最高裁で内部告発者に対する訴え提起の正当性が認められた事例
前田 尚一
弁護士
【ご相談内容】【弁護士からのコメント】
私はこれまで企業側のご相談に多く対応してきましたので、企業側の盲点、弱点も把握しています。
労働者側のご相談にも、積極的に関与しています。
労働者側からのご相談も、お気軽にご相談ください。
ここでは、企業側での解決事例を紹介します。
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施設入所者に対する虐待行為が行われている旨の記事が新聞に掲載されたことに関し、複数の目撃供述等が存在することを認識していたものの、他の事情から虐待行為はなかったとして、同施設を設置経営する法人が新聞への情報提供者である職員らに対してした損害賠償請求訴訟の提起が違法な行為とはいえないとされた事例。
特養ホームである社会福祉法人の代理人として担当した事件で札幌高等裁判所が当方を敗訴させたことから、最高裁判所に上告受理を申し立てました。
最高裁は、上告を受理し、札幌高裁判決を破棄したうえ,差し戻しました。
地元の北海道新聞が平成21年10月23日夕刊で「特養ホーム内部告発訴訟 高裁判決を破棄」という見出しで記事を掲載したほか、日刊全国紙、TVニュースで報道されました。
この事件は、最高裁判所のHP(裁判所ウェブサイト)・「裁判所時報」1494号303頁のほか、二大判例雑誌である『判例タイムズ』1313号(平成22年2月15日号)115頁、『判例時報』2063号(平成22年3月1日号)6頁に登載されました。
札幌高裁判決の判断は,後掲【上告受理申立理由】で述べたとおり,裁判制度の長年の歩みの中で形成された,制殿原則として正当な行為である訴えの提起を敢えて不法行為を構成するかどうかを判断するにあたっては慎重な配慮をしなければならないという最高裁の考え方を無視するものであることに加え,最後の救済の砦でもある訴訟の現場における,裁判所,裁判官の在り方にも大きな問題があるものでした。
二大判例雑誌では、判決全文とともにコメントがつけられています。
その中で、《原審の判断は、提訴者に高度の調査、検討義務を課すもので裁判制度の自由な利用の確保という観点からは、疑問があるものといわざるを得ない。》などと当方を敗訴させた札幌高裁判決に対し批判的な論評をしています。
この判例雑誌のコメントは、一般に裁判官が書いているといわれており(特に、最高裁の判決の場合は、担当した調査官が書いているといううわさもあります。)、批判的論評はされないのが通常ですから、敢えて上記のように苦言ともいえる批判的論評がされたことは、札幌高裁の判決がいかにひどいものであったかを明確に裏付けるものです。
ところで,新聞報道によると,被上告人が,札幌市内で記者会見し,同席した代理人弁護士が,「最高裁判決は過去の判例を機械的に当てはめたもの。
提訴の適法性を個別具体的に判断してもらいたかった」と話したとのことです(平成21年10月24日北海道新聞朝刊)。
しかし,判決全文をご覧いただくと明らかなとおり,最高裁の判決は,どう見ても,個別具体的に判断しており,同代理人が何を言おうとしているのか,私には全く理解できないところです。
【感謝の声】
ある日、思いがけない案件が発生し、前田先生の事務所にお伺いしました。
その時に、「依頼者と協働作業でやらなければ良い成果は得られない」と先生がおっしゃったことを覚えています。
どんな些細なこともお伝えしなければ、現場の状況は分からないと思い、私は出来る限りの情報をお届けしようと思いました。
先生への電話、法廷でお留守の時はメール、FAX等で連絡を入れました。
色々な方法で連絡を入れましたが、先生は何時も必ず、それに対する返事を下さいました。
又、打ち合わせの際も、案件以外の雑談の中からも、先生は何かを感じ取って下さり、案件へ結びつけてくださいました。
私の話の中から、何かを汲み取る感性には、いつも感心しました。素人の私の見る観点と、違う事を痛感しました。
初めての記者会見や、法廷への出廷、不安と緊張の中、先生に助けて頂き、何とか乗り切る事が出来たと思います。色々な困難や様々な事柄に、逃げ出したくなったこともありました。
でも「協働作業」の言葉を思い出し、何とか頑張ることができました。
以前の職場でも、弁護士に依頼した案件がありましたが「協働作業」にはならず、質問にも答えが得られず、苦労したことがありました。
前田先生への、私からのラブレター(連絡用のFAX)綴りは、莫大な量となって残っています。
お忙しい中、それを全て見て下さり、回答を頂いた事に感謝しています。