取締役辞任後の手続きと会社との関わり方について
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交際していた方と5年前立ち上げた株式会社があり、昨年虚偽の言動があり信じられなくなりました。交際は現在はしておりません。 会社は彼が代表取締役、私が取締役となっています。辞任を出したのですが、取締役の員数を規定していない会社で取締役が0人になるので役員が欠けた状態になるので権利義務が生じるという認識でよろしいでしょうか?辞職で提出はしていますが、きちんと抜ける場合は株主の承認を得て、定款上の取締役の員数を変更する決議を臨時株主総会で下す変更登記の申請とともに新しい定款を提出す必要がないと権利義務は残り続けますでしょうか? 上記にあったように、信じられない事に会社の銀行を勝手に増やしているのも分かりました。なるべく彼とは接触せずに辞任して関わりたくない場合、どうしたらよろしいのでしょうか?
ぶちょー さん (女性、被害者、辞任)
弁護士からの回答タイムライン
- まず、会社と取締役との関係は、委任に関する規定に従うため、受任者の立場にある取締役は、いつでも辞任できます。 ただし、相手方(会社)の不利な時期に辞任した場合、やむを得ない事由がある場合を除き、辞任した取締役は相手方(会社)に対して生じた損害を賠償しなければならないため、注意が必要です(会社法330条・民法651条2項)。 次に、ある取締役の辞任によって、法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、辞任により退任した取締役は、新たに選任された取締役(一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有するものとされています(会社法346条)。 あなたのケースについて、会社法346条が適用されるか否かを正確に判断するためには、あなたが取締役をしている会社が取締役設置会社か否か、定款で取締役の員数が定められているか等を確認する必要があります(正確には、会社の登記事項証明書や定款を確認する必要がありますが、ご投稿内容によれば、あなたが辞任したとしても、代表取締役である交際者が1名残っている以上、取締役会非設置かつ定款で取締役の員数を定められていない場合には、取締役の員数が欠けた場合にあたるのか疑義があります)。 ※ 会社法346条の適用がある場合、対応方法として、「一時役員の職務を行うべき者」の選任を裁判所に申し立てる方法があります(会社法346条2項)。 なお、会社との関係は上記のとおりですが、取締役を辞任したことを知らない第三者との関係では、既に取締役を辞任したことを第三者に主張するためには、取締役の退任の登記をする必要があるため、注意が必要です。 退任の登記の通常の流れは、代表取締役が法務局に申請するというものですが、円滑な退任ではないケース等では、代表取締役が退任登記への協力に消極的なことがあります。 なお、取締役を辞任した会社がどうしても退任登記を行ってくれないような場合には、辞任した取締役は、退任登記を求める訴訟を裁判所に提起し、判決を獲得した上で変更の登記をする方法があります。 いずれにしましても、円滑な辞任とは言えない場合には、損害賠償義務の負担、取締役の権利義務の継続、退任登記が円滑に進まない等の可能性があることも踏まえ、企業法務を取り扱っている弁護士に直接相談してみることもご検討ください。
この投稿は、2025年3月17日時点の情報です。
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