匿名同士における誹謗中傷と開示請求、損害賠償請求についての法的対応について

匿名同士における誹謗中傷とその対応についての質問です。

お互いに匿名同士のネット掲示板上の会話の中で(固定ハンドルネームなども無し)意見がヒートアップし、「バカ」,「カス」などの互いを対象にした誹謗中傷が行われた時、開示請求を行うことはできるのでしょうか。
また、こういった場合での開示請求は「名誉感情侵害」というものを理由にしたものとなり、損害賠償請求は可能だが刑事告訴は行えない、と聞いたのですがこれは事実でしょうか。
加えてこれが事実であった場合、損害賠償を請求された側が高校生や大学生,社会人であった時、賠償を請求されたことはそれらの学校や企業に認知されてしまうのでしょうか。
(学校や企業のWiFiは介さずに自宅のwifiやスマートフォン自身のギガなどから誹謗中傷が行われたとして)

暴言の内容にもよりますが、開示請求が認められる可能性はあるでしょう。

また、名誉感情の侵害について、刑事告訴が行えないとは限りません。侮辱罪として刑事事件となる可能性はあるでしょう。

自宅のWi-Fiやスマートフォンから投稿を行なった場合、Wi-FiであればWi-Fiの契約者、スマートフォンであればスマートフォンの名義人が開示されることとなります。

回答ありがとうございます。

暴言の内容はお互いに、先述の「バカ」,「カス」に加えて「頭が悪いのか」,「ハゲ」などです。
この場合開示請求が通る可能性は高いのでしょうか。

また、「侮辱罪」や「名誉毀損罪」というものは被害者の社会的評価を損ねたことを罪としているため、名誉感情の侵害だけでは同定可能性が認められずこれらの罪を適用することはできないと聞いたのですがこれは事実ではないのでしょうか。

すみません。
三段落目について自分でも分かりづらかったので訂正します。

こちらのサイトの他の質問や別の弁護士様のサイトなどを閲覧した結果

「名誉感情は民法では保護されているが刑法では保護されていない。
刑法で明記されているのは名誉毀損罪と侮辱罪であり、この2つは被害者の社会的評価を低下させたことに対する罪であるため、これらを主張して開示請求などを行うには同定可能性が必要である。
この同定可能性はお互いが完全に匿名(旧twitterなどにあるユーザー名や固有のidなども無い状態)であるときは認められない。」

ということなのかなと素人としては読み取ったのですがおそらくこれは間違っているんですね...。
恐れ多いのですがこの認識についての訂正をしていただけると助かります...。

名誉感情の侵害のみであれば侮辱罪は成立しませんが、一般的に名誉感情の侵害を伴う場合、社会的評価を損ねることを含む場合が多く、馬鹿やハゲ、ブスと言った言葉でも侮辱罪は成立し得ます。

そのため、今回のご相談の投稿内容の場合、発信者情報開示が行われた場合認められる可能性はあるかと思われます。

侮辱罪として刑事事件化する場合には同定可能性が必要となるので、同定可能性が全くない場合、侮辱罪として立件されることはないかと思われます。

ただ、匿名掲示板においても同定可能性が認められる可能性はあるため、その場合には刑事事件化のリスクはあるでしょう。

重ねて回答ありがとうございます。

その上で非常に申し訳ないのですがもう1度質問させていただきます。何度もお手数をおかけしてしまい申し訳ありません。

それらの発言が社会的評価を損ねるのは理解できるのですが、それらの発言が匿名同士で行われた今回のような場合には匿名者の実際の社会的評価には影響がないように思います。
個人名を挙げず、個人を特定できる要素もない状態でのこれらの発言も刑法における侮辱罪になりうるのでしょうか。

すみません読み込みが遅くて読む前に送信してしまいました...。
返信ありがとうございます。

同定可能性が全くない場合は刑事告訴はおそらく無いが、民事訴訟による損害賠償請求はあり得る、という認識でよろしいでしょうか?

また、匿名掲示板において同定可能性が認められる場合というのは具体的にどういったものなのでしょ
うか。

加えて、初めの質問にも書かせていただいたのですが、民事訴訟によって損害賠償を請求された場合、学校や企業に報告しなければならない, あるいは学校・企業側が容易に特定できるといった状態にはなりうるのでしょうか。

何度も何度も分かりづらい文章を送ってしまい本当に申し訳ありません。

名誉感情の侵害として、発信者情報開示を行う場合、匿名掲示板においてやり取りをしている相手が自分であることの証明がされれば、名誉感情の侵害としての同定可能性が認められるケースがあります。

例えば、「〇〇」という特定のアカウントでやり取りをしていた場合、その「〇〇」が自分であると分かる資料、例えばアカウントのログイン画面であったり、そのアカウントの所有者でなければみれない画面等を提示すれば、同定可能性として認められる可能性があります。

発信者情報開示がなされ、損害賠償請求をされたとしても学校や企業に報告をしなければならない義務まではないですし、企業や学校側がその内容を知るということも容易には行えないかと思われます。

何度も何度もお付き合い頂き、本当にありがとうございます。

泉先生のおかげでなんとか理解することができ、とても安心できました。

これを期にネットにおける自身の発言を省みようと思います。

先生のおかげです。
本当にありがとうございました。

ご参考になったのであれば幸いです。