しみず さとる
清水 智弁護士
清水智法律事務所
太田駅
群馬県太田市飯田町216-1 坂田ビル1階中央
インタビュー | 清水 智弁護士 清水智法律事務所
消費者問題への人一倍強い思い入れ。契約書を覆し投資詐欺被害の高齢者を救った過去
詐欺に遭った家族の悲しむ姿を見て弁護士となり、キャリア6年目で独立を果たした清水 智(しみず さとる)先生。
現在は自分の名前を冠した清水智法律事務所を立ち上げ、分野を問わずさまざまな法律トラブルと向き合っています。
裁判へ挑む際は「訴訟相手の考え」も知るべく判例を徹底的に分析し、論理的に解決への道筋を探究。
経験を重ねても「臨機応変」な姿勢を大事にしていきたいと考える清水先生に、自身のキャリアや弁護士哲学を伺いました。
現在は自分の名前を冠した清水智法律事務所を立ち上げ、分野を問わずさまざまな法律トラブルと向き合っています。
裁判へ挑む際は「訴訟相手の考え」も知るべく判例を徹底的に分析し、論理的に解決への道筋を探究。
経験を重ねても「臨機応変」な姿勢を大事にしていきたいと考える清水先生に、自身のキャリアや弁護士哲学を伺いました。
01 弁護士になるまで
祖母の悲しむ姿を見て決意。司法試験合格までにあった努力
――清水先生はなぜ弁護士を目指したのでしょうか?
考え始めたのは大学時代、祖母が消費者詐欺に巻き込まれていたのがきっかけでした。
私が高校生だった頃、祖母は60万円もする金のネックレスを業者から購入していたのですが、数年間、家族にも相談できず悩んでいたのです。
家族へ打ち明けながら悲しそうな表情を浮かべた祖母の姿が忘れられず、「同じような悩みを抱える人たちを救いたい」と思い弁護士を目指しました。
――その一心で熱心に法律について勉強されたのですね。
じつは元々政治経済学部に在籍していたのですが、大学時代の途中に祖母から打ち明けられた後、法学部へ転部したんです。
通っていた大学では、転部するためには在籍していた学部で好成績を残す必要があり、遊ぶ暇も惜しんで勉強に取り組んでいました。
その後は無事に法学部への転部を果たし、大学卒業後はロースクールに進学しました。
――努力家の一面も垣間見えますが、司法試験もその力で突破されたのでしょうか?
ロースクール卒業直後に不合格となった経験もあり、自分なりに苦労したなと思います。
弁護士になった今となっては勉強時間や勉強量は合格レベルに達していた自負はありますが、気持ちの面で至らなかった部分があったのだろうと考えています。
無事に合格できたときはうれしく、司法修習生としての期間を経て2016年12月にようやく弁護士になれました。
02 独立へ至るまで
ゆかりある地元への思い。相手側の判例も分析して裁判へ挑む
――現在は独立され、先生の名を冠した清水智法律事務所で活躍されています。
弁護士になった時点から、地元の群馬県で仕事をしたい気持ちがあったのです。
現在の事務所は太田市を拠点としていますが、以前所属していた事務所も同じ県内の高崎市でした。
活動を始めてから6年目に、前事務所の代表弁護士に「独立したい」と伝えたところ快く背中を押してくれて、2022年1月に独立を果たしました。
――前事務所では、どういった事件を担当されていましたか?
