製造メーカーの破産 倒産前から事実上倒産の時期について相談にのっていたケース
家本 誠
弁護士
【ご相談内容】【相談前】
ご依頼者は県内にある木工関係の製造メーカー(株式会社)
総債務額 3億円 債権者数 50社以上
特徴 仕掛品が倒産時点で社内にまだ多く残っていました。
依頼された会社は、3億円という多額の負債を抱え、これ以上銀行からの融資を受けることも困難であり、今後の運転資金の目処が立たないということで、破産の相談に来られました。
会社の代表者としては、当然何とか会社を存続させることができないか、最後の最後まで悩み続けることと思います。しかし負債額が多額であり、今後銀行からの融資も全く見込めないこと、売り上げを今後伸ばすことができる見込みもないことなどから自己破産手続き(会社の倒産手続き)を選択しました。
【相談後】
私は法人の破産をする場合、基本的には債権者に通知をする際、早期に自主的に債権者の方に集まっていただき、謝罪を含め、現状の説明や破産手続をするに至った経緯等の質疑・応答の機会を設けるようにしています。
裁判所に破産の申し立てをしてから、第1回の債権者集会までは通常、3ヶ月程度の時間がかかります。この間、代表者の方は自宅に債権者が来られたりすることを非常に心配したりします。
そのため早期に債権者の方に代表者が謝罪や説明等をすることにより、このような事態を回避することが可能であると考え、私は、債権者に破産の手続に移行する旨の通知(前述した受任通知)をする際、2週間以内に自主的に債権者の方に集まっていただくことを行っています。
実際に多くの代表者の方から、「早めに債権者の方に謝罪や説明をすることができて精神的に気が楽になった。」、「これで自宅で毎日ビクビクしないで過ごせます。」、「街中を安心して歩くこともできます。」などということも言われることが多いです。
本件においては、仕掛かり品を完成させたことにより、従前の取引先に以前と同じ金額で商品の購入をして頂いたこともあり、700万円程度の金額を破産管財人に引き継いで破産申し立てを行うことができました。
前述したように、破産申立を行う以前に自主的な債権者の集会を行っていたこともあり、破産手続き後の第1回債権者集会においては、債権者から特に質問等をされることなく、円滑に手続が進みました。
代表者としても、仕掛かり品を完成させ、少しでも債権者の方への配当に貢献できたこともあり、安心した様子でした。