退去命令を含む二度の保護命令を得て、離婚・親権・養育費を得て調停離婚を成立させたケース
髙塚 真希
弁護士
【ご相談内容】【事案概要】
ご依頼者さまは、夫、幼いお子さま二人の家族で生活していましたが、継続して夫の激しい暴言、暴力があり、夫は逮捕されました。しかし、お子さま二人を連れてすぐに自宅から転居することは難しく、夫の釈放が迫っていました。
【解決内容】
すぐにDV保護命令を申し立て、接近禁止命令だけではなく、退去命令を獲得しました。退去命令は、夫に対して自宅から退去するよう求める強制力の強い命令ですが、ご依頼者さまがお子さまたちを連れて転居するための期間が必要であることを丁寧に説明し、発令してもらうことができました。
夫は釈放された後、退去命令が発令されていたため自宅に戻ることができず、その間にご依頼者さまは無事に転居できました。しかし、その後、夫が接近禁止命令に違反して、ご依頼者さまに連絡を入れたため、再度の保護命令を申し立て、これも発令を得ることができました。
また、並行して、離婚調停・婚姻費用分担調停を申し立てました。当初、夫は離婚を拒否し、また、離婚に応じた後も親権取得に執拗にこだわっていましたが、二度の保護命令発令の経過もあったことから、調停を有利に進めることができ、最終的には、ご依頼者さまの親権取得、養育費支払いを取り決めて、調停離婚が成立しました。
【髙塚弁護士のコメント】
DV保護命令事件は、緊急性が高く、ご依頼者さまの安全を確保するためにも迅速な対応が必要です。特にこのケースでは、夫の釈放が迫っていましたので、すぐに対応をしました。幼いお子さまが二人もおられ、ご依頼者さまが一人で転居の準備をすることは非常に大変でしたが、退去命令を得たことで安心して転居をすることができました。
ただ、保護命令が発令されるようなケースでは、それだけで安心はできません。本件以外にも、保護命令発令後に保護命令違反があり、再度の保護命令を申し立てて発令を得たケースが複数あります。きちんと発令を得ることで、その後に続く離婚手続では、調停委員や裁判官の理解を得ることが容易になります。
このケースでも、当初離婚や親権に強く反対していた夫が、調停手続の中でご依頼者さまの要望通りに離婚、親権、養育費の支払いに応じることとなったのは、調停委員からかなりの説得があったものと思われ、そのように調停委員を味方につけることができたという意味でも、保護命令発令の意義は大きかったといえます。