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こばやし とおや
小林 遠矢弁護士
武蔵総合法律事務所
市ケ谷駅
東京都新宿区市谷田町2-7-15 市ヶ谷クロスプレイス5階
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インタビュー | 小林 遠矢弁護士 武蔵総合法律事務所

売主が不明なら中間業者、それがダメなら保証協会と最後まで依頼者の利益のために戦う

「事件を解決するためには、法的な戦略が必要です。その戦略を立てるために必要なのが、依頼者さまとの信頼関係です」

事件解決に必要なことをそう話すのは、武蔵総合法律事務所に所属する小林 遠矢(こばやし とおや)先生です。

大学時代に「法律は画一的なものでなく、一定程度の解釈ができる柔軟性がある」と気付いたことがきっかけで弁護士を目指しました。

弁護士になった今も、法律をそのまま受け入れるのではなく「本当にそうなのか?」という視点を持ち続けています。

解決事例を通して、小林先生の弁護スタイルが垣間見えました。

01 原点とキャリア

法律の柔軟性を感じ弁護士に。相続、不動産、企業法務で活躍

――弁護士を目指した経緯を教えてください。

大学の法学部で法律を勉強していたとき、それまで画一的に物事が決まると思っていた法律に、実は解釈の余地という柔軟性があると気付きました。
それをきっかけに法律に興味を持ち、弁護士を目指すようになりました。


――弁護士になった今、その気付きについてどのように感じますか。

法律の柔軟性は弁護士になった今でも感じることが多くあります。

たとえば、事件が解決できるか否かは、交渉や訴訟では法律の解釈の仕方やスポットの当て方にかかっています。
しかし、それを実現するためには物事を的確に伝えるスキルや、あらゆる法的な知識が必要です。

また、過去の判例の知識はもちろん大切ですが、それよりも判例をもとに目の前の事件の法的な解釈をどのように組み立てるかが大切です。

同じように見える事件でも個別の事情はさまざまで、判例がそのまま当てはまる事件はほとんどありません。


――弁護士として扱ってきた事件の分野を教えてください。

ひとつ目の事務所では相続事件や信託業務を扱っていました。
次の事務所では相続に加えて不動産関連の事件や企業法務も扱うようになりました。

その後、仲間とともに立ち上げたのが今の事務所です。

02 解決事例①

債権回収と不動産売却を同時に解決。代理人だからこその役割

――印象に残っているのはどのような事件ですか。

不動産を所有する共有者間の話で、同時に共有者間で債権債務関係もあった事件が印象に残っています。

依頼者さまは、まずは、債権の返済を求めていました。
さらに、できたら共有不動産を売却できないかとも考えられており、私が相手との間に入って交渉することになりました。


――この事件では、どのような部分が難しかったのですか。

依頼者さまと、相手方との関係が良くなく、直接まともに話し合いができない状況だったのです。
そこで私が代理人になり、相手も代理人をつけたので代理人同士で話し合えるようになり、話が進むようになりました。

まず、依頼者さまの債権が、法的に成り立つかという問題がありましたが、代理人間の協議でそれは無事に認められました。さらに、共有不動産の売却についても応じてくれることになり、売却の話を進めることができました。
不動産の売却価格がどの程度になるかという点も気になっていましたが、最終的には想定以上の金額で売却を実現できたのです。

最終的に、依頼者さまは無事に債権を回収できましただけでなく、共有不動産の売却という目標も達成できたことになります。


――このような事件で、依頼者はどのような行動を取ればよいのでしょうか。

まず、困ったなと思った時点で早急に弁護士に相談することをおすすめします。
法律知識のない一般の方ができることは限られており、場合によってはそれが不利な状況を招くこともあります。また、法的に時間制限があるような話も少なくありません。

また、相手とのやりとりはメモなど記録に残しておくことが重要です。
これは相続などにおいてもいえることです。

03 解決事例②

売主不明の不動産詐欺。保証協会から被害額の一部回収に成功

――ほかには、どのような事件が印象に残っていますか。

次にお話するのは、不動産を対象にした詐欺の事件です。

ある不動産を購入した方から、詐欺に遭ったようだと相談を受けました。
売主と依頼者さまの間には不動産業者が入っていましたが、結局不動産は取得できず、支払った代金が返ってこなくなったのです。


