いしおろし まさき
石下 雅樹弁護士
弁護士法人クラフトマン 東京国際特許法律事務所
渋谷駅
東京都渋谷区道玄坂1-12-1 渋谷マークシティW22階
インタビュー | 石下 雅樹弁護士 弁護士法人クラフトマン 東京国際特許法律事務所
顧問先はIT企業が3割超、システム開発の契約や訴訟に強い代表弁護士。知的財産に詳しく、弁理士資格も
IT法務と知的財産を柱に、多くの企業を支えている弁護士法人クラフトマン東京国際特許法律事務所の石下 雅樹(いしおろし まさき)弁護士。
顧問先はIT関連企業が30%強を占め、システム開発などに関する契約書や訴訟を山のように手がけてきました。
知的財産にも詳しく、商標権侵害や営業秘密漏洩をめぐる訴訟などの解決実績も豊富にあります。
一方で、国産中古車に乗り、100円ショップにも通う庶民的な一面も。
25年を超える長いキャリアの足跡をたどります。
顧問先はIT関連企業が30%強を占め、システム開発などに関する契約書や訴訟を山のように手がけてきました。
知的財産にも詳しく、商標権侵害や営業秘密漏洩をめぐる訴訟などの解決実績も豊富にあります。
一方で、国産中古車に乗り、100円ショップにも通う庶民的な一面も。
25年を超える長いキャリアの足跡をたどります。
01 事務所の歩み
ITと知的財産を柱に成長。ホームページを自作、過去に特許明細書も作成
ーー知的財産、IT、テクノロジー。こうした分野を前面に押し出していらっしゃいますね。
現事務所を2000年に開設した当初は幅広い事件を扱っていましたが、そこからIT法務や知的財産を柱に据え、今ではその領域を中心に企業法務に特化した事務所になりました。
大きなきっかけは、ある弁理士(知的財産に関する国家資格)と知り合ったことです。
そのご縁で弁護士の専門外ともいえる特許明細書を作成したりするうちに、特許をはじめとする知的財産の魅力にのめり込んでいきました。
具体的には、入念な調査から法律論を組み立てるそのプロセスと領域の広さです。
ときには図書館やインターネットで国内外の文献を読み漁ったりと、時間の許す限り徹底的にリサーチします。
子どもの頃から探究心が旺盛で、職人気質なところもあったので性に合っていたんでしょうね。
ーー事務所名のクラフトマンは、まさに「職人」という意味ですよね。それと、ITにはどんな経緯があったんですか?
実は中学生の頃からコンピュータが好きで、当時から趣味でプログラミングをかじっていたんですよ。
事務所のホームページも自作なんです。
IT技術に詳しく、専門用語もわかります。
ご依頼いただく企業にとっては、コミュニケーションの無駄が省けますし、頼もしく感じていただけているのではないでしょうか。
ITに詳しくない弁護士が避けたがるような、込み入った訴訟なども積極的に引き受けてきました。
ありがたいことに、そのうちに多くのIT企業からお声がけいただけるようになったんです。
現事務所を2000年に開設した当初は幅広い事件を扱っていましたが、そこからIT法務や知的財産を柱に据え、今ではその領域を中心に企業法務に特化した事務所になりました。
大きなきっかけは、ある弁理士(知的財産に関する国家資格)と知り合ったことです。
そのご縁で弁護士の専門外ともいえる特許明細書を作成したりするうちに、特許をはじめとする知的財産の魅力にのめり込んでいきました。
具体的には、入念な調査から法律論を組み立てるそのプロセスと領域の広さです。
ときには図書館やインターネットで国内外の文献を読み漁ったりと、時間の許す限り徹底的にリサーチします。
子どもの頃から探究心が旺盛で、職人気質なところもあったので性に合っていたんでしょうね。
ーー事務所名のクラフトマンは、まさに「職人」という意味ですよね。それと、ITにはどんな経緯があったんですか?
