2か月で示談金800万円から2000万円に大幅アップした事例
吉田 泰郎
弁護士
【ご相談内容】【ご相談の概要】
被害者の方は、通勤中に、自転車で大きな道路に設置された歩道を自転車で走行していました。
しかし、被害者の方が、交差点に差し掛かったところ、突然、自動車が飛び出してきて、被害者の方は、はねられてしまいました。
被害者の方は、交通事故により、手術が必要なほどのけがを負い、通院終了後には、後遺障害等級11級の後遺障害が残ることになりました。
被害者の方は、治療を終了し、交通事故の後遺障害の等級認定を受けた後、保険会社から示談案を示されました。
「これでいいのですか?」
と、保険会社の担当の方に質問をしましたが、保険会社の方は
「こんなもんです」
「みなさん、これでやっています」
という、ほとんど何の説明にもなっていない説明しかしてくれませんでした。
被害者の方は、正しいと思える示談の金額であれば、とくに争おうという気持ちはなかったのですが、そういう説明では納得できなかったので、弁護士に相談することにしました。
【弁護士の対応】
弁護士が、保険会社が出してきた示談案を確認したところ、保険会社の示談書には、さまざまな問題点があることがわかってきました。
◇ここがポイント◇
・傷害慰謝料が少ない!
傷害慰謝料は80万円で提示されました。しかしこの額は、弁護士基準の半分以下です。入院期間やお怪我の程度などを勘案し、弁護士は
「傷害慰謝料は190万円請求するべきだ」
と考えました。
・後遺障害の逸失利益が少ない!
※逸失利益とは、「将来の休業損害」だと考えてください。後遺障害によって将来の収入が減少してしまう部分についての賠償です。
逸失利益は500万円と提案されました。しかし、弁護士の目はごまかされません。保険会社が「保険会社にとって有利な計算方法」をとっているのではないか、と疑ったのです。
弁護士が調査してみたところ、やはり、保険会社は、ウソだとまではいえないものの、法律的には正しくない計算方法で提案していたのです。
特に、収入の算定について適切でないことで、逸失利益の額が不当に低いと判明しました。被害者の方の実際の収入は、女性の全年齢平均賃金よりもかなり多くの収入があったため、この点を考慮する必要がありました。
一方で、裁判にするのかどうか、という点は弁護士も悩みところがありました。
裁判よりは交渉の方がより短期間で、かつ納得の行く結果を出せる可能性があると考えたからです。
結局、交渉期間、2か月ほどで、被害者の方の満足のいく結果を出すことができました。
弁護士が交渉した結果、示談金を800万円から2000万円に、+1200万円アップすることができました。
(2000万円は、その時点で保険会社が支払っていた既払金をのぞいた最終支払金額です)
【コメント】
弁護士が受任してから、約2か月という短い期間で、1200万円の賠償金額の増額ができたことは、成功と言ってよいと思います。
今回の解決のポイントは、弁護士が保険会社の提案してきた逸失利益のカラクリを見抜いたことです。
最初の段階では、保険会社は、被害者の方の実際の収入を把握していなかったため、最初の示談提案は、かなり低い金額でした。
つまり、保険会社は、少々、手抜きをして示談の提案をしてきたということです。
このように、有名な保険会社であっても、現場の担当者は手抜きをして事実を確認せずに示談の提案をしてくることは往々にしてあります。
くれぐれも、安易に保険会社を信用してはいけない、ということを心してください。