法定更新になっていると思われる案件の賃料について。

お世話になります。

今年7月に賃貸契約の更新機会がありましたが、同6月ごろに「次回更新より共益費を千円値上げする」と通知がありました。
事前の説明が無かったため当然揉めて、契約に合意更新せず今に至ります。
先方の言い分に納得していないので、法定更新のままで居住を考えておりますが、調停をする(すれば五千円近くの増額をするだろう)と明確に脅しをかけてきています。
私の言い分は「何故千円の増額をするのか、納得がいく説明ができるなら増額に応じる」というものですが、具体的な資料などの明示はできないの一点張りです。
現住のマンションの他の部屋で同間取りは全て私の家賃+千円なので、たとえ調停で先方の言い分が認められたとしても、それほど極端な増額が認められるかも疑問です。

以上の点からお尋ねしたいのは以下の四点です。

1.このまま納得できなければ、既存の賃料を支払い続ける法定更新でも問題はないか。

2.折衷案として、合意更新はせずに(先方に契約書を残したり期間を定めたくない)+千円の賃料を今後支払い続けても問題はないか。

3.法定更新にもつれ込むとは想定していなかったので、7月の更新料として支払っていた1ヶ月分の賃料相当(振り込みなので更新料とは名言せず)を法定更新がなされていることを根拠に、過払い分として今月の賃料に充てることを指示できるか。

4.現状で賃貸借契約書に(無条件で)家賃値上げに同意するなどの文面がない限り調停の場面などで不利になることはないか。

質問が多岐に渡りお手数をおかけしますが、お力添えいただけますと幸いでございます。

1.現行の賃料を支払うことで問題ありません。ただし、法定更新になっているかは契約書次第です。
2.+1000円の賃料を支払っても問題ありません。ただし、この場合、+1000円の賃料とすることに合意したと推定されるおそれがあります(それでも構わないということであればそれで結構です)。
3.契約書次第です。法定更新の場合であれ合意更新の場合であれ更新料を支払う建付となっている契約書は多数見られますので、必ずしも支払った更新料が「過払い」となっているとは限りません。
4.値上げに同意するなどの文章がなければ、同意の有無という点で調停で不利になる可能性は低いです。ただし、上記のとおり、+1000円の賃料を支払っていった場合、支払ったことをもって同意したと推定されるおそれがありますので、ご注意ください。

早速のご返信ありがとうございます。
とても参考になります。

お返事いただいた内容を踏まえて、補足に加えて改めてお尋ねしたいことがございます。

1.こちらについては契約期間の項目に「契約満了の2か月前までに互いに何の意思表示もないとき、本契約は更に2年更新されるものとし更新の事務手続きをする」とありますが、このパターンは法定更新にはならないということでしょうか。
現時点で賃料について折衝中のため、更新手続きの契約書は返送しておりません。
それでも有期の合意更新自体は自動で行われますか。
その他更新にまつわる記述はございませんでした。

2.つまり仮に私が元の賃料に「勝手に」+千円を2年間等の有期、あるいは無期で支払っても、法定更新(仮)の賃料は従来と同額という認識で相違ないですか。
極端な話ではありますが、2年後に私が元の賃料に減額して支払いをしても問題にはならないかという点です。
それとも賃上げに同意したと解されて法定更新(仮)の賃料も増額して更新されるものなのでしょうか。

3.仰る通りで特約に明記されておりました。法定更新に言及している箇所はこの部分のみです。

4.「賃料及び共益費が不相当となったとき、増額を請求できる」という記載はありましたが、この文章では賃料増額の強制力はないと解しても差し支えないでしょか。

重ね重ねお尋ねし恐縮ではございますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

1.自動での合意更新がなされていると思われます。「更新の事務手続きをする」という文言はありますが、あくまでそれは些末な義務を定めたものに過ぎず、更新自体は「2年更新されるものとし」に則って同期間更新されると思われます。
2.一文目のご質問の趣旨が分かりかねますが、合意は、書面で行われる必要は必ずしもなく、口頭などでも成立します。それ故、+1000円を追加で支払い続けたという行為が、『1000円増額に応諾した』と推定されるおそれがあります。仮に賃料増額合意が成立していると判断された場合、2年後の次回更新時に賃料に戻すことは基本的にできません(賃料減額請求を別途行う必要があります。)。
4.調停を起こすことそれ自体で強制的に賃料が増額されるわけではありませんが、本当に「不相当」になっているのであれば、借地借家法32条に基づき、相当な金額まで賃料を増額することができます。先方がその旨の立証をしてくれば、ご質問者様の応諾の有無にかかわらず、賃料は増額されます。

だいぶ込み入った話に入っておりますので、これ以上は契約書等を持参して近隣の弁護士にご相談ください。

度々ご教授くださり、誠に感謝しております。

再度先方と協議し、1日でも早く解決できるように尽力いたします。

この度はお世話になりました。