私立高校生徒が一方的な暴力を受けた事件についての相談
私立高校三年の息子が同級生に一方的に暴力を振るわれました。
ことの発端は前々日のグループLINEです。クラスの決め事をしていた時に、勝手な事をしてクラス全員に金銭を要求してくる加害者に、順序が違うのと、領収書の提出を求めたところ、次の登校日の朝に廊下でボコボコに一方的に殴る蹴るをされました。
整形外科で左太もも、左腕の打撲の診断書をもらいました。
殴られているところを10名以上が見ていました。動画などを撮影された記録は今のところありませんが、証言は10名以上取れています。
ですがこの加害者は今回のことで認めると退学だからか、「やってない」と言います。もちろん反省、謝罪はありません。「なんも悪いことしてないのになんで自宅謹慎なんだ?!」と。
保護者も息子を守る!とやってないんだからやってない!と言っています。
「やってないのに、なんで学校へいけないんだ!明日から行かせろ」と先生にも高圧的だそうで。
目撃者多数なのも、そんなのは先生らがうちの子を退学にさせたくて言わせたんだろ!!または、友達同士で会裏合わせてるんだろ?!と。
学校もお手上げなのか、解決に至らず相談し被害届を提出することになり現在警察で手続しています。次回調書作成です。
加害者には被害届を出すことは伝えないようにしています。(目撃者に口止め料など払い、証言を変えるような人です)
学校によると、実は以前もこの加害生徒は問題行動がありましたが、「やってない」を突き通したそうです。友達に口止め料を払ったりして証拠をもみ消したとか。
まだ未成年ですので捜査されて暴行、傷害が認められても(本人は認めるか分かりませんが)逮捕とかはなく、教育的指導になると思うのですが、謝罪もなく、治療費、慰謝料なども貰えないですよね?
受験の大切な時期に、こんなことになり本当に腹が立ちます。そして、かなり危険な生徒ですので、今後同じ教室で学ぶのは息子も無理だと言います。身の危険を感じるそうです。ナイフなどで刺される可能性もあると言っています。なので強制退学が希望です。
刑事裁判よりも民事訴訟の方がいいのか、、、
弁護士さんに相談したいと思い、色々調べても出てくるのは加害者の為の弁護活動のことばかりで。
大学受験も控えていて、弁護士依頼費用も高額でなかなか進めません。
明らかに先生方もクラスの大半もうちの息子が正しく、加害生徒が悪いと言いますし、有利だと思うのですが。このまま警察にお任せでいいのでしょうか。
でも、何かこれ以上のことが起こってしまうのでは無いかととても怖いです。
とても問題のある加害生徒ですが、数名は友達がいて、その子達は当初「殴ってるのを見た」と言っていたのですが1週間経ち、少し証言が変わってる子もいてるそうです。おそらく自宅謹慎とはいえ、友達と連絡を取ったりして、やってないことにしてくれと頼んでいるような気がします。
警察の捜査でもそのように嘘をつくのでは無いかと心配です。
すでに警察に被害届を出しているのであれば、警察の捜査を待ちましょう。ただ、加害者が同級生に罪証隠滅工作をするのを看過するわけにはいきませんから、息子さんに協力してくれる友達に、できれば加害者からの偽証を依頼するLINEなどを保存してもらい、警察にそれを提出しましょう。
もし、加害者が再び息子さんに危害を加えるかもしれない兆候があれば、すぐに警察に通報してください。警察は、高校生であっても、被害者に危害を加えるおそれがあったり、罪証隠滅していることが判明すれば、逮捕も視野に入れるでしょう。
警察の捜査が終われば、事件は、検察庁に送られます。加害者が否認していれば、息子さんも検察官からも事情聴取を受けると思います。検察官は、証拠を検討し、非行事実(傷害事件)が認められれば、加害者を家庭裁判所に送致します。家庭裁判所では、記録を精査し、審判が必要と判断すれば、少年審判を開きます。そして、処分を決めます。初犯なら、家庭裁判所の裁判官による注意だけで終わることもありますが、反省していなければ、保護観察処分になることもあります。保護観察中に再度、犯罪を犯せば、次は少年院に送られる可能性が高いです。
民事は、刑事事件が検察庁に送られたくらいのタイミングで、親に対する損害賠償請求をするのが良いと思われます。これには、弁護士を依頼した方が良いので、お近くの弁護士事務所に相談してみてください。初回相談、無料の事務所もありますので、サイトで探してみてください。
息子さんが受験期に大変な被害に遭われましたが、息子さん自身も事件から逃げずに立ち向かうことで、きっと、これからの厳しい人生に立ち向かう気力を養うことができることと思います。お母さんもお子さんに対する不正には、毅然と対応してください。
大げさな言い方かもしれませんが、正義は必ず勝ちます。警察も検察も、家庭裁判所も、弁護士さんも味方になってくれます。安心してください。
内藤先生、ありがとうございます。涙が出ます。悔しくて不安で仕方ありませんでしたが、先生の言葉で勇気が出ました。「正義は勝つ」ですね。わからないこと、不安なところがたくさんありましたが全て教えていただきました。痒いところに手が届く回答でした。先生のアドバイスを参考に今後も動いていきたいと思います。ありがとうございました。
もう一つ質問させてください。
今、加害生徒は「やってない」と否認を続け、別室登校をし始めました。
なんとか警察の捜査が始まり終わるまでは自宅謹慎して欲しいのですが、学校はやってないと言っている以上、学校に登校させないわけにも行かないと投稿を許可しました。別室登校で会わないようにするとのことですが、
ばったり廊下で会ってしまうと何をされるか分かりません。診断書があるし、目撃証言もあるのですが、処分できないのでしょうか。
学校側は、強制的な調査権限はなく、警察の捜査を待っているところだと思います。教育を受ける権利は、憲法で保障された国民の権利なので、よほど明確な証拠が無ければ、教育委員会としても加害者の教育を受ける権利を制限できないのでしょう。行政機関にありがちなことですが、教育委員会は、加害者側から行政訴訟を起こされるのを恐れていると思われます。警察や検察の捜査が終わり、家庭裁判所の判断が出れば、正式に学校としての処分をすることになると思われます。処分が遅すぎると思われるかもしれませんが、法律は、すべての国民の権利を保護することを特に重視しています。罪を犯したことが明らかな者、例えば、現行犯人逮捕されたような被疑者でも、裁判が確定するまで刑罰を科すことができないのと同じです。
もし、この間に加賀者から息子さんに加害行為があれば、当然、その行為で処分を受けるので、加害者側は手を出しにくい状況と思います。ただ、冷静に判断できないような危険な人物であれば、ご心配でしょうから、お母さんから学校側に対し、「このままでは、廊下等で偶然会った場合、息子に危害を加えるおそれがあり、安心して息子を登校させられない、加害者を登校させるなら、息子の安全を保障してほしい。」と伝え、学校から「加害者を別室登校させているが、決して息子さんには接触させない。」という趣旨の誓約書を出してもらうという方法はあると思います。文書でだせば、学校側も、より一層注意するでしょうから、息子さんの安全性は高まると思われます。
内藤先生
ありがとうございます。すごくよくわかりました。
よほど明確な証拠がないと学校も処分できないのですね。確かにどんな犯罪者も捕まってすぐ罰せられないと聞いて、なるほどと納得いたしました。
暴力を振るっておいて、反省もせず学校に来ているのは本当に嫌ですが、今は学校にしっかり見てもらうように念を押して、我慢したいと思います。
ありがとうございました。