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はしもと あきら
橋本 亮弁護士
橋本亮法律事務所
南森町駅
大阪府大阪市北区西天満6-7-4 大阪弁護士ビル610
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インタビュー | 橋本 亮弁護士 橋本亮法律事務所

一人の人間として、依頼者様を弁護し、守りたい

大阪の橋本亮(はしもと・あきら)弁護士。司法試験に受からず、ロースクール制度でやっと弁護士になった苦労人です。ご自身もそれを謙虚に受け止めていて、他の弁護士は敷けないスタンスを確立しました。「お金より心」「話は全部聞く」「弁護士以外の領域も手伝う」そんな橋本先生に、これまでのご経歴や弁護士という仕事に対する想いについて伺いました。

01 弁護士を志した理由

司法試験は10年近く落ち続け、ロースクールでやっと……。

――橋本先生はどんな経緯で弁護士になられたのですか?
和久峻三(わく・しゅんぞう)先生の推理小説「赤かぶ検事シリーズ」が好きで、法律に興味を持ちました。現在の条文は口語体ですが、当時は文語体だったので、堅苦しい言葉でカタカナが多く、それがかっこいいなと最初に思いました。「条文。刑法○条。~~ニ処ス」というような条文ですね。そして、トリックが法律の抜け穴を突いているところや、法律を独自の解釈をして解決する検事の姿などにハマりました。大学は当然法学部に進んだのですが、勉強としての法学はとても苦手で、到底、司法試験に受かる訳が無いと自己分析し、運送会社に就職しました。

運送会社ではトラックでチルド食品の配送をやっていたのですが、あまり面白くありませんでした。ブラックに近い職場で、夜中12時に出勤して、昼の15時に退勤するという生活でした。休みはほとんどありませんでした。そこで、やりたいことを目指そうと思い直し、半年で会社を辞めました。その後は、郵便局の窓口でアルバイトをしながら、司法試験を受けました。ところが、5~6年も足踏みしてしまい、なかなか受かりません。やはり法学の勉強が苦手なのです。でも諦めきれず、先に弁護士になった友人の法律事務員として働きながら、司法試験を受けました。それでも4~5年、司法試験に落ち続けました。択一問題は何回か通ったのですが、論文問題の点数が悪いままでした。
そんな折、龍谷大学のロースクールの既修者コースが、学費が無料になりました。学生の確保に苦戦していたようです。それを受けたら受かってしまい、弁護士になることができました。つまり、私はロースクールが無ければ、弁護士には成れていない人間です。このことが現在の仕事のスタンスのベースに繋がっています。それに関しては後述しますね。

02 弁護士としての活動

お金は厳しくても、心を充足させたい

――これまではどういった案件を扱っていらっしゃったのでしょうか?
まず、平成19~22年頃、友人の弁護士事務所で事務員をやっていました。その頃は「過払い」が全盛で、債務整理や破産関係の案件をよく取り扱っていました。
次に、行政書士の先生との共同事務所で仕事をしました。この出会いはなんとロースクールでした。既修者コースだったせいで、学生の平均年齢は40歳前後、50代、60代の学生もいました。その年上の学生に行政書士の先生がいらっしゃっていて「うちで一緒にやる?」と声を掛けて頂きました。今でも連携して仕事をさせて頂いています。この先生は交通事故に強かったので、私も交通事故案件を多数経験いたしました。その他にも、相続、未払い請求などの労働問題(個人・法人側共に)などを取り扱いました。そして現在、独立しているという経緯です。

