将来の相続発生時に遺言無効で争いが起こらないようにするための工夫を凝らした遺言書を作成した案件
板橋 晃平
弁護士
【ご相談内容】【相談前】
相談者さまは、推定相続人として3人の子を持つ不動産賃貸業を営む女性です。
相談者さまの家系では先祖が代々後継者に不動産を相続させるというしきたりがあるため、後継者候補である長男に、先祖代々の不動産を相続させたい意向をお持ちでありました。
しかし、子らの間ですでに将来の相続に関して話し合いが始まっており、子らの関係性が悪化していたことから、将来の相続の際に、遺言書を作成するとともに、作成した遺言書をめぐって紛争が起きないようにしたいと考えており、困り果てていたため、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
【相談後】
相談後、当事務所は直ちに相談者さまと遺言書作成に関する委任契約を締結し、依頼者さまのご要望を実現するため、入念な聞き取りを行った上で、付言事項という遺言者がお子さまらに対する気持ちを伝える文章を添えた詳細な遺言書の案文を作成して公証役場の公証人によって公正証書にしていただきました。
また、公正証書作成の数時間前に依頼者さまが遺言したい内容を口頭で自由に述べている様子を撮影して動画として保存し、相談者さまに相続が発生した際に相続人が動画を見られるようにしておきました。
【先生のコメント】
本件は、遺言書作成という典型的な事案でした。遺言は相続発生するまで放置されがちですが、相続発生後に相続人らによってその有効性が争われることが多々あります。
将来の紛争予防という観点から遺言書作成を検討する場合、遺言を公正証書にすることのみならず、ビデオレターといった動画の形で、遺言を残すことが大切です。
遺言者は元気なうちに自分の財産の処分や相続人に対する気持ちを相続人らに伝えることができ、それを見た相続人らは、遺言の有効性のみならず、遺言者の意思を尊重していただきやすくなります。
また、仮に遺言無効で争われたとしても、動画が証拠として採用されることで、早期に遺言に関する争いを解決することができます。
なにより、今回の件では、遺言に関する紛争に明るい当事務所の弁護士が早急に対応したことが相続による紛争予防の上で、依頼者さまに大きな利益をもたらしたと思われます。
依頼者さまも、遺言に関する紛争に明るく、フットワークの良い当事務所の弁護士にご依頼できたことを喜んでおられました。