再婚後の養育費請求、相手方収入開示の義務は？

Question

再婚相手と離婚し、離縁したので元夫に再度養育費の請求をしたところ、元夫も再婚し、再婚相手との間に子どももいました。
話し合いをしていくなかで、元夫の収入は教えてくれたのですが再婚相手の収入は一切教えてくれません。
元夫、再婚相手の子の生活費や養育費を考慮してこちらの養育費を決めたいのに、再婚相手の収入を教えてくれないので埒が明かないで困ります。
調停になっても再婚相手の収入はないがしろにしたまま決めることになるのでしょうか？
再婚相手の収入の提出義務はないのですか？

清水 卓 弁護士 · Accepted Answer

裁判所に調停•審判を申立て、裁判所が養育費を算定する際には、再婚後の妻の収入も踏まえて計算する運用がなされています。

①   再婚後の妻自体に十分な収入がある場合には，元夫（養育費の支払義務者）が再婚後の妻の生活費を負担する度合いは低くなる一方で、再婚後の妻自体に十分な収入がない場合には、元夫（養育費の支払義務者）が再婚後の妻の生活費を負担する度合いは高くなるという考え方から、再婚後の妻の収入金額次第により、元夫の収入から再婚後の家庭の方に回すべき生活費の金額が変わってくる（すなわち、元夫が元妻側の子に回す養育費の金額も変わってくる）可能性があります。

②   また、元夫と元妻との間の子（Ａ）のみならず、再婚後の妻と元夫との間にも子（Ｂ）がいる場合には、元夫の収入をＡとＢにどのように配分するかが問題となります。さらに、Ｂの生活費については、元夫のみならず、再婚後の妻も一部負担すべきという考え方から、再婚後の妻の収入も確認した上で、Ａに配分する生活費の額（養育費の額）を決めることになります。

そのため、再婚後の妻からすると、元夫と元妻の間の子の養育費に関する調停ではあるものの、再婚後の妻の収入資料の提出も裁判所から求められる運用がなされているものと思われます。

いずれにしましても、あなたのご事案には様々な経緯•事情（あなた側の再婚•離婚•離縁、元夫側の再婚•再婚相手の出産等）があり、養育費算定表どおりに結論を出すのが相当ではないケースかと思われますので、より詳しくは、お住まいの地域等の弁護士に直接相談してみるとよろしいかと思います。