【事務所の事例】突然のハラスメント申告について解決できた事例
井上 愛美
弁護士
【ご相談内容】【相談前】
ある病院に、スタッフから「ハラスメントを受けた。調査してもらいたい。」という書面が提出されました。その書面には、自分が仲間外れにされていることや仕事を一方的に押し付けられていること、仕事面で他部門と連携がうまくいっていないことなどが、十数頁にわたって記載されていました。この病院では、ハラスメント申告に対する対応を行ったことがなく、どのように対応すべきか悩んでいました。
【相談後】
ご相談いただいた後、まずは当事務所でハラスメントに関する調査を行いました。具体的には、申告されたスタッフや関係者の方々から個別にお話を伺い、聴取書を作成したうえで、証拠となるような資料を収集しました。続いて、これらの調査結果を踏まえ、ハラスメントに該当するか否かについて、判断結果とその理由を記載した書面を作成しました。この件では、客観的資料等から、仕事の押し付けあいに起因する喧嘩にすぎないと考えられたため、ハラスメントには該当しないとの結論を出しました。
なお、こうした結論を提示する際、病院の経営者の方から「この方は問題の多い方であり、これを機に退職いただきたいと思っている。」といったお話があったため、本件では、別途問題行動も調査することになり、退職勧奨を行うことにもなりました。トータルで3か月ほどかかりましたが、最終的には合意退職という形で決着がつきました。
【弁護士からのコメント】
ハラスメント申告があった場合でも、本件のように同僚間での口喧嘩や仕事の押し付け合いにすぎずハラスメントとはいえない事例も少なくありません。そこで、会社としては先入観を持たずに調査することが大切でしょう。また、ハラスメント調査は、迅速かつ適切に行わなければ、後日大きな紛争になるケースがあります。そのため、至急調査を開始し、調査した結果について資料を残しておくことが重要です。
なお、病院の場合、医師や看護師、臨床検査技師など様々な立場の方がおられるためか、ハラスメントが問題となるケースが多いと感じています。こうしたトラブルはどうしても一定割合では発生してしまうため、悩みすぎずに、早めに労働問題に強い弁護士に相談されることをお勧めします。