労災事故による身体障害で慰謝料請求はできるのでしょうか?
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当方、木工加工会社に勤務してるのですが、去年の1月に木工加工機の切断加工部の刃物にて手のひらを含む右手の手首より上2cm程の所で切断してしまいました。 元々相当古い機械で且つ年始で不調ということもあり動きが悪かった為グリスアップをやりました、最後になったフィンガー加工部の下のレールにグリスアップを終えて立ち上がって振り返った時にグリスガンが巻き込まれた様で(後ろ手になってたので見えてません)手首から先が無くなってました。 警察も介入して現場検証などもあり、安全義務違反もあるという事でした。 機械を運転しながらやっていた事もありますが、怪我する前年よりかなりの負荷で生産する様に指示されていたので時間が惜しいために停止させずにやってしまいました。 因果関係は不明ですが、退院後約一月半の家庭での慣らしを経て軽作業をやってもらうとの事で会社に復帰したのですが、以前よりは軽度作業ではありますが重量物を持ったりする事もある作業を任され、半月程経ったくらいから残った左手にも痺れと怠さがありMRIも撮った結果神経圧迫が見られ、首の頸椎ヘルニアだと診断されました。 経営者側の人間と言われましたが権限も無く作業員と変わらない仕事内容で、大型連休と日曜日以外はほぼ出勤させられたり残業代も出なかったりもしています。 今現在慰謝料等の話も無く仕事量も以前より増え身体がもたないので転職しようと考えています。 親族の経営者する会社ですが、慰謝料請求する事はた出来るでしょうか?
いなと さん ()
弁護士からの回答タイムライン
- 労災申請や安全配慮義務違反等で慰謝料請求や損害賠償請求が可能な場合があるかと思われます。 また、残業代等の未払い給与も請求できる可能性もあります。 一度個別に弁護士に相談されると良いでしょう。
- 大変なお怪我をされ、その上過酷な労働環境に置かれ、お困りのことと存じます。まずはお見舞い申し上げます。 少しでも問題解決のお役に立てればと思い、ご質問にお答えさせていただきます。 ご相談者の具体的な会社内での立場や入手可能な証拠資料にもよりますが、お怪我に関しては労災保険からの給付や会社からの損害賠償が、過重労働に関しては未払残業代の支払が受けられる可能性がある事案とお見受けします。 請求が認められる可能性や採るべき手続を検討するには、様々な事情のヒアリングや証拠資料の検討が必要になるため、今後の方針の検討も含め、一度面談にて法律相談をされることをおすすめします。
- 弁護士川波が回答いたします。 具体的に事故状況や日頃の会社の木工加工機の管理状況についてお聞きし,会社の労働者の安全に配慮する義務違反があるのか判断することになります。機械の停止がされない状況での作業等について会社の指導や認識などが問題になりそうです。会社に義務違反があるのであれば,慰謝料請求ができると思われます。 労務により手首を切断した場合,障害等級は5級とされており,状況により増減しますが,1400万円程度が相場です。 頸椎ヘルニアについては,安全に配慮する義務違反があったかを検討する必要があります。また,ヘルニアは切断のような外傷がないので,労務を原因として発生したと言えるか争点になりそうです。この点,労災認定ですが,業務状況や医療記録から詳細に主張した結果,過重労働から労災認定された経験がありますので,質問者の方も同様に詳細に主張していくことになるとおもわれます。 どの程度経営に関係しているかですが,取締役でも労災認定において労働者性を認めてもらって経験は複数あります。親族経営であっても何ら権限がなく労務作業が使用者の指揮命令に沿って行われていたのであれば,会社に対する損害賠償が認められる可能性はあると思われます。
- 去年の1月の事故であり、警察も介入して現場検証などもあり、安全義務違反もあるということですが、 ①刑事事件としては、業務上過失致傷罪、労働安全衛生法違反等が想定されますが、既に捜査が終了し、起訴•不起訴の処分が会社側になされていますでしょうか。 → 既に刑事処分がなされている場合には、検察庁に問い合わせ、刑事記録の入手を試みましょう。刑事処分がどうなったかわからない場合には、検察庁に問い合わせ、状況確認をしてみましょう。 ②労災の手続内でいわゆる後遺障害の認定もなされますが、既に後遺障害の認定もなされていますでしょうか。 → まだの場合は、労働基準監督署に問い合わせ、しかるべき時期に後遺障害の認定をしてもらいましょう。既に後遺障害認定がなされている場合、その妥当性を検討することになります。 ③労災保険からは支給されない慰謝料等については、安全配慮義務違反等に基づく損害賠償請求を会社側にして行くことになります。 → 労働基準監督署から労災の認定資料、検察庁から刑事記録を入手する等して、必要な証拠を揃え、民事での損害賠償請求の準備を行うことになります。なお、会社側が任意に支払いに応じないような場合には、訴訟の提起を検討することとなります。 ④ 「経営者側の人間と言われましたが権限も無く作業員と変わらない仕事内容で、大型連休と日曜日以外はほぼ出勤させられたり残業代も出なかったりもしています」 → いわゆる残業代の請求を検討することになります。なお、労働者ではない•管理監督者の立場にあった等の主張が会社側からなされることが予想されますが、経営に関与する権限もなく、他の作業員と変わらない仕事内容•労働実態だった等の事情からすれは、労働者として未払いの残業代を請求できる可能性が高いように思われます。 なお、近時の法改正により、2020年(令和2年)4月1日以降に支払期日が到来する残業代については、時効が「3年」に伸びました。 ただし、あなたのケースでは、既に時効にかかっている部分が出て来ている可能性があるため、残業代を請求する意向の場合には、催告による時効の完成猶予措置(民法150条1項:催告情報から6カ月間は時効の完成が猶予されます)等をとっておくこともご検討下さい。 このように、検討事項が多いため、早めに弁護士に直接相談してみて下さい。
この投稿は、2024年1月7日時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。
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