――この場合、依頼者さまは誰に請求することになるのでしょうか。

まずは間に入った不動産業者に対し、裁判を行いました。
売主への請求も検討しましたが、結局身元を特定することができませんでした。

不動産業者との訴訟ではこちらの主張が通り、請求を認容する判決も出ましたが、不動産会社の財務的な事情か支払ってもらえませんでした。

そこで考えたのが、不動産の保証協会の保証を受けることです。
しかし、保証協会は「(訴訟相手の)不動産会社は、今回の不動産取引の直接の相手ではない」と保証を拒否したため、保証協会に対して訴訟を起こすことにしました。


――事件解決のために、どのようなことを工夫しましたか。

準備書面の中で、図を挿入し、裁判官に伝わりやすいように工夫しました。

法律の世界では、図解など文章以外の手段で何かを伝えることはあまり多くない印象です。

しかし、この事件では依頼者を含む関係者の相関関係が複雑でした。
そのため関係図を作成し、裁判官の理解を助けるよう工夫したのです。

こういった工夫が功を奏したのかは分かりませんが、最終的にこちらに有利な判決が下されて、保証の範囲内ではありますが、被害金額の一部を回収できました。


――ほかにも不動産関係の解決事例を教えてください。

不動産オーナーの方の依頼で、賃借人(入居者)が退去するときの立退料の額について争った事件があります。

裁判の中では、立退料の額を鑑定人である不動産鑑定士が鑑定しましたが、当方は鑑定の内容や手法について詳細に疑問をぶつけました。
そうすると、裁判官がその主張を考慮し、当初の立退料より相当高くなったという事例があります。


――専門外の分野に、なぜ切り込んでいけるのか教えてください。

先の事案で、私には不動産鑑定の専門知識が豊富にあったわけではありませんでした。
そのため、不動産鑑定の専門家に真っ向から立ち向かうことは難しいかと思われました。

しかし、こちらも専門家の意見を踏まえながら、鑑定書を詳細に読み込んだところ、鑑定の内容や手法に矛盾点があることに気づくことができました。
その事案では、裁判官にも伝わりやすいように矛盾点を問題として提起できたことが、立退料のアップにつながったのだと考えています。

ただ、気になることに闇雲に反論すればよいわけでもありません。
要点を見極め相手の矛盾を突けそうなポイント、かつ、裁判官に理解してもらいやすいポイントを探して、メリハリをつけて反論するようにしています。

04 弁護士として心がけること

意思決定は依頼者とともに。必要なのは信頼関係と重要な情報

――弁護士として大切にしていることを教えてください。

メリット・デメリットの両方を依頼者さまへ説明し、その上で一緒に意思決定することを大切にしています。

私が一方的に弁護方針を決めることはありませんが、依頼者さまだけの意見で進めることもありません。
依頼者さまのご希望に沿いつつも、戦略を立て、できるだけ依頼者様にとって良い形となるような進め方を提案させていただいています。

事件を解決するには法的な戦略が必要で、戦略のための情報を集めるためには依頼者さまとの信頼関係が必要です。

信頼構築には特に気をつけており、たとえば、新しい主張を組み立てるときには必ず対面でお話するようにしています。

これにより信頼関係を築きやすくなります。
また、雑談のなかで事件解決の重要な情報を得られることもあるのです。

そうやって情報を集めたうえで、相手に主張すべきことを取捨選択し、効果的に主張するようにしています。


――最後に小林先生から困っている人へメッセージをお願いします。

インターネットや生成AIによって、一般の方でも法律問題に対するもっともらしい回答を得られる時代になりました。
しかし、事件の事情は一件ごとに異なり、また、インターネットなどの情報が最新の法律や、その事例に沿ったものなのかは、普通の方には簡単には分からないと思います。

そのために必要なのが、私たち弁護士です。

個別の事情を考慮し、法的な問題の本質を見極めることができるのが弁護士かと考えています。

諦めずに、一緒に最後までがんばりましょう。
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