横領とは委託関係にあることが前提なのでしょうか。
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横領罪を調べてみると、下記の事が書かれていました。 「不動産を売却したにもかかわらず、自分の登記が残っているのを利用して、他の者にさらに売却して登記を備えさせた売主には、横領罪が成立」とあります。に関して、質問させて戴きたいと思いますので、よろしくお願いします。 当家の内容。 『A夫(当家の被相続人)…不動産の買い手、J雄…売り手。 A夫とJ雄は、不動産取得時売買契約書は作ったが、J雄に「いづれ買受けるから登記はしないでくれ」と言われたので、A夫は、購入した土地を未登記のままにしています。 A夫(当家)所有の不動産をJ雄自身の親族へ分筆されてしまい、当家所有の土地が大半無くなってしまいました。』 以上の内容で、先生にご相談したいと思います。 なお、今弁護士を探していますが、当家が希望を聞き入れて戴ける先生が見つかったいない為、ここに投稿させて戴きました。 ・未登記のまま(J雄の名義のまま)にしている、というのは上記で言う、自分(J)の登記が残っているという事で宜しいのでしょうか。 ・横領は、他人との間に「委託関係」が成立している事、とありましたが、土地購入時A夫とJ雄との口約束。 「いづれ買受ける…」という事が委託関係という事なのでしょうか。 そしてまた、なぜ委託関係が必要なのかを教えてください。 済みませんが、ご教授よろしくお願いします。
右衛門 さん ()
弁護士からの回答タイムライン
- 横領罪は、刑法上次のように定められています。 「自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の懲役に処する。」(刑法252条1項) 刑法の定義はそのままでは分かりにくいので、要件の解釈が必要となります。 この解釈において、委託信任関係に基づいていることが必要とされています。理由は省きますが、簡単に言うと、委託信任関係がなく、勝手に(たとえば人のものを奪って)占有されている物を取り返したとしても、横領罪は成立しない(たとえば窃盗罪が成立する)ことになっています。 横領罪についての説明は上記の通りなのですが、ご質問内容に照らすと、おそらく前提に誤解があるようです。 本件で横領罪が成立する可能性があるのは、売り手であるJ雄です。 J雄は、売買契約が締結されて代金を受領された時点でA夫に登記名義を移転しなければいけないのにそれをせず、別の人に移転してしまったのですから、まさに横領罪が成立しうる行為を行っているといえます。 A夫としては、J雄から登記名義の移転を受けた者(J雄の親族)が「背信的悪意者」であると主張して自己に対する登記名義の移転を求めるか、 それができない場合は、J雄が登記名義移転の義務を果たさなかったことを理由として契約を解除し、損害賠償を請求することになります。 背信的悪意者といえるかどうかは簡単な判断ではないので、弁護士に直接相談することをお勧めいたします。
- 誤植してしまったので訂正いたします。 「売買契約が締結されて代金を受領された時点」 ではなく、正しくは 「売買契約が締結されて代金を(J雄が)受領した時点」 です。
- 右衛門さん鈴木先生、ありがとうございます。 分かりやすいご説明痛み入ります。 多分、J雄の親族は、背信的悪意者を否定すると思います。 何も知らなかったんだと、言うと思います。 状況証拠で言い逃れしていると、分かるものがあればいいのですが。 私(A夫=当家のものです)が一番して欲しいのは、未登記の土地と言えども私たち相続人にとっては大事な土地です。 A夫から相続された土地を欠ける事無く、J雄から返して登記して欲しいだけです。それ以上J雄には何も望みません。そして、J雄とは絶対に売買したくありません。精神的に悪すぎる。
この投稿は、2018年2月18日時点の情報です。
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