【事務所の事例】危険運転致死罪の成立を争い大幅減刑となった事例
山本 洋夢
弁護士
【ご相談内容】【事件の概要】
トラック運転手の男性が、トラックを運転中に赤信号を無視して交差点に進入して、交差点を横断中の自転車と衝突し、自転車の運転手を死亡させた死亡事故。
男性は事故直後に現行犯逮捕され、勾留後に危険運転致死罪で起訴されたが、殊更に赤信号を無視して交差点に進入したことを否認していたことから、その後の刑事裁判で危険運転致死罪の成立を争うこととなった。
【弁護士の活動】
危険運転致死罪で起訴された後に受任。
男性は、被害者がお亡くなりなったことや、勾留による長期の身体拘束によって精神的に相当滅入っており、今後の裁判で戦っていく気力を失いかけていたので、まず男性に裁判を戦っていくための気力を取り戻してもらうために、裁判所に保釈を請求し、それを実現した。
男性が保釈されてからは、まず亡くなられた被害者の遺族に謝罪を持ち掛けかけたが、遺族には全く取り合っていただけなかったことから、男性は事故現場に赴き、被害者の冥福をお祈りすると共に、謝罪した。
また検察官から開示された証拠を精査したところ、男性の運転するトラックのドライブレコーダー映像から、検察官の主張する「殊更に赤信号を無視して、重大な危険を生じさせる速度で交差点に進入した」という事実についての立証が不十分であることが判明した。
そのため何度も証拠を精査し、時には事故現場等に足を運んで、男性が殊更に赤信号を無視したわけではなく、赤信号を不注意で看過してしまったことを裁判で主張するための準備をした。
裁判員裁判では、裁判に参加する裁判員の意見が判決に大きく影響するため、法律に詳しくない裁判員に理解してもらうことが必要不可欠となるため、裁判まではそのための資料を作成する等の準備に時間を費やした。
こうして裁判員裁判に臨んだところ、検察側は危険運転致死罪で男性に対して懲役8年を求刑したが、弁護人は検察側の主張に真っ向から反論し、過失運転致死罪の適用を求めた。
裁判官から、検察側に対して、危険運転致死罪の立証が不十分であることを理由に過失運転致死罪への訴因変更が求められる異例の展開となり、訴因変更の結果、判決は過失運転致死罪で禁錮2年6月の大幅な減刑判決となった。