ロマンス詐欺で暗号資産を送金し、返金は困難だったものの、自己破産により生活再建を図った事例
柴﨑 拓己
弁護士
【ご相談内容】【ご相談内容】
ご相談者は、SNSを通じて知り合った外国人男性とメッセージのやり取りを続けるうちに、次第に親密な関係になっていきました。
相手の男性からは、「将来は一緒になりたい」「投資で資産を増やして、二人で豊かな生活を送ろう」などと言われ、暗号資産を利用した投資を勧められました。
ご相談者は、当初は不安を感じていたものの、相手から将来の結婚や生活設計について繰り返し語られたことで信用してしまい、ビットコインを購入したうえで、指定された海外の投資口座に送金しました。
その後も、「出金するためには手数料が必要」「今やめるとこれまでの投資が無駄になる」などと説明され、複数回にわたり送金を続けてしまいました。
最終的な被害額は約500万円に及び、そのうち約400万円は消費者金融やカードローンから借り入れて用意したものでした。
しかし、約束されていた利益は一切出金できず、相手とも連絡が取れなくなり、詐欺被害に遭ったのではないかと考え、当事務所にご相談いただきました。
【当事務所の対応】
当事務所では、まず、相手方とのメッセージ内容、送金履歴、暗号資産の取引履歴、借入状況などを確認し、被害回復の可能性を検討しました。
本件では、ビットコインを経由した送金であったことに加え、海外送金も関係していたため、送金先の特定や資金の回収には大きな困難がありました。
そのため、返還請求のみを前提に対応を続けるのではなく、ご相談者の生活を立て直すための現実的な方法を検討する必要がありました。
ご相談者は、詐欺被害に遭ったことについて深く反省されていましたが、借入金の返済を続けることは困難な状況でした。
そこで、当事務所では、詐欺被害に至った経緯、借入れの目的、送金の状況、ご相談者の現在の収入・生活状況などを整理し、自己破産の申立てを行いました。
【解決結果】
裁判所に対し、ご相談者がロマンス詐欺の被害に遭い、その費用を用意するために借入れをしてしまった経緯を丁寧に説明した結果、自己破産が認められました。
これにより、ご相談者は、詐欺被害に関連して負担していた約400万円の借入金について返済義務の免除を受け、生活再建に向けて再出発することができました。
ロマンス詐欺、投資詐欺、暗号資産を利用した詐欺では、送金先が海外であったり、暗号資産を経由していたりするため、被害金の回収が難しいケースも少なくありません。
もっとも、そのような場合でも、返金交渉だけが解決方法ではありません。
詐欺被害のために借金をしてしまった場合には、自己破産や債務整理を含め、生活を立て直すための方法を検討することが重要です。
当事務所では、被害金の回収可能性だけでなく、ご相談者の生活再建まで見据えた解決方法をご提案しています。