長時間労働により脳出血を発症した会社員について後遺障害2級の労災認定を受け,勤務先との間で1億円を超える額での示談成立した事例
津田 和之
弁護士
【ご相談内容】★ご相談内容
管理職として勤務していた方が,仕事中に脳出血で倒れて,高次脳機能障害と左半身麻痺の後遺障害が残りました。
脳出血を発症する前の6か月から1年間は,1か月に100時間以上の残業をしていました。
ただ,この方は,自分が管理職のため,労災申請はできないと思っており,当事務所に相談に来られた際には,発症後,3年以上経過したあとでした。
★解決の方針・結果
相談を受けてから,まず,勤務先に対して,勤怠管理表の提出を求めるとともに,通勤に利用していたICカードの履歴の開示を求めるなどして,発症前,6か月間の労働時間と時間外労働時間の調査と把握を行いました。
次に,主治医と面談の上,現在の症状や後遺障害について聞き取りを行うとともに,労災の障害給付の診断書の作成を依頼しました。
そのうえで,勤務先の人事担当と面談して,労災申請を行う旨を伝えるとともに,相談者の担当業務や時間外労働の状況などを確認し,労災の申請書類への証明を依頼しました。
そして,申請書類を揃えて,労基署に出向いて労災申請をするとともに,相談者の担当業務の内容や時間外労働の状況などについて,資料を提出して説明を行いました。
これらの結果,相談から約1年2か月,労災申請から約7か月で,労災として認められ,2級の後遺障害の等級認定を受けることとなり,将来にわたって障害補償年金などを受給することができるようになりました。
また,その後,勤務先に対して,労災では補償の対象となっていない,慰謝料や逸失利益の請求を行い,約1年間の交渉の結果,勤務先が約1億3千万円の損害賠償金を支払うことで示談しました。
過重労働による脳・心臓疾患の労災が認められるためには,発症が業務による明らかな過重負荷によるものであることを立証する必要があります。
そのため,労災認定を受けるためには,発症前の仕事の内容や時間外労働時間の把握,勤務先や主治医との交渉・調整,労基署への説明などが必要となり,通常の労災申請と比較すると,相当な時間と作業が必要となるだけでなく,専門的な知識や経験なども欠かすことはできないと思います。
当事務所では,これまで,過重労働による脳・心臓疾患の労災認定について,数多く扱っており,専門的な知識とノウハウを持っています。