さいき みほ
齋木 美帆弁護士
ネクスパート法律事務所
京橋駅
東京都中央区京橋2-5-22 キムラヤビル7階
インタビュー | 齋木 美帆弁護士 ネクスパート法律事務所
閉ざした心の奥まで覗き込む。刑事被告人と心通わせた1年、刑期半減へ
全国各地に11拠点を構える弁護士法人ネクスパート法律事務所。
東京オフィスに在籍する齋木 美帆(さいき みほ)弁護士は、依頼者への思いが人一倍強く、どんな人にもやさしい眼差しを向けています。
離婚問題で落ち込む依頼者を何度も勇気づけ、心を閉ざした刑事被告人とも毎日接見を重ね、心を通わせてきました。
趣味は舞台鑑賞。
俳優が観客を喜ばせるように、弁護士として「依頼者を笑顔したい」と力強く語ります。
東京オフィスに在籍する齋木 美帆(さいき みほ)弁護士は、依頼者への思いが人一倍強く、どんな人にもやさしい眼差しを向けています。
離婚問題で落ち込む依頼者を何度も勇気づけ、心を閉ざした刑事被告人とも毎日接見を重ね、心を通わせてきました。
趣味は舞台鑑賞。
俳優が観客を喜ばせるように、弁護士として「依頼者を笑顔したい」と力強く語ります。
01 弁護士を目指した理由
法律同好会の代表務める。歯痒さをバネに、「最後まで助けになりたい」
ーーまず、弁護士を目指すようになったきっかけから教えていただけますか?
最初に弁護士を意識したのは、高校時代でした。
映画「キューティ・ブロンド」を観て、弁護士を目指して奮闘する主人公の姿に憧れるようになったんです。
それが明確な目標に変わったのは、大学生のときです。
法学部に進学した私は、法律系の同好会に入り、代表を任されました。
その同好会でOG・OBの弁護士や法律関係の仕事をされている方々にお会いし、職場を見学させてもらう機会があったんです。
そこで、映画で観たキラキラした弁護士像とはまた違った弁護士の姿を目の当たりにしました。
ーーそれは、どんな弁護士像だったのでしょうか?
弁護士は、困っている方々の身近な存在、よきパートナーであるということです。
映画やドラマでよくクローズアップされるのは、「異議あり!」などと法廷で激しく争う派手なシーンです。
ただ、実際に事務所を見学させていただくと、依頼者さまのお話にじっくり耳を傾け、一緒に悩みながら解決策を探す姿がありました。
私自身はもともと世話好きな性分で、同好会でも「両親が離婚しそう」「相続問題で家族が揉めている」などと、いろんな人たちからよく相談を受けていたんです。
ただ、法律を勉強しているとはいえ、まだ学生の身分です。
弁護士になった先輩や法律事務所を紹介したりするのが限界で、それ以上力になれないことに歯痒い思いをしていました。
最後まで悩んでいる方々の役に立ちたい、助けになりたい。
そう思って、弁護士になろうと決意したんです。
02 キャリアの歩みと現在の事務所
男女問題、離婚、相続などに注力。武器はコミュニケーションとチーム力
ーー弁護士になる目標を叶えた後、現在までどのようなキャリアを歩まれたのですか。
最初に勤めた法律事務所では、債務整理や交通事故を中心にジャンルを問わずいろんな事件に携わりました。
その後、ネクスパート法律事務所に移籍し、現在は男女問題、離婚、相続などの家事事件にとくに力を入れています。
以前の事務所で様々な案件に関わる中で、一人ひとりの依頼者さまとしっかりと向き合い、寄り添うことの大切さを実感しました。
ーー現在の事務所でも、コミュニケーションを重視されているんですか。
一人ひとりの依頼者さまに丁寧に寄り添う姿勢は、すべての弁護士に共通する私たちの大事なポリシーです。
言い換えれば、それは結果と同様にプロセスも大事にしているということです。
法律論だけでなく、一人ひとりの背景にある思いや問題と向き合い、どこまでも親身になって支えることをとても大事にしているんです。
若い弁護士が多く、チームの一体感があるのも私たちの持ち味です。
代表を含め、各オフィスがチームで案件に向き合うことも多いんです。
弁護士には近寄りがたいイメージをお持ちの方もいらっしゃると思いますが、当事務所は風通しがよく、気軽に相談いただけるアットホームな事務所だと思います。
03 過去の解決事例、依頼者への思い
高齢者の傷害事件、刑期半減へ。接見重ね、心通わせた日々
ーー齋木先生も、そうした依頼者と二人三脚のスタイルを貫いていらっしゃるんですね。
依頼者さまと一緒に試行錯誤し、手を取り合って一歩ずつ前へ進んでいくこと。
最も近くで支え、喜怒哀楽をともにするパートナーであること。
それが、私が最も大事にしている思いです。
