いしがき ゆりこ
石垣 ゆり子弁護士
佐野総合法律事務所
県庁前駅
千葉県千葉市中央区中央4-17-3 袖ヶ浦ビル6階
インタビュー | 石垣 ゆり子弁護士 佐野総合法律事務所
家族の問題に強く、親権争いで逆転劇も。出産を機に弁護士に転身した母親の決意と覚悟
出産を機に弁護士に転身し、家事事件を得意とする佐野総合法律事務所の石垣 ゆり子(いしがき ゆりこ)弁護士。
地元・千葉県で最大規模の事務所に在籍し、相続や離婚を中心とした民事事件のほかに性犯罪をはじめとする犯罪被害者支援などにも力を入れて活動しています。
子の引き渡しや親権争いで逆境を覆すなど、持ち前の執念と粘り強さで何度も高い壁を乗り越えてきました。
その原動力はどこにあるのでしょうか。
これまでの道のりや依頼者への思いに迫ります。
地元・千葉県で最大規模の事務所に在籍し、相続や離婚を中心とした民事事件のほかに性犯罪をはじめとする犯罪被害者支援などにも力を入れて活動しています。
子の引き渡しや親権争いで逆境を覆すなど、持ち前の執念と粘り強さで何度も高い壁を乗り越えてきました。
その原動力はどこにあるのでしょうか。
これまでの道のりや依頼者への思いに迫ります。
01 これまでのキャリア
出産を機に法曹界へ、育児と勉強を両立。離婚など家事事件を中心に
ーー弁護士になる前に、別のお仕事をされていたとお聞きしました。
それまでは教育関係の会社で働いていたんですが、出産を機に一念発起して司法試験に挑戦し、弁護士の世界に飛び込みました。
きっかけは、前職時代の業務で数々の弁護士からやりがいや働きぶりを耳にしたことでした。
困っている人の人生を支え、ときに社会を動かすこともできるところに魅力を感じたんです。
ただ、待っていたのは育児と勉強を両立する苦労と難しさ。
ロースクールに通う余裕はなく、すきま時間をかき集めても、勉強に当てられるのは1日3時間ほど。
それでも毎日コツコツと続け、狭き門とされる予備試験を経て念願を叶えました。
ーーその後、現在までどんなキャリアを歩んできたんでしょうか?
まず離婚を中心に家事事件を専門に扱う事務所に入り、それから現事務所に移籍しました。
現事務所は、20人以上の弁護士が在籍する千葉県内で最大規模の法律事務所であり、個人、企業を問わずさまざまな事件を総合的に扱っています。
家事事件をうまく解決するには、不動産などの分野の知識も必要になるケースが少なくありません。移籍後は、家事事件に限らず幅広い分野の事件に携わり、経験を積んできました。
それまでは教育関係の会社で働いていたんですが、出産を機に一念発起して司法試験に挑戦し、弁護士の世界に飛び込みました。
きっかけは、前職時代の業務で数々の弁護士からやりがいや働きぶりを耳にしたことでした。
困っている人の人生を支え、ときに社会を動かすこともできるところに魅力を感じたんです。
ただ、待っていたのは育児と勉強を両立する苦労と難しさ。
ロースクールに通う余裕はなく、すきま時間をかき集めても、勉強に当てられるのは1日3時間ほど。
それでも毎日コツコツと続け、狭き門とされる予備試験を経て念願を叶えました。
ーーその後、現在までどんなキャリアを歩んできたんでしょうか?
まず離婚を中心に家事事件を専門に扱う事務所に入り、それから現事務所に移籍しました。
現事務所は、20人以上の弁護士が在籍する千葉県内で最大規模の法律事務所であり、個人、企業を問わずさまざまな事件を総合的に扱っています。
家事事件をうまく解決するには、不動産などの分野の知識も必要になるケースが少なくありません。移籍後は、家事事件に限らず幅広い分野の事件に携わり、経験を積んできました。
02 得意分野と強み①
就職先や新居を探し、好条件で離婚へ。親権争いで劇的な逆転も
ーーとくに離婚については、相当な数の事件を扱ってきたはずです。
離婚に関わる事件については、弁護士登録後から一貫して、常時多数扱っています。
不倫、DV、財産分与、親権。
離婚と一口に言ってもいろんな問題や争点がありますが、あらゆるシチュエーションを経験してきた自負があります。
よく覚えているのは、駆け出しの頃に担当した不倫が原因の離婚案件です。
ある女性が夫の不倫に頭を悩ませ、ご相談にいらっしゃったんです。
ご本人は働いておらず、小さなお子さまを2人育てている状況でした。
離婚後の生活に経済的な不安がよぎり、なかなか夫に打ち明けられない悶々とした日々を過ごしておられたようです。
ーーそれで、どんな手段をとったんですか?
