【事務所の事例】ある会社が、従業員の加入した社外の労働組合(いわゆる合同労組)から団体交渉を求められたうえ、団体交渉決裂後に労働審判を申し立てられたが、実質的に全面勝訴できた事例
坂東 崇志
弁護士
【ご相談内容】【相談前】
この会社では、ある社員が日常的に上司からの指導や業務内容に不満を抱いており、社長や上司らは頻繁にその社員からの相談に応じていました。ところが、ある日突然、会社に社外の労働組合(いわゆる合同労組)から「御社の○○社員が当組合に加入した。今後、当該社員に関する労働条件の交渉は当組合が行うことになる。ついては、団体交渉を要求する。」などと記載された書面が届き、大変驚くとともにどのように対応すればよいのか分からず困惑されておられました。
【相談後】
当法律事務所が事情をお伺いしたところ、これまでの会社側の対応に問題はなかったため、団体交渉において会社側の対応に問題はないということを終始一貫して伝えていくことになりました。
具体的には、当事務所の弁護士と会社の方とで、労働組合及びその社員との団体交渉を複数回行いました。もっとも、会社側に非はない案件でしたが、円満に解決するため、最終的に数万円程度の解決金を提示したところ、労働組合側から一度は応じる旨の回答がありましたが、合意書作成の段階で破談になりました。
破談となってしまった後、諸々の事情が存在したことを踏まえ、弁護士と会社とで十分協議した上で、その社員を解雇しました。そうしたところ、解雇無効を理由とする労働審判が申し立てられたのですが、最終的に裁判所から当方の対応に非はないということが認められ、和解が成立しました。その和解の内容は、労働組合側が一度応じた数万円を支払うことでの解決であり、会社側としては非常に円満に解決することができました。
【弁護士からのコメント】
本件で弁護士として有難かったのは、労働組合から文書が届いた段階で素早くご相談いただけていたことです。
紛争の初期段階であれば、事情に応じて適切な対応を取ることも可能なのですが、例えば労働組合からの団体交渉に応じない、理由を十分に検討せずに解雇してしまうといった対応を取った後でご相談いただいた場合、会社側としては非常に厳しい立場に追い込まれることが少なくありません。
本件では、団体交渉からご依頼をいただいていたため、労働組合側にどのような主張を行うか、その証拠としてどのような資料を用意するかといったことが十分に検討できていました。また、団体交渉が決裂した後に解雇をすることができたことも十分な証拠を確保することができていたからに他なりません。
すべての事案を思う通りに解決できる訳ではありませんが、できる限り労働問題をスムーズに解決するためには、できるだけ早い段階で使用者側労務に詳しい弁護士にご相談いただくことが重要であると思います。