実は中学生の頃からコンピュータが好きで、当時から趣味でプログラミングをかじっていたんですよ。
事務所のホームページも自作なんです。
IT技術に詳しく、専門用語もわかります。
ご依頼いただく企業にとっては、コミュニケーションの無駄が省けますし、頼もしく感じていただけているのではないでしょうか。
ITに詳しくない弁護士が避けたがるような、込み入った訴訟なども積極的に引き受けてきました。
ありがたいことに、そのうちに多くのIT企業からお声がけいただけるようになったんです。
02 得意分野と実績①
顧問先はIT企業が30%強。契約書やシステム開発訴訟、SESのトラブルも
ーー顧問契約されているIT企業はたくさんあるんですか?
顧問先は、業種別で見るとIT・ソフトウェア関連企業が30%強に上り、他の業種と比べて断トツに多いです(2024年11月現在)。
規模も大手から中小、ベンチャー、社員数人の企業まで多岐にわたります。
おもな業務は、大きく2つに分けられます。
まずは、各種契約書の作成・チェックをはじめとする日常的な法務全般。
もうひとつは、システム開発などをめぐって起こるトラブルへの対応です。
ーーまずは契約書について、その種類や強みなどを教えてください。
システム開発委託契約書、秘密保持契約書、パッケージソフトの使用許諾契約書、レンタルサーバーやクラウドサービスの利用規約。
ここでは挙げきれないほどさまざまな種類があり、ほぼすべての作成やレビューに携わりました。
クオリティにもこだわっています。
ネットで検索すればそれらしい契約書のドラフトは転がっていますが、これをそのまま使うのは地面に落ちている食べ物を拾って食べるようなもので危険です。プロとして提供する以上、当然それとは異なる、オーダーメイドで質が高いものをご提供させていただいています。
なぜ質の高いものをご用意できるのか。
それは、依頼者のビジネス構造と実情へのフィット化ができ、実害につながるようなあらゆるリスクを見える化できるからだと思っています。
これまで膨大な契約書に目を通してきたため、予測される紛争や潜在的なリスクを広い視野で見通し、事前に十分な手当てを施すことができるんです。
ーーシステム開発などに関するトラブルでは、どんなものが多いんでしょう?
受託した業務システムやECサイト、販売管理システムなどについて、不備や契約不履行などがあったとして契約解除や開発代金の返還を求められるケースが多いですね。
長い間、その際の交渉や訴訟に携わってきました。
また、SES(システムエンジニアリングサービスの略)に関するご相談もよくあります。
クライアントの依頼を受けてエンジニアの技術を提供するサービスのことです。
「使い物にならない」などと言われ、契約を解除させられるようなことが少なくないんです。
その場合も法律とビジスネ実務を踏まえたうまい着地ができるようにアドバイスをしています。
顧問先は、業種別で見るとIT・ソフトウェア関連企業が30%強に上り、他の業種と比べて断トツに多いです(2024年11月現在)。
規模も大手から中小、ベンチャー、社員数人の企業まで多岐にわたります。
おもな業務は、大きく2つに分けられます。
まずは、各種契約書の作成・チェックをはじめとする日常的な法務全般。
もうひとつは、システム開発などをめぐって起こるトラブルへの対応です。
ーーまずは契約書について、その種類や強みなどを教えてください。
システム開発委託契約書、秘密保持契約書、パッケージソフトの使用許諾契約書、レンタルサーバーやクラウドサービスの利用規約。
ここでは挙げきれないほどさまざまな種類があり、ほぼすべての作成やレビューに携わりました。
クオリティにもこだわっています。
ネットで検索すればそれらしい契約書のドラフトは転がっていますが、これをそのまま使うのは地面に落ちている食べ物を拾って食べるようなもので危険です。プロとして提供する以上、当然それとは異なる、オーダーメイドで質が高いものをご提供させていただいています。
なぜ質の高いものをご用意できるのか。
それは、依頼者のビジネス構造と実情へのフィット化ができ、実害につながるようなあらゆるリスクを見える化できるからだと思っています。
これまで膨大な契約書に目を通してきたため、予測される紛争や潜在的なリスクを広い視野で見通し、事前に十分な手当てを施すことができるんです。
ーーシステム開発などに関するトラブルでは、どんなものが多いんでしょう?
