長男に住宅の相続をさせるための方法と、次男と長女に住宅分に値する貯金を相続させない方法について

自筆遺言書を作成しようと思っています。財産は住宅と預貯金のみです。私が死亡した場合、住宅は必然的に夫が相続することになると思うのですが、夫も死亡した場合、子ども達が相続することになるんですよね?どうしても長男に相続させたいのですが、その場合は次男と長女には住宅分に値する貯金を相続させなければならないと言うことで合っているでしょうか?
住宅分の貯金を渡したくない場合、どうしたら良いのか教えていただきたいです。今のうちに名義変更をすべきでしょうか…?

夫婦とお子さんがいる家庭の場合、自宅は自動的に配偶者に相続されるわけではありません。法定相続の場合、配偶者1/2、子1/2になります。

また、全ての財産を特定の相続人に相続させる旨の遺言も可能です。ただし、他の相続人の遺留分は侵害できないため、相続発生後に他の相続人から遺留分侵害額請求がなされるおそれがあります。

なお、遺言の効力が生じるのは、あなたが天寿を全うされた後ですが、長男以外のお子さんから、遺言の無効を主張してくる可能性があるようであれば、公正証書遺言にしておくことも選択肢かと思います。また、遺言執行者も定めておいた方がよろしいご事案かもしれません。

ご生前に遺言に関する法律相談をすることも可能ですので、一度、個別に弁護士に問い合わせる等して、あなたの希望を踏まえた遺言となるようにご相談をなされてみてはいかがでしょうか。

仮にご長男に全ての財産を相続させる内容の遺言とした場合、ご次男とご長女から遺留分の主張がなされる可能性がどの程度あるかにもよりますが、仮に遺留分の主張がなされる可能性が高い場合は、ご次男とご長女の遺留分に配慮した遺言を作成しておけば、後の紛争をできるだけ防げる(ご長男の利益になる)ように思います。

なお、自筆証書遺言であれば、自筆証書遺言書保管制度という制度もございます。
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html

遺言の内容や作成方法等について、一度、弁護士に個別に相談なさることをお勧めいたします。