11級8号が認定され、約920万円が補償された事例
山本 哲也
弁護士
【ご相談内容】【相談前】
Aさんは、当日倉庫内でフォークリフトを利用して荷物の運搬の作業を行っていました。倉庫に運搬されてきたコンテナに積まれた荷物をトラックから降ろす際、コンテナの溝とフォークリフトの爪の幅が合わなかったため、爪の幅を広げて溝にあわせる必要がありました。
Aさんは、作業を止め、トラックの荷台の高さ(約650mm)に爪を上げ、爪を抱えるようにして爪を外側に引っ張り、幅の調整を行おうとしました。
フォークリストの爪は、金属製であり非常に重量があり、脱落した場合非常に危険なため、爪幅調整の際に爪が脱落することを防止するストッパーなどの機構が備えられています。
しかし、Aさんが爪幅を調整した際には、爪が横から脱落することを防ぐためのストッパーが取付けられていませんでした。
Aさんは、ストッパーが取付けられていないことに気づかずに爪幅調整を行い、爪を外側に引っ張ったため、爪が横から脱落し、足に落下して大けがを負ってしまいました。
Aさんは、本件事故によって、足指の切断、切断部の疼痛などの症状を残し、11級8号との認定を受けました。
主治医から事前に言われていた等級とことなるが、認定等級が妥当なのか聞きたい。
また、派遣先の会社とは、賠償の話をしたりしてはいるが、「慰謝料はいくらくらいが相場なのか。どのような事故状況だったのか」などの話のみで、具体的な金額や過失割合の提示などはなく、過失や賠償額等どの程度が妥当なのかを聞きたいとのことで、相談にいらっしゃいました。
【相談後】
〈対応結果〉
相手方企業との示談交渉を行いました。
労災支給額:約340万円
会社からの賠償額:約620万円
総額:約960万円
【弁護士からのコメント】
本件では、ご相談にいらっしゃった段階で労災により後遺障害の等級が認定されていました。
労災事故の場合、認定結果に不服があるときは、一定の期間内に不服を申し立てる手続きをしなければ、等級を争えなくなるため、Aさんからのご依頼を受け、まず認定結果の妥当性を検討致しました。
Aさんからの聞き取りや資料の検討の結果、認定された等級を妥当と考えられましたので、その旨ご依頼者様にお伝えし、既に認定されている等級を前提に賠償額の交渉を行うことになりました。
会社側との示談交渉の中では、特に過失割合が争いになり、当初は5割の過失を主張されておりました。
当時の事故状況やフォークリフトの整備状況などの事情を基に交渉した結果、2割程度まで減じることができました。
そして、当初の会社側提示額を大きく上回る賠償金を獲得することができました。