受託した業務システムやECサイト、販売管理システムなどについて、不備や契約不履行などがあったとして契約解除や開発代金の返還を求められるケースが多いですね。
長い間、その際の交渉や訴訟に携わってきました。
また、SES(システムエンジニアリングサービスの略)に関するご相談もよくあります。
クライアントの依頼を受けてエンジニアの技術を提供するサービスのことです。
「使い物にならない」などと言われ、契約を解除させられるようなことが少なくないんです。
その場合も法律とビジスネ実務を踏まえたうまい着地ができるようにアドバイスをしています。
03 得意分野と実績②
契約解除を受けるも和解、返金額を減額。商標権侵害や営業秘密漏洩も
ーーシステム開発をめぐる訴訟や交渉。その解決事例の一端をお聞かせください。
たとえば、ある公共団体から業務システムの開発を受注した企業の代理人として臨んだ訴訟です。
この案件は、設計段階までを他社が担い、依頼者さまがその後の製造工程を行う特殊なケースでした。
提訴したのは、契約解除を受けたからです。
相手の主張は、製造工程が大幅に遅延し、成果物にも不備があったというもの。
ただ、不備はその前の設計段階から多数見つかっており、契約解除は行き過ぎだというのが私たちの主張でした。
ーー不備や遅延が、依頼者の責任かどうかが争われたと。結果はどうなったんですか?
設計段階のミスによる影響が大きかった点などを立証し、発注元が依頼者さまに開発代金の一部を支払うことで和解が成立。
また、失うと金銭以上の重大な損害につながりかねない、その公共団体が関わる自治体での入札資格を維持することもできました。
ほかにも、支払済みの開発代金の返金を求められた訴訟で請求額を1/10以下に減らした事例のほか、交渉による解決実績もたくさんあります。
ーー知的財産についてもお聞きします。特許をはじめ、いろんな問題がありますね。
知的財産のなかでも、より多くの企業に関わってくるのが商標権と不正競争防止法ではないでしょうか。
商標については、ライセンス契約書の作成や抵触性の鑑定などを数多くお任せいただいています。
それと、商標権侵害をめぐるトラブルもです。
第三者に侵害された場合の使用差し止めや損害賠償請求、逆に競合他社から侵害していると追及された際の対応などです。
業種はアパレルや化粧品、通信機器、ブライダル、Webサービス、飲食店など多岐にわたります。
ーー不正競争防止法については、どんな問題が考えられるのでしょう?
近年目立つのは、元社員や第三者が自社の営業秘密を不正に取得し、ライバル会社に漏らすなど悪用されるケースや商品の模倣に関する争いです。
これについても、差し止めや損害賠償を求める訴訟などに数多く携わってきました。
商標も不正競争防止法も、高度な知見と緻密な調査が欠かせません。
私は弁理士にも登録していますし、大いにみなさまのお力になれるはずです。
たとえば、ある公共団体から業務システムの開発を受注した企業の代理人として臨んだ訴訟です。
この案件は、設計段階までを他社が担い、依頼者さまがその後の製造工程を行う特殊なケースでした。
提訴したのは、契約解除を受けたからです。
相手の主張は、製造工程が大幅に遅延し、成果物にも不備があったというもの。
ただ、不備はその前の設計段階から多数見つかっており、契約解除は行き過ぎだというのが私たちの主張でした。
ーー不備や遅延が、依頼者の責任かどうかが争われたと。結果はどうなったんですか?
設計段階のミスによる影響が大きかった点などを立証し、発注元が依頼者さまに開発代金の一部を支払うことで和解が成立。
また、失うと金銭以上の重大な損害につながりかねない、その公共団体が関わる自治体での入札資格を維持することもできました。
ほかにも、支払済みの開発代金の返金を求められた訴訟で請求額を1/10以下に減らした事例のほか、交渉による解決実績もたくさんあります。
ーー知的財産についてもお聞きします。特許をはじめ、いろんな問題がありますね。
知的財産のなかでも、より多くの企業に関わってくるのが商標権と不正競争防止法ではないでしょうか。
商標については、ライセンス契約書の作成や抵触性の鑑定などを数多くお任せいただいています。
それと、商標権侵害をめぐるトラブルもです。
第三者に侵害された場合の使用差し止めや損害賠償請求、逆に競合他社から侵害していると追及された際の対応などです。
業種はアパレルや化粧品、通信機器、ブライダル、Webサービス、飲食店など多岐にわたります。
ーー不正競争防止法については、どんな問題が考えられるのでしょう?
