存在すら知らなかった相続人との協議、調停
(上記、相談の目的は、司法書士に依頼済でセカンドオピニオンで聞きたいという状態です。) 15年ほど前に亡くなった祖父の相続登記の相談です。 実家は父名義の土地と祖父名義の土地上にあり、建物は父・祖父の共有名義です。祖父の妻は亡くなっていて、相続人は私の母のみだと思っていました。 母は、相続登記は期限がなく、相続人は自分のみのため、登記はいつでもいいものだと思いこんでいたため手続きをしないまま時間が経ってしまったようです。 この度、父を債務者とする住宅ローンの借り換えのため、共有者である祖父の相続登記の必要があり、司法書士事務所へ相続手続きを依頼しました。 すると、戸籍から母以外にも子がいたことが判明しました。(母の兄にあたります) 生後数か月で養子に出ており、母は全く存在を聞かされていなく、当時を知る親族を探したものの、年配の者ばかりでほぼ記憶になく、なおかつ複雑な事情があったようで詳細を知るものはいませんでした。 戸籍の附票上の住所へ手紙を出し2か月経ちましたが返信はなく、再度手紙を出すか検討中の状態です。 司法書士からは、おそらく調停か審判手続きとなり、法定相続分の割合で分割すると言われました。 法定相続分で分割をすると祖父の所有割合の半分は母の兄へいくとは分かったのですが、一緒に住むことは現実的ではなく、割合分を支払えるほどの貯金はないので、もし金銭で解決をするのであれば、家を売るしかないのかと思い悩んでおります。 母は何十年も住んでいる実家であり、祖父が亡くなってからの固定資産税も払い続けていたため、調停や審判となった場合そのあたりの個人的事情は検討していただけないものかと気にしております。 返事がきて話し合いができれば1番いいのですが、複雑そうな事情や2か月音沙汰がないことから、再度連絡をしても難しいように感じております。 別件で、上記の祖父の姉妹で姉妹同士で同居していたうちの片方も昨年亡くなり、相続人として上記の母の兄がいるため、こちらも同様に返事が来ないため手続きができない状態です。 担当していただいている司法書士の方に次の流れやタイミングについて質問していますが、こちらに選択を委ねられており、どう動いていいか困っております。 ①このような場合の1番スムーズな流れ ②調停、審判となった場合、個人的事情や心情は考慮されるのか ③上記の場合は相続分にあたる金銭を支払う形しか解決法はないのか こちらについてご返答いただければ幸いです。
弁護士からの回答タイムライン
- asa様 大変なご事情、拝見いたしました。 ①このような場合の1番スムーズな流れ ⇒記載いただいた内容を拝見いたしましたが、現実問題としてスムーズに進めることは非常に難しいものと思います。 ただ、遺産分割調停等法的手続きを取るのは最後の手段として、あくまでも、相手方とコンタクトを取り話し合いで穏便に解決できるように試みていただいた方がよいものと思われます。 具体的には、手紙を出されたとのことですが、可能であれば、戸籍上の住所に直接伺うこともご検討いただいた方がよいものと存じます。 ただ、直接伺われる場合には、弁護士等を同伴いただいた方がよく、またコロナ禍でもありますので、十分事前に配慮を示しておく等のご対応を取っていただく必要がございます。 ②調停、審判となった場合、個人的事情や心情は考慮されるのか ⇒調停の場合は、当事者双方の合意の形成が重要ですので、調停委員に対して個人的事情や心情をお伝えいただくことは可能ですが、相手方が応じない場合には調停が成立しませんので、最終的には、個人的事情や心情は考慮されない可能性も十分ございます。 ③上記の場合は相続分にあたる金銭を支払う形しか解決法はないのか ⇒最終的な裁判手続きを取った場合には、そのような解決しかございません。ただ、裁判手続きを取る前に可能な限り任意交渉での解決を目指していただいた方がよいものと存じます。
- asaさん有森先生 この度は迅速なご回答をありがとうございます。 直接伺うということを全く考えておりませんでしたので、こちらについても併せて検討させていただきます。
- ①このような場合の1番スムーズな流れ ②調停、審判となった場合、個人的事情や心情は考慮されるのか ③上記の場合は相続分にあたる金銭を支払う形しか解決法はないのか 相手次第となります。 相手がこれまで縁がなかったので、相続分は不要として、ハンコ代程度で 名義変更に承諾してくれる場合と 相続権があるので、それなりの代償金を支払ってもらわないと名義変更に応じられないと 言ってくる場合と、両方あります。 どちらが多いとかはなく、相手方によるので、相手方に手紙等で当たってみるほかありません。 まず手紙を出し、それで解決しなければ調停を申し立て、それでもだめなら審判という方法を取らざるを得ないと思います。 審判になったときは、代償金を支払うか、売って代金を分けるかの方法を取らざるを得ないと思います。 弁護士に面談で相談された方がよいかもしれません。
この投稿は、2021年5月20日時点の情報です。
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