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いのうえ だいき
井上 大輝弁護士
グラディアトル法律事務所
新宿御苑前駅
東京都新宿区新宿1-11-5 不二越ビル2階
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インタビュー | 井上 大輝弁護士 グラディアトル法律事務所

コミュニケーションによって掴んだ事実と導いた解決。柔らかい話し方で挑む複雑な事件

「大切なのは依頼者さまとの信頼関係です。私は会社員時代の経験を活かして、依頼者さまとの密な連絡を心がけています」

グラディアトル法律事務所の井上 大輝(いのうえ だいき)弁護士は、落ちついた様子でそう語ります。

実際、債務と労働問題が同時に絡む複雑な事件においても、依頼者の話をきちんと聞くことで新たな事実を見つけ、解決の糸を手繰り寄せました。

会社員時代は営業職だったという井上先生。
その経験が、現在の弁護士の仕事にどのように活かされているのでしょうか?
井上先生のお考えを伺いました。

01 原点とキャリア

挫折から生まれた挑戦。かつて憧れた弁護士の道へ突き進む

――弁護士を目指した理由を教えてください。

理由は会社員としての挫折です。

私は弁護士になる前、営業職として働いていました。
人とコミュニケーションを取るのは得意な方で、顧客から信頼も得られていました。

しかし、それだけで営業成績がよくなる甘い世界ではありません。
自分では頑張っているつもりでも、営業成績や他者からの評価が上がらない状況が続きました。
挙句の果てには私の上司になる後輩まで出てきました。

そんなとき、ふと思い出したのがいつのころか憧れた弁護士だったのです。


――弁護士という仕事を知ったきっかけを教えてください。

きっかけは子どものころに観たテレビドラマ『HERO』でした。
主人公は検察官ですが、このドラマを通じて法曹界や弁護士を知ることになります。
ただ、当時から「弁護士は誰にでもなれる職業ではない」ということは理解していました。

しかし、会社員として挫折を感じていた私のなかには、それを上回る悔しさがあったのです。
20歳代最後の年ということもあり、これまで目指してこなかった弁護士になりたいと思いました。

「正直、いつ弁護士になれるか分からないけどトライしてみよう」という想いで弁護士を目指しました。

その後、紆余曲折を経て弁護士になり、今に至ります。
現在は、刑事事件、離婚・男女問題、詐欺・消費者問題、労働事件、インターネット問題など幅広く扱っています。

02 解決事例

身に覚えのない借金と発覚した未払い残業代。交渉で解決へ

――印象に残っている事件を教えてください。

飲食店で働く方からご相談を受けた事例を紹介します。

依頼者さまは事業主から借金の返済を求められていました。
しかし、その金額にはまったく身に覚えがありませんでした。

しかも、ご相談に来られたタイミングは強制執行認諾文言付き公正証書という書類にサインをする直前。
もしサインしていれば、本当に借りていなかったとしても、そのお金を払わなければならない状況でした。

一方、お話を聞くなかで発覚したのが残業代の未払いです。
依頼者さまは事業主と業務委託契約を結んでいました。
しかし、働き方をお聞きすると一般的な雇用契約と変わらないような指示を受けていたのです。


――それぞれ、どのように解決したのですか?

いずれもまずは依頼者さまのお話をよくお聞きしました。

当然ですが依頼者さまはその金額に納得しておらず、支払うつもりもありませんでした。
そのため、相手方には貸したお金の証拠を提示するよう求めたのです。
しかし、相手方は提示することができず、それ以上争ってくることはありませんでした。

残業代請求については、手元にあった資料から労働時間を算出して、残業時間を導き出しました。
それを相手方に提示しつつ「過去の裁判例を踏まえると、今回も雇用契約だと判断される可能性があります」のように、柔らかい表現で交渉したのです。

断定的な表現をすると相手を刺激し、交渉が決裂する可能性があります。
そのため、依頼者さまにとって有利な情報は主張しつつ、相手方からは中立の立場に見えるようにふるまいました。


――今回の事件において、どのような点が功を奏したと思いますか?

依頼者さまから多くのお話を聞いた点です。

実は当初のご相談は債務の公正証書の話だけでした。
労働問題(未払い残業代)が発覚したのは詳しくお話を聞いたためです。

また、私自身の特性として、相手方とのやりとりは文書より会話のほうが得意です。
今回は相手方とは電話でやりとりして、交渉をうまくまとめられました。

文書の場合、こちらの主張をぶつける形になったり、表現の柔らかさを調整するのが難しいこともあります。
会話では、そういった点を踏まえてやりとりできるので、私にとってはやりやすいですね。

03 今後の可能性

誹謗中傷問題と刑事事件に注力。前を向いて歩けるように

――今後、注力していきたい分野を教えてください。

ひとつ目はインターネットの誹謗中傷問題です。

現在の世の中では、SNSなどで誹謗中傷に該当する内容を書いたとしても、逐一罰を受けることはありませんが、誹謗中傷は許されることでもありません。
このような社会の雰囲気を変えていきたいと思っています。

私自身、過去にバンド活動をやっていた時期があり、嫌なことを書かれたこともあります。
そのときは読みたくない内容でも、気になってスマートフォンを手放せませんでした。
まさに相手の思うつぼだったのだと思います。

過去の私のような人が、一人でも減る世の中に変えていきたいです。


――ほかにも注力したい分野はありますか?

ふたつ目は刑事事件です。
司法修習のときに検察官のサポートで扱った事件がとても印象的でした。
このことがきっかけで、刑事事件にも力を入れたいと思うようになったのです。

被疑者は逮捕されたことでことの重大さを理解して、憔悴しきっているという状況でした。
もちろん被害者も怖い思いや嫌な思いをしていました。

事件処理を進めていくうちに分かったのが、被疑者と被疑者家族との信頼関係の弱さです。
この点を原因ととらえつつ、被害者への接近禁止を受け入れることで事件は解決に向かっていきました。

ただ事件処理をするのではなく、裁判官や検察官にしっかり届く刑事弁護に励んでいきたいと思っています。
それは被疑者が罪を認め、一日でも早く社会復帰するためでもあります。

04 弁護士として心がけること

コミュニケーションによる信頼。会社員時代の教訓を活かして

――弁護士として大切にしていきたいことを教えてください。

私が大切にするのは、依頼者さまとの密なコミュニケーションです。

会社員時代、上司から唯一褒められたのが顧客との信頼関係でした。
仕事をするなかで、顧客から回答しづらい質問や要望をいただくこともありました。

しかし、そんなときでも私はすぐに返答するよう心がけていたのです。
すると、コミュニケーションの回数が多くなり、顧客に信頼されやすくなりました。

密なコミュニケーションは、依頼者さまと弁護士の間でも必要です。
会社員時代の教訓を活かして、依頼者さまとの信頼関係構築に努めます。


――今後の展望を教えてください。

特定の分野に特化するというよりは、どのような事件でも受任できるようになりたいと思います。
私を頼ってきてくれる方をできるだけ救いたいので、今後もさまざまな事件を経験し、日々研鑽していきたいです。


――最後に井上先生から、困っている方へメッセージをお願いいたします。

体の調子がおかしいと思ったら病院に行くと思います。
同じように、なにか困ったことがあれば早めに弁護士に相談するのがいいでしょう。

現在はインターネットや生成AIでさまざまなことを調べられる時代です。
しかし、調べた内容が必ずしも今悩んでいることと合致するかの判断は簡単ではありません。

弁護士に相談して損することはありません。
何かありましたら、お早めに相談されることをおすすめします。
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