民法第877条の規定する扶養義務は、法により履行を強制させることは出来るのですか?
弁護士からの回答タイムライン
- 佐藤 充崇弁護士扶養義務は原則として金銭扶養、すなわち扶養料の支払義務として考えられています。例外的に衣食住の現物給付があり得ると考えられているくらいで、引取扶養、すなわち手元に引き取って面倒を見ることは扶養義務の内容として考えられていません。引取扶養を義務付けるのは義務者の人権を侵害しているのでは、との懸念があるからです。 また、介護は扶養には含まれないので、扶養義務の内容として介護をする義務があるとも考えられていません。 従って、「扶養義務というのは、法により履行を強制させることは出来るのですか?」というご質問の答えはイエスとなります。ただし、お金を払えという義務を、金銭執行の方法で強制させることができるだけですが。
- サザンカさんご回答ありがとうございます。 なるほど、扶養義務というのは、法により履行を強制させることは出来るのですね。 ところで、ある人が、その扶養義務について、 「義務者とされる者が、担うべき扶養義務を全て履行したとしても、なおお金が有り余るというのであれば、(裁判所から)命令が出る場合もあります。 目安は年収1億円とお考えください。1億円もあれば、より上位の扶養対象者を全部扶養し、自分の遊興や老後資金等を蓄えながらも、少しの資金をその扶養を求める者に回す余力があるだろうと判断されるからです。義務者が年収1000万円程度では、扶養の強制なんて全くできません。」 と言っていましたが、それは正しいのでしょうか?
- 佐藤 充崇弁護士どういう事案を想定していての発言か分かりませんし、「扶養義務を全て履行」しているのに裁判所から命令・扶養の強制されるということがどういう意味なのか分かりません(矛盾しているように私には見えます)。また扶養料については裁判所の運用基準も不明確なので、その発言が正しいかは断言できません。 まず877条1項と2項で義務の内容が違いますし、基本的に扶養料の義務の確定は、当事者間の協議→決まらなければ家裁の調停→調停で決まらなければ家裁の審判という順序で決まります。扶養料請求審判については、養育費や婚姻費用、未成熟子から親への扶養料請求を除いて、基準がそれほど明確ではありません。事案によるばらつきか養育費等のケースに比べて大きいからです。
- サザンカさんご返信ありがとうございます。 多分その発言者は、 「義務者とされる者が、仮に“担うべき扶養義務”を全て履行したとしても、なお義務者の手元にお金が有り余るという経済状況にあるのであれば、裁判所から義務者に、扶養料の支払い命令が出る場合もあります。」 という意味で言ったのではないかと思います。 とはいえ、扶養料については裁判所の運用基準も不明確なので、その発言が正しいかは断言できないのですね。 基準がそれほど明確ではなく、事案によるばらつきが大きいのですね。
この投稿は、2022年3月28日時点の情報です。
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