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1 自宅待機(謹慎)中の賃金について 会社からの自宅待機命令は、原則として業務命令の一環、または会社都合による労務の受領拒否とみなされます。そのため、民法536条2項に基づき、会社は労働者に対して賃金を支払う義務を負うのが原則です。 過去の裁判例では、懲戒処分の調査などを目的とした自宅謹慎について、以下のように判断されています。 自宅謹慎は、それ自体が懲戒処分ではなく、職場秩序維持のための業務命令である。 したがって、会社は当然にその間の賃金支払義務を免れるものではない。 会社が賃金支払義務を免れるためには、「不正行為の再発、証拠隠滅のおそれなどの緊急かつ合理的な理由」が存在するか、または自宅待機を懲戒処分(出勤停止)とするための就業規則上の明確な根拠が必要である。 つまり、単に事故を起こしたという理由だけでは、賃金を支払わない正当な理由とは認められにくく、賃金全額の支払いを請求できる可能性があります。トラック運転手が事故後に命じられた自宅待機について、実質的な理由がないとして会社に賃金支払いを命じた裁判例もあります。 自主退職を促す行為について 会社が従業員に退職を促す「退職勧奨」自体は、直ちに違法となるわけではありません。しかし、その方法や態様が、労働者の自由な意思決定を妨げるほど執拗であったり、心理的な圧力を加えたりする場合には、「退職強要」として違法な不法行為と判断されることがあります。 ご相談のケースのように、会社が自主退職を期待して自宅待機を命じていると疑われる状況については、過去の裁判例で、任意の退職を求めることを主たる目的とした長期間の自宅待機命令や、退職勧奨を拒否した後の正当な理由のない自宅待機命令が違法と判断されたケースがあります。 2 事故の修理費について 企業は従業員の労働によって利益を得ていますので、その結果生じた損害についても引き受けるべきという考え方が基本です。したがって、従業員が企業に損害を与えたからといって直ちにその全額について賠償を請求できるわけではありません。事故の態様や経緯によって、いずれがどれだけ負担するかが変わってきます。 本件がどのような事故態様であったかは不明ですが、必ずしも事故による損害全額を賠償しなければならないわけではありません。
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