すぐに夫に離婚を突きつける方法もありましたが、そうはしませんでした。
女性は突然の事態にひどく混乱した様子でしたので、焦って結論を出すべきではないと考えたからです。
毎日連絡を取り合って心が落ち着くのを待ち、話し合いを重ねました。
そして、女性とお子さんの今後のライフプランを一緒に考え、少しでも有利な条件で離婚するために計画的に準備を進めました。
夫には弁護士が入っていることを告げずに不倫の証拠を集め、並行して女性の就職活動や新居探しに着手。
生活の土台が整ったところで夫に事実を打ち明けました。
周到な準備のおかげで交渉を有利に進められ、十分な慰謝料を受け取るなど好条件で離婚を実現することができたんです。
落ち込んでいた女性の表情はみるみるうちに明るくなり、気持ちを新たにお子さんとの生活をスタートされていきました。
ーー離婚では、親権など子どもの問題で激しく揉めるケースも多いと思います。
子どもの引き渡しや親権争いにも何度も携わってきました。
そのなかには、劣勢をはね返した事案もあります。
たとえば以前、別居している妻からお子さまを引き渡すよう求められた男性からご相談いただいたときのことです。
この事件は、状況がとても複雑でした。
お子さまが複数いらっしゃり、妻と男性がそれぞれ別々に監護していたからです。
そんななかで妻が、お子さま全員の親権を主張してきたんです。
ーー親権は一般的に男性が不利と聞いたことがあります。
別居前は専業主婦の妻が育児の大部分を担っていたため、男性にはかなり不利な状況でした。
それでも、せめて今一緒に暮らしているお子さまだけでも手元に残したいと、切実に訴えていらっしゃいました。
ただ、未成年の監護者・親権者は父母のどちらかに統一すべきであるというきょうだい不分離の原則があるため、訴訟になれば妻に親権が渡ってしまう恐れがあったんです。
そのため、私は訴訟ではなく交渉に活路を見出しました。そして粘り強い交渉の末、片方のお子さまの親権を獲得することに成功したんです。
ーーやれるだけのことをやろう。そんな執念でつかんだ結果だったと。
親権争いでは、母親側でも同じような逆転劇がありました。
厄介だったのは、離婚前にすでに親権を「夫に渡す」とする公正証書を作成してしまっていたことでした。
ただ、お子さまにとって夫のもとで暮らすことが養育上、健全とは思えない状況に見えたんです。
そこで待ったをかけて調停に持ち込み、母親側に有利な材料をかき集め、どちらに転ぶかわからないギリギリの交渉で親権を勝ち取りました。
私にも子どもがいます。
子どもの将来がかかっているからこそ余計に、「なんとかしたい」と決死の覚悟で臨んだ事件でした。
離婚に関わる事件については、弁護士登録後から一貫して、常時多数扱っています。
不倫、DV、財産分与、親権。
離婚と一口に言ってもいろんな問題や争点がありますが、あらゆるシチュエーションを経験してきた自負があります。
よく覚えているのは、駆け出しの頃に担当した不倫が原因の離婚案件です。
ある女性が夫の不倫に頭を悩ませ、ご相談にいらっしゃったんです。
ご本人は働いておらず、小さなお子さまを2人育てている状況でした。
離婚後の生活に経済的な不安がよぎり、なかなか夫に打ち明けられない悶々とした日々を過ごしておられたようです。
ーーそれで、どんな手段をとったんですか?
