不当な退職要求と復職の可能性についての法律相談
【相談の背景】
10日前に社長から、社長との不倫の解消目的を理由として退職を迫られ
「今日にでも辞めてくれ」と言う社長との言い合いの末、
辞める旨をメールにて伝えました。
解雇手当もありません。自主退職扱いです。
退職届も出しておらず、不当な解雇ではないかと
その後復職を社長に求めていますが、
「あなたを会社に戻す気はない」と話も聞いてもらえません。
【質問1】
正式に退職したことになるのでしょうか?
【質問2】
復職を求めることは不可能なのでしょうか?
【質問3】
これは労働審判をすればよいのでしょうか?
大変な状況でのご心情をお察しします。
以下、少々辛いお話にもなりますが、お読みいただけますと幸いです。
1つずつ回答して参りたいと思います。
質問1について、退職は、従業員側からの意思表示と期間経過だけで効果が生じるため、どのような背景事情があったとしても、原則的には退職は有効となります。
質問2についても、一度退職をして、雇用契約が解消されたならば、再度雇い入れるかどうかは会社側の裁量となり、社長が認めないならば、復職と言うのは難しいと思います。
ただし、質問3に通ずる話ですが、ご説明いただいた背景事情について、証拠をもって証明できるのであれば、実質解雇であるとして、労働審判で解雇無効を主張し、従業員の地位にあることの確認を求めることはできるかもしれません。
もっとも、仮にそれで復職ができたとしても、引き続き社内で嫌がらせを受けたりする可能性は否定はできません。また、解雇の無効を争うケースでは、大抵の場合、そうした可能性があることから、給料の何ヶ月か分を支払ってもらう形でのお金の解決になると言うことがあります。
そうした流れになる事は、残念ですが、ある程度覚悟していただいた上で事にあたる必要があるでしょう。
質問3については、ケースバイケースですが、話し合いだけで解決する見込みがあるならば、いきなり労働審判を起こすのではなく、交渉を行うこともありますが、お聞きする限り、その見込みが低そうですので、おっしゃる通り、まずは早期解決に向けて労働審判を起こすのが得策だと考えます。