複数の法律事務所から法定離婚事由がないことを理由に受任を断られていた依頼者について、訴訟提起のうえ、裁判で離婚が認められた事例
原田 大
弁護士
【ご相談内容】【相談前】
依頼者は、10年以上前から配偶者との関係が悪化し、夫婦関係は既に冷え切った状態にありました。そのため、依頼者はこれまで複数回にわたり離婚を求めましたが、配偶者はこれに応じませんでした。
依頼者は、複数の法律事務所に離婚事件の依頼を希望して相談しましたが、明確な離婚事由が認められないこと、現在も同居を継続していることなどを理由に、いずれの事務所からも受任を断られました。
その後、依頼者は弊所に相談に来られました。
【相談後】
ご依頼後、まず依頼者に対し、同居の解消を指示し、別居を開始してもらいました。そのうえで、協議離婚および調停離婚を並行して試みましたが、配偶者が頑なに離婚を拒否したため、やむなく離婚訴訟を提起しました。
訴訟においては、依頼者が主張する夫婦関係の破綻事情を具体的に主張しましたが、これを裏付ける客観的証拠は十分とはいえず、配偶者は一貫してこれを否認しました。和解協議も不調に終わり、尋問手続に進みました。
尋問において、配偶者から重要な供述を引き出すことに成功した結果、裁判官の心証に変化が生じ、裁判所から和解離婚の提案がなされました。これを受けて和解が成立し、最終的に離婚が成立しました。
【先生のコメント】
本件では、依頼者の主張する事実関係を前提とすれば、婚姻関係の破綻が認められる可能性は十分にありました。しかし、それを裏付ける客観的証拠がほとんど存在しなかったため、受任を慎重に判断せざるを得ない事案であり、複数の法律事務所から依頼を断られたことにも一定の理由があるといえます。
もっとも、本件のように、最後まで粘り強く主張・立証活動を尽くすことで、離婚が認められるに至るケースもあります。
本件では最終的に離婚訴訟にまで進みましたが、明確な離婚事由がない場合であっても、協議離婚や調停離婚が成立する事例は少なくありません。
したがって、離婚事由が明確でないことを理由に直ちに離婚をあきらめるのは早計です。まずは一度、弁護士にご相談されることをお勧めします。