すぐに夫に離婚を突きつける方法もありましたが、そうはしませんでした。
女性は突然の事態にひどく混乱した様子でしたので、焦って結論を出すべきではないと考えたからです。
毎日連絡を取り合って心が落ち着くのを待ち、話し合いを重ねました。
そして、女性とお子さんの今後のライフプランを一緒に考え、少しでも有利な条件で離婚するために計画的に準備を進めました。
夫には弁護士が入っていることを告げずに不倫の証拠を集め、並行して女性の就職活動や新居探しに着手。
生活の土台が整ったところで夫に事実を打ち明けました。
周到な準備のおかげで交渉を有利に進められ、十分な慰謝料を受け取るなど好条件で離婚を実現することができたんです。
落ち込んでいた女性の表情はみるみるうちに明るくなり、気持ちを新たにお子さんとの生活をスタートされていきました。
ーー離婚では、親権など子どもの問題で激しく揉めるケースも多いと思います。
子どもの引き渡しや親権争いにも何度も携わってきました。
そのなかには、劣勢をはね返した事案もあります。
たとえば以前、別居している妻からお子さまを引き渡すよう求められた男性からご相談いただいたときのことです。
この事件は、状況がとても複雑でした。
お子さまが複数いらっしゃり、妻と男性がそれぞれ別々に監護していたからです。
そんななかで妻が、お子さま全員の親権を主張してきたんです。
ーー親権は一般的に男性が不利と聞いたことがあります。
別居前は専業主婦の妻が育児の大部分を担っていたため、男性にはかなり不利な状況でした。
それでも、せめて今一緒に暮らしているお子さまだけでも手元に残したいと、切実に訴えていらっしゃいました。
ただ、未成年の監護者・親権者は父母のどちらかに統一すべきであるというきょうだい不分離の原則があるため、訴訟になれば妻に親権が渡ってしまう恐れがあったんです。
そのため、私は訴訟ではなく交渉に活路を見出しました。そして粘り強い交渉の末、片方のお子さまの親権を獲得することに成功したんです。
ーーやれるだけのことをやろう。そんな執念でつかんだ結果だったと。
親権争いでは、母親側でも同じような逆転劇がありました。
厄介だったのは、離婚前にすでに親権を「夫に渡す」とする公正証書を作成してしまっていたことでした。
ただ、お子さまにとって夫のもとで暮らすことが養育上、健全とは思えない状況に見えたんです。
そこで待ったをかけて調停に持ち込み、母親側に有利な材料をかき集め、どちらに転ぶかわからないギリギリの交渉で親権を勝ち取りました。
私にも子どもがいます。
子どもの将来がかかっているからこそ余計に、「なんとかしたい」と決死の覚悟で臨んだ事件でした。
03 得意分野と強み②
相続をはじめ、家族の顧問弁護士になる。犯罪被害者支援にも注力
ーー離婚のほかに今、力を入れている分野を教えてください。
最も力を入れているのは相続です。
離婚と同じように複雑な人間関係や感情的な対立が目立ち、しかも相続人の数が膨れ上がるケースも珍しくありません。
そこを交渉や駆け引きによって決着させることには、離婚事件で場数を踏んできたので自信があります。
会社に顧問弁護士がつくように、それぞれの家族のあらゆる相談を一手に引き受ける、そんな頼もしい存在になれたらと思っています。
ーー日常の困りごとを、なんでも相談してほしいと。
一言でいえば、家族の顧問弁護士、家庭のかかりつけ医のような弁護士です。
かかりつけの医者がいると安心できるように、人生で起きるさまざまな法的問題を、いつも決まった弁護士に気軽に相談できたらいいと思いませんか?