近年目立つのは、元社員や第三者が自社の営業秘密を不正に取得し、ライバル会社に漏らすなど悪用されるケースや商品の模倣に関する争いです。
これについても、差し止めや損害賠償を求める訴訟などに数多く携わってきました。
商標も不正競争防止法も、高度な知見と緻密な調査が欠かせません。
私は弁理士にも登録していますし、大いにみなさまのお力になれるはずです。
04 弁護士としての信念
説明はわかりやすく、不安にさせない。愛車は中古車、100円ショップにも
ーー弁護士として大切にしていることも教えてください。
依頼者さまへの対応で心がけているのは、わかりやすい言葉を使うことです。
専門用語は避け、難しい概念はたとえ話でご理解いただきやすいように説明させていただいています。
弁護士になって30年の節目が近づいてきました(2024年12月現在)。
経験を積めば積むほど、依頼者さまが陥りがちな心理を推測できるようになってきたように思います。
そこを先回りしてしっかりケアし、無用な不安を与えないようにと細心の注意を払うようにしています。
そうやって徹底して依頼者さまに寄り添いつつも、単なるイエスマンになってはいけません。
目先の利益だけにとらわれず、長期的な、またトータルの視点でどんな手を打つのがベストか。
対話を重ね、率直に話し合うことも大切にしています。
ーー頭脳明晰な印象を受ける一方で、物腰が柔らかく、口調も穏やかで親しみやすさも感じます。
仕事を離れれば、どこにでもいる庶民ですよ。
小中高大と公立学校に通い、愛車は中古の国産「ヴォクシー」です。メーターは15万キロ近くまで行っています。
外車や高級車にはまったく興味がありませんね。
100円ショップにもよく行きます。
趣味を挙げるなら、ひとつは映画ですね。
好きな作品は山ほどありますが、昨年(2024年)のNo.1は役所広司さん主演の『PERFECT DAYS』。
特別なことが何も起きない日常にこそある幸福を描いたり、穏やかな風景を映し出すような作品がとくに好きなんです。
私を頼っていただいた依頼者さまにも、平穏な日々を過ごしていただきたい。
落ち着いてのびのびと、事業に専念して成長していただきたい。
そんな決意と思いを胸に、これからも多くの企業のお役に立ちたいですね。
依頼者さまへの対応で心がけているのは、わかりやすい言葉を使うことです。
専門用語は避け、難しい概念はたとえ話でご理解いただきやすいように説明させていただいています。
弁護士になって30年の節目が近づいてきました(2024年12月現在)。
経験を積めば積むほど、依頼者さまが陥りがちな心理を推測できるようになってきたように思います。
そこを先回りしてしっかりケアし、無用な不安を与えないようにと細心の注意を払うようにしています。
そうやって徹底して依頼者さまに寄り添いつつも、単なるイエスマンになってはいけません。
目先の利益だけにとらわれず、長期的な、またトータルの視点でどんな手を打つのがベストか。
対話を重ね、率直に話し合うことも大切にしています。
ーー頭脳明晰な印象を受ける一方で、物腰が柔らかく、口調も穏やかで親しみやすさも感じます。
仕事を離れれば、どこにでもいる庶民ですよ。
小中高大と公立学校に通い、愛車は中古の国産「ヴォクシー」です。メーターは15万キロ近くまで行っています。
外車や高級車にはまったく興味がありませんね。
100円ショップにもよく行きます。
趣味を挙げるなら、ひとつは映画ですね。
好きな作品は山ほどありますが、昨年(2024年)のNo.1は役所広司さん主演の『PERFECT DAYS』。
特別なことが何も起きない日常にこそある幸福を描いたり、穏やかな風景を映し出すような作品がとくに好きなんです。
私を頼っていただいた依頼者さまにも、平穏な日々を過ごしていただきたい。
落ち着いてのびのびと、事業に専念して成長していただきたい。
そんな決意と思いを胸に、これからも多くの企業のお役に立ちたいですね。