特定の分野に特化した事務所ではなかったのでさまざまな事件に関わってきました。
やはり弁護士になりたい気持ちも強かったですし、私自身もなんでもやる思いで飛び込んだのです。
行政に関する案件にも携わり、違法な建築物や不法な建築物の扱いをどうするべきかなどの相談を引き受ける機会もありました。
過去に祖母が巻き込まれたような個人相手の消費者問題にも取り組んでいましたし、自分が描いていた弁護士像に日々の業務を通して近づいていく感覚がありました。
――新人時代にはやはり苦労もあったのかと思います。
新人のころは依頼者さまに対して適切な答えを返せず反省するなど、余裕のないなかでも色々と試行錯誤を重ねていました。
当時の経験を経て、反対意見で決着した判例などを個人的に分析するようになりました。
訴訟相手側の考えを汲み取ろうとすると、事件の全体像をより深く把握できる場合もあるのです。
前事務所では事実関係を分析することに長けていた先輩もいたので、その仕事ぶりから学ぶこともたくさんありました。
経験を重ねるうちに依頼者さまとも円滑なコミュニケーションを図れるようになり、自信も付いてきました。
03 独立後の現在
消費者問題への思い入れ。投資詐欺被害の高齢者を救った過去
――独立を果たした現在、弁護士としての強みは?
前事務所でさまざまな分野の事件に関わってきたので、どの分野が強いかを決めるのはなかなか難しいです。
気持ちとしては、かつての祖母のように消費者問題に悩む方へ寄り添いたい思いが強いです。
――思い入れある消費者問題の分野で、印象的だった事件はありますか?
前事務所所属の際に個人で引き受けた事件で、証券会社の投資詐欺被害に遭ってしまった高齢者の方からの相談は記憶に残っています。
年金生活を送っていた依頼者さまで、証券会社から「退職金でお金を増やしましょう」と誘われ、リスクの高いデイトレードの口座を開設してしまったのです。
難しかったのは当時の契約書で、法律の視点からすれば内容に不備がなく、依頼者さまは他の法律事務所で断られてしまったので前事務所へいらっしゃっていました。
――難しい事件であったことが伝わってきますが、どのように取り組んだのでしょうか?
依頼者さまが開設されたのは自分で取り引きをしなければならない口座で、そこが事件を解決へ導くための突破口だと考えました。
銘柄の売り買いをするためにはご契約者さまが自身のパソコンやスマートフォンを使う必要があったので、まずは、依頼者さまがどのような端末を使っていらっしゃるのかを調べました。
するとパソコンは十数年前のものでデイトレードをするにはスペックが足りず、携帯電話もガラケーでしたので、そもそも依頼者さまが取り引きできる環境にいなかったのです。
本来、投資に関する高齢者の顧客に対しては日本証券業協会が定めた勧誘方法のガイドラインもあり、勧誘する側はそうした部分の説明も丁寧に行わなければなりません。
ただ、この事件においては証券会社側の説明が不十分だったと、裁判では強調しました。
最終的には、和解による解決となりましたが、基本的には証券会社への責任があることが前提となった話し合いとなり、無事に依頼者さまの出資金が返還されることになり、私としても弁護士としてのやりがいを感じられる事件でした。
04 今後への思い
年齢や経験を重ねても臨機応変に。深刻になる前にご相談を
――今後、弁護士としてどう活躍していきたいですか?
年齢や経験を重ねても柔軟に、自分より若い世代の先生方とも臨機応変にコミュニケーションがとれるような弁護士になりたいと考えています。
慣れてくると先入観が働いてくるのは仕事として仕方ない部分もありますが、弁護士の扱う事件はそれぞれの状況も異なりますし、真に解決へ導くためには問題の本質を見誤る可能性もあると思っているのです。
自分の位置に甘んじることなく、最新の知識や社会情勢なども学びながら研さんを図っていきたいと思います。
――最後、相談に悩む読者のみなさんへメッセージをお願いします。
相談のタイミングは難しいかもしれませんが、わずかでも悩みがあるなら、なるべく早めに来てもらいたいと思います。
大病もわずかな兆候がある時点で病院に行けば深刻な症状になる前に食い止められる可能性が高まりますが、日常にあるトラブルも同じです。
弊事務所では数分間での電話相談も受け付けていますので、お時間をかけることなく相談へ応じる体制も整えています。
法律の視点から解決できるかどうかもこちらから提案しますので、お気軽にお問い合わせください。