たとえば相続に関わる部分では、認知症などで判断能力が低下したときに財産管理や、介護や医療サービスを受けられるようにするなど切れ目のないサポートができます。
さらに相続に限らず、離婚や交通事故などあらゆる相談に対応します。
ーーそれは心強いですね。
それ以外にも、キャリアを通じて重点的に取り組んできたことがあります。
犯罪被害者支援です。
性犯罪を中心に、刑事告訴から事情聴取への同行、加害者側弁護士との示談交渉や、裁判での被害者参加の手続きなどまで、被害者の立場から伴走させていただいています。
刑事事件では弁護士は加害者につくというイメージがあると思いますが、被害者の側も弁護士をつけられることを多くの方に知っていただきたいですね。
最も力を入れているのは相続です。
離婚と同じように複雑な人間関係や感情的な対立が目立ち、しかも相続人の数が膨れ上がるケースも珍しくありません。
そこを交渉や駆け引きによって決着させることには、離婚事件で場数を踏んできたので自信があります。
会社に顧問弁護士がつくように、それぞれの家族のあらゆる相談を一手に引き受ける、そんな頼もしい存在になれたらと思っています。
ーー日常の困りごとを、なんでも相談してほしいと。
一言でいえば、家族の顧問弁護士、家庭のかかりつけ医のような弁護士です。
かかりつけの医者がいると安心できるように、人生で起きるさまざまな法的問題を、いつも決まった弁護士に気軽に相談できたらいいと思いませんか?
たとえば相続に関わる部分では、認知症などで判断能力が低下したときに財産管理や、介護や医療サービスを受けられるようにするなど切れ目のないサポートができます。
さらに相続に限らず、離婚や交通事故などあらゆる相談に対応します。
ーーそれは心強いですね。
それ以外にも、キャリアを通じて重点的に取り組んできたことがあります。
犯罪被害者支援です。
性犯罪を中心に、刑事告訴から事情聴取への同行、加害者側弁護士との示談交渉や、裁判での被害者参加の手続きなどまで、被害者の立場から伴走させていただいています。
刑事事件では弁護士は加害者につくというイメージがあると思いますが、被害者の側も弁護士をつけられることを多くの方に知っていただきたいですね。
04 悩んでいる人たちへ
根底にあるのは「人間が好き」。今はつらくても、きっと人生を変えられる
ーー弁護士として大切にしていることも教えてください。
どんな状況でも、可能性がゼロでない限り最後まであきらめず、粘り強くベストを尽くすことです。
逆境に追い込まれても、頭のなかでぐるぐると想像をめぐらせ、なんとか突破口を見出すんです。
すべての根底にあるのは、「人間が好き」という思いかもしれません。
苦しんでいる人を前にすると、見て見ぬふりはできないんですよ。
どん底から抜け出し、自信や笑顔を取り戻す依頼者さまの姿を見られることは、大きな原動力になっています。
ーー少し遠回りしてでも、弁護士になってよかったと。
弁護士になろうと決意したときは妊娠中でした。生まれたばかりの子どもの育児と司法試験勉強との両立など不可能だろうという人もいました。
でも、あのとき決断して、心の底からよかったと思いますね。
体力的にも精神的にもタフな仕事ですが、辞めたいと思ったことは一度もありません。
今はつらくても、勇気を出して一歩踏み出せば、きっと人生を変えられる。
依頼者さまにも、ぜひそうお伝えしたいですね。
千葉県は、私が生まれ育った土地でもあります。
愛着のあるこの地域のためにも、これからも目の前の事件に全力投球していきます。
どんな状況でも、可能性がゼロでない限り最後まであきらめず、粘り強くベストを尽くすことです。
逆境に追い込まれても、頭のなかでぐるぐると想像をめぐらせ、なんとか突破口を見出すんです。
すべての根底にあるのは、「人間が好き」という思いかもしれません。
苦しんでいる人を前にすると、見て見ぬふりはできないんですよ。
どん底から抜け出し、自信や笑顔を取り戻す依頼者さまの姿を見られることは、大きな原動力になっています。
ーー少し遠回りしてでも、弁護士になってよかったと。
弁護士になろうと決意したときは妊娠中でした。生まれたばかりの子どもの育児と司法試験勉強との両立など不可能だろうという人もいました。
でも、あのとき決断して、心の底からよかったと思いますね。
体力的にも精神的にもタフな仕事ですが、辞めたいと思ったことは一度もありません。
今はつらくても、勇気を出して一歩踏み出せば、きっと人生を変えられる。
依頼者さまにも、ぜひそうお伝えしたいですね。
千葉県は、私が生まれ育った土地でもあります。
愛着のあるこの地域のためにも、これからも目の前の事件に全力投球していきます。