そして、依頼者さまがその後の人生を少しでも気持ちよく踏み出し、笑顔で過ごせるように全力でサポートさせていただきます。
とくに、離婚をはじめとする家事事件は感情が激しく揺れ動くものであり、依頼者さまの事情や思いも一人ひとり異なります。
機械的に離婚や相続の条件をまとめるだけで、一件落着できるようなものではありません。
私が過去に担当した、数回の調停を経て無事離婚を成立させられた事件もまさにそうでした。
小学生のお子さまがいたご夫婦の離婚問題について、親権や養育費、面会交流の条件をまとめ、双方納得のうえで解決した事件でした。
決してドラマティックな解決劇だったわけではありませんが、落ち込み、疲弊する依頼者さまを「一緒にがんばりましょう!」と必死で励ましたことが印象に残っているんです。
離婚成立後、依頼者さまは解き放たれたようなスッキリした表情を浮かべていらっしゃいました。
離婚にはどうしてもネガティブなイメージがつきまといがちですが、新たな人生を歩むスタートライン、ポジティブな転換期でもあるんです。
それをサポートさせていただけたことが、何よりもうれしかったですね。
ーー依頼者への強い思いが伝わるエピソードですね。
もうひとつ、私の記憶に深く刻まれた事件があります。
傷害事件で逮捕された男性の弁護を担当したときのことです。
その方は、家族のいない、一人暮らしの70代の男性でした。
逮捕後すぐに接見すると、私が若い女性だったこともあってか、警戒心が強く「俺の何がわかるんだ」といった雰囲気でまったく心を開いていただけなかったんです。
ただ、「このままではいけない。この人と向き合いたい」とその後の約1ヶ月間、ほぼ毎日のように接見を重ねました。
1ヶ月が過ぎた後も、仕事を終えた夜遅くにいつも会いに行ったんです。
ーーその結果、関係性に変化はありましたか?
世間話もしながらコミュニケーションを重ねていくうちに、だんだん心を開いてくれるようになったんです。
依頼者さまは身寄りがなく、わずかな年金と日雇いの仕事で得た賃金で生活を送っていらっしゃいました。
最初は「もう高齢だしあとは死ぬだけだから、この後の生活なんてどうでもいいんだ」と投げやりな態度だったんですが、次第に「毎日話を聞いてくれてありがとう」などと喜んでいただけるようになったんですよ。
繰り返しの接見に加え、事件現場にも足を運んで関係者に当時の状況を入念に聞き取りました。
事件現場は身寄りのない高齢者が多く利用する簡易宿泊所でした。
簡易宿泊所の関係者も、最初はかなり警戒されましたが、何度も通ううちに、打ち解けることができ、積極的に話をしてくれるようになりましたね。
ーー最終的には、どんな結末を迎えたのでしょう?
1年弱続いた裁判の末、検察の求刑の半分ほどの刑期で終えることができました。
罪を犯してしまう人のなかには、社会から隔絶され、人生に絶望し、自暴自棄になって事件を起こしてしまうような人も少なくありません。
依頼者さまが私との交流を通して、人と心を通わすことの大切さや、生きる希望のようなものを取り戻していただけたなら、それほどうれしいことはないですね。
この事件は、目の前の人の人生と向き合うことで、その人の気持ちを変えることもできるんだーー。
そんな風に、弁護士の存在意義のようなものを改めて感じることができた事件でもありました。
04 今後の展望
演劇などエンタメ業界のサポート、企業法務にも力注ぐ
ーーそうした真正面から向き合う熱意やエネルギーは、どこから湧き上がってくるのでしょうか?
仕事からは離れますが、ひとつは趣味の舞台鑑賞ですね。
とくにミュージカルをよく鑑賞していて、その中でも宝塚歌劇団は、幼い頃から大ファンなんです。
大きな舞台の上で力一杯表現し、劇場一杯の観客を笑顔にするあの情熱とパワーは格別です。
私も「目の前の依頼者さまを笑顔に、幸せにしたい」という思いが自然と湧き上がってくるんです。
好きな俳優は、宝塚歌劇団に在籍されていた望海 風斗さんです。
歌も踊りもとにかく素晴らしく、パワフルで、いつも「私もがんばらないと」という気持ちにさせてくれます。
ーー舞台を含めたエンタメ業界は、コロナ禍で大きな打撃を受けた業界のひとつです。
多くの人に夢を与える仕事は、むしろこういうときにこそ必要不可欠で、私たちの生活になくてはならないものです。
その灯火は、絶対に絶やしてはいけません。
ですから、エンタメ業界の発展に向けて、弁護士として何か役に立てることがないかとも思っているところです。
今後は家事事件を中心に、そうしたエンタメ業界含め、たくさんの人を笑顔にしたいと奮闘される企業様のパートナーとなれるような企業法務にも力を入れていくつもりです。