婚姻費用 私立高校学費について

15歳、13歳、6歳の子供がいる父親です。
妻の不貞により、子供達を連れ去られて別居に至っています。
その妻から、離婚及び婚姻費用調停を起こされ、離婚調停は不成立になりました。
婚姻費用は、審判まで行き、毎月15万8千円の支払いが命じられました。養育費算定表では、14万なのですが、15歳の長男が受験生であると言うのもあり、同居時からの塾代など+1万8千円が認められてしまい、毎月支払っています。
先日、連絡が途絶えていた妻から突然LINEが来たので、やり取りしましたが、最終的には長男が私立高校に行くかもしれないから、学費を出して欲しいと。同居時から私立は無理だから公立高に行ってもらわないと、と言う話をしていました。希望の公立高が厳しいなら希望高を下げざるおえないと伝えましたが、定期代がかかる、部活の朝練があって大変、父親なのに学費も出さないのか、毎月の婚姻費用だけじゃ足りない、こっちは3人の子供を育てていると一方的な回答でした。
妻は、パートですが年収130〜150万は稼いでいます。
仮に長男が私立高に進学した場合、全額とは言わずとも学費を負担しなければいけないのでしょうか?
私的には、塾代の1万8千円がそのまま私立高の学費として支払っている事になるのではないかと認識しています。
別居時に子供達の学費として貯金していた金額含め、約1000万持ち逃げされています。
正直、これ以上の支払いは私自身の生活が成り立たなくなってしまいます。
私は、私立高に進学する事は、認めていません。
希望する私立高及び公立高は、自転車で通学出来る距離です。

相手方の不貞が原因で、お子様方と別居となり大変お辛い状況かと存じます。
ご質問の点にお答えいたします。

ご長男様が私立高校に進学した場合の学費をご質問者様が負担しなければならないかどうか、ですが、これは実際にはケースバイケースですので、最終的にどちらに判断されるかは、率直に申し上げて何とも申し上げられません。

ただ、私立学費の負担の有無の判断のポイントは、1つはご両親の学歴(ご質問者様と相手方が私立高校出身かどうか)や、ご負担者が「同意していたかどうか」という点など、いくつかのポイントで判断されている傾向があります。

したがって、ご質問者様が、私立進学を「同意していない」ということについて、「証拠」を提出できれば、ご質問者様の負担とならないという結論もあり得るかと存じます。

具体的には同居時から公立へと仰っていたということですので、そのことを示す記録、例えば当時の相手方とのやりとりのメールやメッセージ等、記録に残っているものが無いか、遡って確認していただくのがよろしいかもしれません(口頭の場合は通常証拠が無く証明が難しいため。)。

なお、仮に学費を負担する場合は、現状の裁判所の傾向ですと、ご両親双方で折半とする方法や、ご収入に応じて按分する方法があります。

ご質問者様としては、まずは、上記の通り、従前から私立進学には一切同意をしていないことをご主張され協議の段階では応じない意向を示された上で、万が一相手方が裁判手続を通じて、学費の請求をしてくるのであれば、上記の事情や記録などを提出されて争われるという方向性になるのでは無いかと存じます。

以上、少しでもご参考になれば幸いです。

甲野先生

ご回答ありがとうございます。
同居時から公立高校へとのやり取りの証拠はありません。
別居前に妻が弁護士さんに依頼した離婚協議書には、養育費12万(当時の年収での算定表に基づいた額)としか書かれていません。
同居時から公立高校と話をしていたので、私立高の学費を請求するならば、最初から協議書に書くべき事ではないのでしょうか?
この協議書が証拠として使えないでしょうか?

追加のご質問にお答えいたします。

ご記載の離婚協議書というのは、先方から示された離婚協議書の「案」ということでお間違えないでしょうか。

養育費には、通常私立学費が「含まれない」ので、養育費12万円ということのみの協議書であったとしても、残念ながら、それが学費を請求しないという証拠になるとは考え難いかと存じます。
(実際の実務上も、離婚協議書の段階では、将来の学費については取り決めをしないということは相当数行われています。)

なお、その離婚協議書案には、「特別費用」または「特別支出」というような項目の記載はありませんでしょうか。
この特別費用に、私立の学費も含まれると通常考えられるのですが、例えば、「特別費用については当事者間で別途協議する」というような内容になっている、あるいは「特別費用についての条項の記載は特にない」ようでしたら、学費に関しては別途協議する前提の協議書案ですので、上記の結論の通りかと存じます。

もっとも、認められるかどうかは別として、例えば、ご質問者様からそのような主張(先方の協議書案について、特に学費の記載などもなかった理由は、私立学費についてご質問者様が同意していないことを認識していた証拠である。)を行うことは可能かと存じます。

以上、少しでもご参考になれば幸いです。

甲野先生

ご多忙の中、度々のご回答有難う御座います。
離婚協議書には「案」とは記載されていません。
また、先生のおっしゃる「特別費用」や「特別支出」については、下記の内容記載があります。

「中学、高校、大学の入学費用、授業料、病気等による特別の出費については、保険金及び、長男、次男、三男の預貯金によって支払い、これらで不足する部分については、双方折半の上、支払うものとする」

なので、当初妻は、私立高校に進学しても預貯金から負担するつもりでいたと思われます。

追加のご記載の点についてです。

私のご説明が分かりづらく申し訳ありません。
離婚協議書のタイトルではなく、先方からの「提案」の段階で、少なくともご質問者様が同意した内容ではない(署名押印はされていない)ということで間違いないか確認させていただきたいということでした。

先方からの特別の出費の内容をご記載いただきありがとうございます。
これらの内容からしますと、先方としては、当初から学費を折半すると考えていたことになりますので、上記の「証拠」としては残念ながら利用できないと思います。

もっとも、上記にて記載させていただいた通り、ご質問者様としては、あくまでも当初より私立高校への進学は同意していないという主張をされて、仮に私立に進学したとしても学費の負担義務はないとのスタンスで進めるのも一案かと思われます。

なお、具体的に先方との協議などの進め方については、お近くの弁護士の無料相談などを利用されるか、弁護士に依頼をされて、具体的な方針を決められるのがよろしいかと存じます。その際は、先方からの離婚協議書やその他弁護士からの文書があればそれもご持参されるとよろしいかと思います。

以上、少しでもご参考になれば幸いです。

甲野先生

ご多忙の中、ご回答頂き有難う御座います。
とても参考になりました。
先生のアドバイスを参考にさせて頂き、今後の方針をじっくりと考えて行きたいと思います。
本当に有難う御座いました。