連絡不通、所在不明となった元交際相手の男性に対し、子に対する強制認知を認めさせたケース
髙塚 真希
弁護士
【ご相談内容】【事案概要】
ご依頼者さまは、既婚者の男性から、当初は婚姻中であることを隠されて、それが知れてからは妻と離婚をするなどと言われ、交際を継続し、当該男性の希望で避妊せずに関係を持っていたところ妊娠しました。当初は交際相手も喜んでいたものの態度が急変して連絡不通となっただけでなく、当該男性の妻から慰謝料請求の調停を申し立てられ、慰謝料の支払いをしました。そして、ご相談者さまは、生まれた子の認知を求めて、ご自身で認知調停を行いましたが、元交際相手は出頭せず、その後、元交際相手は住まいを変えてしまい、住所を調べることもできなくなってしまいました。
【解決内容】
元交際相手はご依頼者さまがストーカーであるとして、自治体の支援措置を使って新しい住所を調べられないようにし、さらに職場も変えてしまっていました。そこで、被告の住所不明のまま認知訴訟を提起し、裁判所に職権で住所を確認していただき、無事に訴状送達となりました。
元交際相手は訴訟にも出頭せず、子の血縁関係を客観的に立証するためのDNA鑑定を実施することができませんでしたが、妻に対して慰謝料を支払った調停の資料などを提出し、尋問でこれまでの経緯を丁寧に説明することで、無事に勝訴判決を獲得し、認知となりました。
【髙塚弁護士のコメント】
ご依頼者さまにとっては、元交際相手に騙された、許せないという思いがある反面、それでも子にとっては父であり、子に父を与えたいという強い思いがありました。
元交際相手は、調停に出頭しないどころか、認知を求めるご依頼者さまをストーカーであるとして住所を隠すまでして逃げ惑うという、非常に無責任な行動をとっていましたが、適正な手続を踏んで訴状を送達し、最終的には裁判所に認知を認めてもらうことができました。
ご依頼者さまが、苦しい過去から逃げずに法的手続を踏んだことで、何も罪のないお子さまの戸籍上の父の欄を埋めることができました。また、法律上の父子関係を確定させることで、父に対する養育費の請求ができるようになっただけではなく、お子さまは、将来的に父が亡くなった場合の相続権も得たことになります。
認知により父子関係を構築することのメリットは養育費にフォーカスされがちですが、お子さまの将来を考えると、相続でのメリットも大きいといえます。時間が経ってしまうと、立証の難しさもでてきますので、早めに対応することが肝要です。