〔健康保険診療に切り替えて受取額を最大化できたCさんのケース〕
佐藤 達哉
弁護士
【ご相談内容】(相談前)
事故から10日後にご相談にお越しいただいた会社員のCさんは、休日のゴルフに出かける途中で交通事故に遭い、頚部と腰部にダメージを負いました。
Cさんは事故当日に病院の整形外科を受診して外傷性頚部・腰部症候群と診断され、医師からは、「当面は1週間に1度程度受診して経過を見、急性期を脱したら理学療法士によるリハビリを始める」というような説明を受けているとのことでした。
(相談後)
交通事故による受傷の治療は病院では「自由診療」となるのが原則ですが、事故の状況から被害者側が負担しなければならない過失割合が一定程度を超える場合には、なるべく早期に被害者側で一定の手続を踏んで健康保険証を提示してする「健康保険治療」に切り替える必要がある場合があります。
というのも、自由診療では保険会社が病院に対して支払う治療費の額が健康保険診療の2倍程度と大きいため、自由診療を続ける結果、Cさんが将来の治療終了後に受け取ることとなる通院慰謝料等の金額を食い潰すような形になり、最終的な受取額が小さくなってしまうことがあるのです。
事故の状況をお聞きしたところ、本件ではCさんの過失として30%程度の負担が避けられない状況でした。
そこで、弁護士が全国健康保険協会(協会けんぽ)に提出する「第三者行為による傷病届」の作成のお手伝いをし、Cさんがこの届出書を協会けんぽに提出して、健康保険診療に切り替えて治療を続けました。
その結果、治療終了後のCさんの受取額を最大化することができました。
和解成立後、Cさんと一緒に、「もしあのとき健康保険診療に切り替えていなかったら」というシミュレーションをしてみると、最終的な受取額が40%も少なくなっていたであろうことが判明し、二人でおおいに安堵しました。
(コメント)
早期のご相談、委任・受任でした。
交通事故における損害賠償を最大化するためには、民法の不法行為理論だけではなく、医療機関の診療のあり方等に関する知識経験も必要です。
そして、どのような視点や配慮が必要かというのは必ずしも一般化・マニュアル化できるものではありませんから、個々のケースに応じて全てオーダーメイドで取り組みます。
人身交通事故の被害者の方にご相談にお越しいただいた場合は、必要に応じて、実例を用いてなるべくわかりやすくご説明しています。