『書面でする利息付き消費貸借契約』は、片務契約ではなくて双務契約という分類になるのですか?

利息付き消費貸借契約が片務契約とされている理由について、
ある人が、次のように説明されていました。

「消費貸借契約は、要物契約ですから、片務契約になります。
つまり、要物契約は目的物を引渡して初めて契約が成立しますから、
貸主は目的物を引渡した段階では(つまり契約が成立した段階では)、
貸主としての義務を果たしているわけですから、
貸主の引渡し義務は消滅しています。

後は借主の利息を支払う義務があるだけですから、片務契約です。

貸主=貸す義務(要物契約で契約成立段階では履行済みで消滅)
借主=利息を支払う義務(対価だから有償契約)→これだけ存続しているので片務契約

ということになります。」

上記の説明は、
利息付き消費貸借契約が片務契約とされている理由として
正しいのですか?

また、
「消費貸借契約は、原則として要物契約であるが、
民法改正により、2020年4月から
『書面でする消費貸借契約』は諾成契約となっている。」
らしいですが、
上記の説明が正しいのだとすれば、
『書面でする利息付き消費貸借契約』は、
片務契約ではなくて双務契約という分類になるのですか?

疑問に思ったので宜しくお願い致します。

> 上記の説明は、
> 利息付き消費貸借契約が片務契約とされている理由として
> 正しいのですか?
正しいと思います。

> 『書面でする利息付き消費貸借契約』は、
> 片務契約ではなくて双務契約という分類になるのですか?
民法587条の2に準拠する限りそうなります。

どういう疑問なのかお示しいただけると、より的確な回答ができるかも知れません。

ご回答ありがとうございます。
理解できました。

もう一つ、質問よろしいでしょうか?

その人は、使用貸借契約が片務契約である理由について、次のように説明していました。

「片務契約は、当事者の一方の債務と、相手方の債務は対価的な関係にないといけないので、相手方も債務を負っているとしても、それが対価的な関係にないとすれば、それは片務契約になります。

使用貸借は、タダで物を借りる契約ですが、貸主は借主に使用収益させる義務がありますが、一方で借主には目的物を返還する義務があります。

しかし、この貸主と使用収益させる義務と、借主の返還義務は対価的な関係にありません。貸主の使用収益させる義務と対価的な関係にあるのは、使用収益の対価、つまり賃料ということになりますが、貸主が借主に使用収益させて、借主がそれに賃料を払えば「賃貸借契約」になりますので、使用貸借ではありません。

使用貸借では、使用収益の対価たる賃料を支払わないので、やはり片務契約です。」

上記の説明は、
使用貸借契約が片務契約とされている理由として
正しいのですか?

「民法587条の2に準拠する限り」としたのは誤解を招く表現でした。申し訳ありません。
ポイントは「利息付き」というところです。利息が、貸す債務の対価となり、「双務契約」です。
双務契約に分類されるためには、双方の債務が対価的関係に立つことも必要です。
それ以外が「片務契約」に分類されるので、「片」方だけが義「務」を負う契約とだけ定義すると、厳密には不正確ということになるでしょう。義務→対価的義務と説明している人もいます。

ご返信ありがとうございます。

まとめると、

・口頭で行う利息無し消費貸借契約(要物契約)⇒片務契約
・口頭で行う利息付き消費貸借契約(要物契約)⇒片務契約

・書面で行う利息無し消費貸借契約(諾成契約)⇒片務契約
・書面で行う利息付き消費貸借契約(諾成契約)⇒双務契約

・使用貸借契約(諾成契約)⇒片務契約

ということで良いでしょうか?

新民法によるとそうなりますね。

ありがとうございました。