長期間が経過してから発覚した妻の不貞行為について、その相手方から慰謝料を回収した事例
佐藤 良
弁護士
【ご相談内容】【相談前】
相談者さまは、偶然妻の過去のメール履歴を目にしたところ、会社の同僚男性との生々しいやり取りが残されており、当時、妻が不貞行為を行っていたことが発覚しました。
転勤により家族で転居していたこともあって、現在は関係が続いていないものと思われましたが、それ以来、相談者さまは仕事も手に付かないほどの精神状態に陥りました。
もっとも、不貞関係にあったのは10年近く前のことであったため、もうどうすることもできないのではないかと悩みながら相談に来られました。
【相談後】
不貞行為は民法上の不法行為に該当しますので、3年間で消滅時効にかかってしまいますが、この起算点は「損害及び加害者を知った時」からです。
これまでも相談者の妻には疑わしい行為はあったようですが、憶測の域を出ず、はっきりと不貞行為の存在とその相手方を相談者が認識したのは、メール履歴を目にした時点でした。
とすれば、損害及び加害者を知ってから3年は経過しておらず、時効は成立していないと考えられたため、不貞行為の相手方に対して損害賠償の支払いを求めました。
予想どおり、相手方は消滅時効の成立を主張してきましたが、最終的には交渉により120万円の慰謝料の支払いを得ることができました。
【先生のコメント】
配偶者の不貞行為が判明した場合、配偶者との婚姻関係をどうするか、慰謝料の請求を行うべきか、誰に対して行うべきか等、なかなか気持ちや考えの整理がつかないことも多いと思います。
このような事案をご相談いただいた場合、それぞれのメリットデメリットや、解決に向けた道筋としてどのような方法が一番適切か等、経験に基づいてアドバイスさせていただきます。
本件においては、相談者の方が妻との離婚を考えていなかったため、このような解決となりました。
同じ事案でも解決の方法が一つとは限りませんので、相談に来られる際は、ご希望やお考えをまずは率直にお伝えください。