遺留分の算定方法と相続現金の引き出し及び不動産名義変更

母が亡くなり、遺言書を残していました。私に現金、兄に不動産と財産総額のそれぞれ約半分ずつを相続させる。遺言執行人は兄との内容です。他に相続人が父と姉がおりそれぞれ兄に遺留分の請求をしました。

① 遺留分を請求された兄だけが支払えばよいのですか?
遺留分額父3/12、姉1/12を差し引いた兄取り分2/12、私1/2でよいのでしょうか?
② 遺留分を請求した父と姉は共同で相続財産不動産の所有権があるということでしょうか?
それとも、兄に債券をもっているという事でしょうか?
③ 兄は、不動産の名義変更を父と姉の承諾なしにできますか?
④ 私は、現金を自由に引き出すことは出来ますか?
⑤ 遺留分の請求は5年で時効があるとの事ですが、どのような事をすれば時効を防ぐことができますか?

①ご質問者様もお父様やお姉様に支払う必要があります。
②お父様とお姉さまは不動産の所有権(正確には共有持分権)がありません。
お父様とお姉さまはご質問者様やお兄様に対して、それぞれ遺留分に相当する金額を請求する権利があります。
③できます。
遺言は公正証書遺言でしょうか?
自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合、家庭裁判所で検認手続きをしてから、法務局で相続登記の申請をすることになります。
登記については司法書士にご相談ください。
④遺言者や検認調書等の書類が必要になります。
⑤遺留分侵害額請求の時効は、相続があったことを知ってから1年です。
お父様やお姉さまは既に遺留分侵害額請求権を行使しているので、本件では時効は関係ありません。

ご教示頂き誠にありがとうございます。

①遺留分に相当する金銭をすぐに支払わない場合、法定金利を請求されますか?
➂公正遺言証書です。
④公正遺言証書でも不動産登記や現金引き出しの際に検認調書必要ですか?
⑤他の金銭債権と同じように、遺留分侵害額請求権をおこなったときから5年もしくは10年で時効消滅するようなことを何かに書かれていたような気がするんですけど、そんなことはありますか?

①理論上、お父様達が遺留分侵害額請求権を行使した日の翌日から質問者様達に対して遅延損害金を請求することは可能です。
④不要です。
⑤遺留分侵害額請求権に関する消滅時効は他の債権の消滅時効とは異なります。

大変参考になりました。
心より御礼申し上げます。

①父・姉が、兄に対してできる遺留分侵害額請求は、父は3/24、姉は1/24です。父・姉があなたに対して遺留分侵害額請求をしないと、その分だけ取りっ逸れることになります。
②民法改正後の相続については、遺留分侵害額請求は、金銭的な請求権となり、不動産の持分を取得しません。
③遺言に基づいて不動産の名義変更は可能です(自筆証書は前もって、検認手続を経る必要があります)。
④遺言に基づき預貯金の払戻しは可能です。
⑤遺留分侵害額請求は、相続の開始及び遺留分を侵害する遺贈等を知ったときから1年で時効にかかりますが、請求をした後は、一般の請求債権と同じ、5年ないし10年で消滅時効となります。

遺留分請求をされた人だけの支払いになるのですね。消滅時効もあるとのことでよくわかりました。ありがとうございました。