、詳細 56歳、女性です。 昨年4月より今の職場へ就職しました。 入職前の2月に雇用時健康診断を検診センターで受けた折、看護師が注射針を刺し血液を引きましたが採血管に流血を確認できず採血できませんでした。その時は痛みはありませんでしたが、その後やり直すのかな?と思った瞬間、看護師は更に針先を進め奥深くにグッと刺した時、肘から指先にかけて電撃痛が走りました。あまりの痛さに痛みを訴え叫ぶ事しかできませんでした。注射針による神経損傷との事で、その後大学病院、ペインクリニックで服薬治療を受けて参りました(治療費と薬代等は定期的に支払って頂いてました) 当初に比べ日常的な痛みは少しづつ和らいで参りましたが、右手の痺れ・右手指の感覚麻痺と強張り・屈伸の不自由さによる握力低下に日々悩まされながら日常生活を送っておりましたが、これ以上の改善は見込めないとの事で今年の3月に症状固定となり、後遺障害診断書(相手側の保険会社指定の様式)を提出し、14等級9と認定されました。 その後、検診センターより示談書が郵送で届きました。 【補償内容】保険会社から支払われる額との事で、これまでの治療期間13ヶ月のうち、通院(一回/月、のペースで14回受診)の通院交通費(ガソリン代金)として4450円。 通院慰謝として36万円 後遺障害慰謝料として32万円。 それぞれの慰謝料額と交通費を合わせて総額で68万4450円との事です。 私としては1年以上も仕事の休みを利用しての通院だった事もあり、ガソリン代金だけの補償が不充分であると感じると共に今まで通院、診察に要したすべての時間を労働対価として請求出来ないかと考えており、また、後遺障害により今まで出来ていた事が出来なくなった事による不自由さ、この先、一人で生計を立てて生きて行く上で多少なりとも仕事の選択肢が狭まってしまった事による逸失利益も請求出来ればと思っております。 私の受けた心と身体の傷に対し、先方の提示した慰謝料額も相手方の誠意を感じられずにおります。 しかしながら、慰謝料請求の相場など知りよしもせず、思ったとおり請求して受け入れて貰えるものなのか、、なかなか一歩が踏み出せず二の足を踏んでいる状態であります。 それでも補償して貰えるだけで良しとすべきなのか? 心を揺らぎ、悩み、不安な気持ちのまま1ヶ月が経過してしまいました。明るく前を向いて行く為に、この先どの様に対処すべきかアドバイスを頂けますと幸いです。 出来れば自らの示談交渉で解決できる事を望んでいますが、先方の保険会社の絡みもあり私の力ではどうにもならないのではないかと思っています。 弁護士介入においての交渉をお願い出来ればと考えておりますが、費用倒れにならない様、相手側から提示された額(68万4450円)より少しでも増額される事を望んでいます。 どうぞ宜しくお願い致します。
弁護士からの回答タイムライン
- 採血の手技ミスによる神経損傷事案の場合、最も難航するのは手技ミスの立証ですが、ご記載のご事情を拝見する限り、本件では手技ミスの存在に争いはないようです。 そうすると、本件の争点は、損害額に尽きるかと思われます。 相手方保険会社が提示した賠償額に関しては、裁判基準よりも低額です。 保険会社内部の賠償基準を用いて金額を算定したのだと思われますが、このような算定方法が裁判基準として通用するわけではありません。 通院期間が13ヶ月の場合、裁判基準によると通院慰謝料は120万円〜158万円となります(ただし、通院頻度が少ない場合は減額修正されることもあり得ます)。 また、裁判基準によると、14級の後遺障害慰謝料は110万円となります。 上記2点を比較しただけでも、保険会社の提示額が裁判基準よりも大幅に低いことが明らかです。 また、後遺障害の存在を前提とした場合、将来にわたる労働能力の低下による損害賠償(逸失利益といいます)を請求することもできます。 ご質問者様の収入状況にもよりますが、逸失利益も相応の金額となる可能性があります。 弁護士が介入することにより保険会社の対応が変わることは十分あり得ますので、本件は弁護士に依頼した上で交渉を行うことが望ましい事案です。 ご記載の情報限りで確たることを申し上げることはできませんが、本件は、弁護士に依頼をしたとしても費用倒れになるリスクは低い事案かと思います。
- いよかんさん下大澤先生へ 世界中がオリンピック色に染まり晴れやかに開会式が行われたこの日、私の為にわざわざ時間を割いてご回答頂き心から感謝申し上げます。 質問を掲示してからどなたからも回答がない故、私の案件は難しい事項なんだと内心諦めておりました。 この度は先生の力強いお言葉に背中を押された気分で、更に一歩進めそうな気持ちになりました。 しかしながらまだまだ不安に思う点がございますので、もう暫くご助言頂けますと幸です。 私は愛媛県在住ですが、医療に詳しい弁護士をスマホ検索するもなかなかヒットする先生が居られません。弁護士事務所は沢山あれどもどなたにお願いして良いものやら早速思案にくれております。 例えば 弁護士を通さず、先方の健診センター宛に示談に応じられない旨を記した文書に、裁判を基準とした損害額+逸失利益請求の記載を添えて示談書を返却し、自ら示談交渉しても構わないものでしょうか? やはり、先方に保険会社が介入しているので弁護士先生にお願いした方がスムーズに解決出来ますでしょうか? またお時間が許す折、お返事頂けますと有り難いです。 宜しくお願い致します。
- いよかん 様 メッセージを拝見いたしました。 医療事故事件は特殊な分野なので、医療事故事件に特化した弁護士を探すのは難航するかもしれません。 ただ、本件では、医療事故事件に特化した弁護士でなくとも対応は可能かと思われます。 医療事故事件で最も難しいのは医師の過失(医療ミス)の立証なのですが、本件では過失自体には争いがないため、損害額の立証が主なポイントになります。 損害額に立証に関しては、交通事故事件と同様の発想で考えればよいので、対応できる弁護士は多いと思います。 今後の交渉については、ご自身で対応されることも可能ではありますが、相手方保険会社は容易に増額に応じない(多少の増額はあり得るとしても、裁判基準での和解は難しい)と思われます。 弁護士が介入することにより提示額が大きく変わることは多々あるため、可能であれば弁護士に依頼した上での交渉をお勧めしたいところです。
- いよかんさんお返事頂きありがとうございます。 これでまた一歩踏み出せそうです。 ご迷惑でなければ(私と同じ悩みで辛い思いをしている方々も含め)後日経過をご報告させて頂きます。 下大澤先生♪ 前を向いて進むべき道を教えて下さいまして本当に感謝致します。 頑張ります(^^)
この投稿は、2021年7月24日時点の情報です。
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