時計を修理に出したら全くの別物が返ってきました
街の小さな時計店にカルティエのアンティーク時計を修理に出したところ、1ヶ月以上経過して、別の時計を返却されました。
店主は「型番が同じだから、本物だ。いちゃもんをつけるな」と一方的に主張してきて、話し合いになりません。
確かに型番は同じですが、その型番は時計一つ一つで異なるものではなく、同じタイプの時計に刻印されているものなので、「同一の時計」との証拠にはなりません。
表面には傷がついていますし、何よりもベルトが全くの別物です。
「私のものではないから、弁償して欲しい」と要求しましたが、全く取り合ってくれません。
この場合、内容証明を送り、そのあとで簡易裁判所などに調停を申し込むのでしょうか。
相手は話の全く通じない老人のため、時計も戻らず、弁償もされないまま有耶無耶にされてしまうのではないかと思っています。
返ってきた腕時計が相談者さんが修理に出したものと異なることを疎明する資料を添えて、所有物の返還を求める意思表示を書面で行うのが一般的です。
相手方の反応が芳しくなければ、民事調停を申立て、裁判所の調停員を交えて、所有物の返還を求める話し合いを行うことを検討されてみてください。
調停が成立しなければ、最終的には所有権に基づく返還請求の訴訟を提起するという形になると思われます。
ただ、相手方が納得して返還に応じなければ、いずれの手続でも、相談者さんの所有物が返還されていないことを相談者さんが証拠によって疎明、証明する必要が生じてきます。
一度、相談だけでも最寄りの法律事務所に行かれてみてはいかがでしょうか。
型番が同じということですが、例えば預ける前の写真、時計の保証書や以前オーバーホールした際の書類などで、その時計に唯一無二の個性があることが証明できるものはないでしょうか。
全くないのだとすると、そもそも預けた時計と帰ってきた時計に同一性がない(このことの立証責任は相談者にあります)ことが立証できず、調停等を申し立てても困難なことが予想されます。