制限能力者から買い取りを受けた商品の転売時の取消通知対応

【相談の背景】
古物商・質屋をやってます。認知症などで制限能力者から買い取りをしてしまって、取消通知を受けた場合について

【質問1】
認知症などで制限能力者から買い取りをしてしまって、取消通知を受けた場合、その商品をすでに転売しているときは、どのように対処すればよいでしょうか?

時価で弁償はわかりますが、買取ですので…時価はすでに支払っているのではないか…という相談です

個別事案に関する相談ですが、質問の内容が抽象化されてしまっているため、
この質問には回答がし難いというのが実情です。
たとえ、すでに転売済みでも、取消に理由があるのであれば、時価相当額を弁償する必要が出てきます。
そのため、本件事案については、①買取の経緯、②相手の受け答えの状況、③買取時の意思確認の方法などの具体的な事情を、事前に整理して、弁護士の下に法律相談に行かれてください。

時価で弁償はわかりますが、買取ですので…時価はすでに支払っているのではないか…という相談です

買取行為が取り消されたとき、互いに原状回復義務を負うことになります。
ただし、行為能力制限者の取消の場合、
行為能力者の返還義務は、民法121の2第3項で、返還義務が「現存利益」に限定されています。

そのため、取消権者の「現存利益」がないと判断されると(たとえば、「浪費」などがあると現存利益なしと判断される。生活費だと「有用な支出」として現存利益ありと言われたりしている)、
買取業者がすでに取消権者に買取価格を支払っていたとしても、買取した商品を返還できない場合、時価額をそのまま返還する必要が生じる場合があります。

なお、この時、前提として、買取価格と時価が同一かという問題が生じます。
一般には買取価格は時価より低い傾向にありますので、時価と同一価格で買取したといのであれば、それを積極的に裏付ける資料の提出などがいると思われます。

ありがとうございます。そうですね…再調達相場と買取相場には差がありますので、いくらかは追加弁償ということになるかもですね