養育費算定の基礎となる収入について、医師の特性を丁寧に説明して主張を通し、面会交流も獲得した上で、協議離婚を成立させたケース
髙塚 真希
弁護士
【ご相談内容】【事案概要】
ご依頼者さまは、医師として大学病院に勤務する傍ら、他病院での外勤も多くなさっており、また、多くの医学文献を購入し、学会にも出席する等、研究にも余念がなく、極めて多忙でした。そして、近いうちに一般病院勤務となり、収入が大幅に下がるという事情がありました。そのため、お子さまには十分な養育費を支払いたいという思いもある反面、将来を考えると自らの生活や仕事への影響も考慮せざるを得ない状況でした。
【解決内容】
妻にも弁護士がついたため、弁護士同士で細かな条件を主張、整理し合い、協議離婚が成立しました。離婚条件については公正証書で取り決めをしました。
養育費の算定に当たっては、一般的には前年の収入を基準にしますが、本件の特殊性から過去5年分の平均収入を基準に、さらに、医学文献の購入費や学会の参加費等についても丁寧な説明と資料提供を繰り返し、ご依頼者さまにも納得感のある金額に落ち着けることができました。また、ご依頼者さまとお子さまとの面会交流についても公正証書にて取り決めることができました。
【髙塚弁護士のコメント】
最高裁判所のサイトに掲載されている養育費算定表をご覧になったことがある方は多いと思いますが、どのようにして、算定表が作成されているかを理解して利用しておられる方は少ないのではないかと思います。
このケースでは、ただ医学文献の購入費や学会の参加費が多額にかかっているということを主張するだけではなく、そのような費用が、養育費算定に当たってどのような位置づけになるかということを踏まえ、説得的に養育費の交渉に当たったものです。
医師特有の事情を丁寧に洗い出し、さらに養育費算定方式の仕組みも踏まえて説明することで、妻側の理解を得た結果となりました。
手続的にも、調停・訴訟となると、多忙なご依頼者さまへの負担が大きかったため、協議離婚成立となったことも非常に大きな成果でした。