治療期間について争う姿勢を見せた相手方保険会社に対し、紛争処理センターにおけるあっせん手続を利用、治療期間がすべて認められ、慰謝料も裁判基準の満額で解決することができた事案
常世 紗雪
弁護士
【ご相談内容】【事例の概要】
治療期間に争いがあり、交渉が難航した事件について紛争処理センターでのあっせん手続を選択。
被害者の主張する治療期間がすべて認められ、慰謝料も裁判基準の満額で解決することができました。
【事故発生状況】
■事故態様
(加害者)自動車 対 自動車(被害者)
依頼者が信号のない交差点で右折待ちをしていたところ、後方から走行して来た加害者が追突。
上り坂の終端に交差点があり、見通しの悪い状況での事故でした。
【解決までの道のり】
依頼者は、整形外科でのリハビリ治療が終了する間際に相談に来られました。
依頼者の要望は、相手方保険会社の負担で治療を継続することでしたが、治療の打ち切りを宣告され、お困りの状況で来所されました。
また、示談交渉時には、相手方保険会社が治療期間そのものを争う姿勢を見せ、きわめて低額の慰謝料しか提示してきませんでした。
このため、交渉による解決に見切りをつけ、交通事故紛争処理センターにおけるあっせん手続を利用することとなりました。
【当事務所が関わった結果】
依頼者は、ご依頼の時点で、すでに半年以上のリハビリ治療を継続されており、弁護士の交渉によっても、治療期間を1カ月程度伸ばしてもらうことが精いっぱいの状況でした。
それどころか、示談交渉の段階になって、相手方保険会社が治療期間を争うとの主張を行ってきました。
本来ならばもっと短い治療で済んだはずだから、慰謝料は満額支払えないと言うのです。
こうした経緯から、交渉による解決を早期に切り上げ、紛争処理センター(紛セン)におけるあっせん手続を実施し、裁判基準でのあっせん案を獲得することができました。
【解決のポイント】
■治療の打ち切りと延長
交通事故被害者の方の多くは、加害者が加入している保険会社の負担で、治療を行うことが一般的です(一括対応)。
ただ、この一括対応を相手方保険会社がいつまで行うかは、怪我の程度等によりまちまちです。
半年前後の対応をしてくれる保険会社もあれば、2~3ヵ月で治療の打ち切りを打診してくる保険会社もあります。
また厄介なのが、弁護士が交渉をしたからと言って、必ずしも治療期間を延長することができるとは限らないという点です。
本件でも、依頼者はご依頼前に半年以上の治療を行っていたため、弁護士が介入して交渉しても、治療の延長は1カ月程度しか認められませんでした。
■紛争処理センターのあっせん手続について
本件では、治療期間などの争いがあったため、示談交渉(話し合い)で解決をすることが困難な状況でした。
このような事件の場合、いきなり裁判(民事訴訟)を行ってもよいのですが、交通事故の場合には、交通事故紛争処理センター(紛セン)を利用することもできます。
紛センは、裁判ほどの期間・負担をかけずに、第三者のあっせんによる解決を目指す手続です。
本件でも、紛センで2回のあっせん手続を行ったのち、こちらに有利なあっせん案を獲得することができました。