――最も印象に残っている案件はどういったものがありますか?
とあるエステの案件が最も印象に残っています。女性の依頼者で、脂肪吸引のダイエットをされていました。「脂肪を凍らせて、壊死させて、流す」という方法です。その際、挟んで冷凍する機械で凍傷になってしまったのです。縞々の痛々しい痕が気の毒でした。そして彼女は調停の数日後に有名歌手の引退ツアーのコンサートに行く予定でした。彼女はその歌手の大ファンだったのでコンサートに全てを解決してスッキリした気持ちで行きたいとの要望がありました。
昔の傷の写真はあったのですが、今の傷の写真も撮ってもらいました。彼女は撮るのを嫌がりました。しかし「今も苦しんでいるという見え方が重要だ」と説得しました。結果としては調停で和解し、彼女は晴れやかな気持ちでコンサートに行けることになりました。泣くぐらい喜んでくれて「一矢報いることだができてよかったです。泣き寝入りしないでよかったです」とおっしゃってくれました。裁判官も「難しい事件をよくこの短期間で解決してくれましたね」と言ってくれました。
金額としては70万円ほどで、規模という意味では目立つ事件ではありません。しかし、依頼者のメンタルを救うという意味では、とても意義のある和解だったと思っています。金額よりも気持ちに寄り添うこと――これを学びました。

あとは、最初の事件も印象に残っています。京都の古い長屋の立ち退き料請求の案件でした。依頼者はご高齢の女性で「出ていけ」と言われても、次に住む場所が無いという状態でした。私はその方と代わりの家を探しました。「これは弁護士の仕事かな?」と疑念を抱きつつも、その方を助ける人が他にいなかったので、やりました。家はなんとか高齢の賃貸者でも貸してくれるところを見つけ、引っ越しも手伝いました。立ち退き料の方は、家賃の10年分+引っ越し代で400~500万円を認めさせました。なにせ最初の事件だったので、相場があまり把握できず、何が最適な解決方法か悩みました。ただ、その方の希望の沿った金額で合意することができたので、とても喜んでくれました。本業以外もいろいろ手伝ったことを神様が見ていてくれたのかもしれません。その方とはその後も交流が続き、新しい家にも呼ばれたりしました。後で、弁護士仲間にこの話をしてみると相場よりも相当高い金額だったようで、ホッとしたことを覚えています。

――やりがいを感じる時は、どんな時でしょうか?
依頼者様の「すっきりしました」というお言葉に救われます。私はいわゆるマチ弁(町の弁護士)なので、お金よりもそのような「きれいさっぱりしたい」「やられっぱなしはいやだ」「一泡吹かせてやりたい」「お金は厳しくても悪を懲らしめたい」などという精神的な目的を達成すべき依頼が多いです。私の実入りも当然低いのですが、それよりも精神的な充足を満たせる弁護士になりたいと思っています。経験上、お金が大きい案件の方が、事務的に淡々と進んでいる印象を受けますね。気持ちの問題の事件の方が、依頼者に寄り添う血の通った進み方をしていると思います。

――少しお仕事の話から離れますが、趣味や日課などはありますか?
読書です。赤かぶ検事シリーズからは始まり、三国志も好きでした。三国志は小説も漫画も読みます。群像劇が好きです。
基本的には休みの日も働いている場合が多いのですが、長めの休暇を取って、1人で遠くに電車で行くことも多いです。最近では、JR西日本に15,000円の特急乗り放題券があり、それを利用して、山陰を一周しました。ボーッと景色を眺めているだけですが。それが精神的な回復に繋がっています。平日も依頼者に合わせて夜まで働いていますし。

03 弁護士として心がけていること

旧来の制度では弁護士になれなかったからこその敷居の低さ

――弁護士として心がけていることはありますか?
経歴から分かる通り、私は本来弁護士になれなかった人間だと自覚しています。ロースクールが無ければ、箸にも棒にも掛からなかったでしょう。よって、「弁護士先生だ」ということを全く意識しないように努めています。自分のことは「相談員」だと思っています。「解決する」のではなく「お手伝いする」というスタンスです。私のところにいらっしゃる依頼者様は、いろいろな弁護士に頼んだが、にっちもさっちも行かなくて、最終的に流れ着いた方もいらっしゃいます。「商売にならなそうだから話さえまともに聞いてもらえなかった」「勝ち筋じゃないので断られた」という方が多いですね。そんな流れなので、お金はあまり貰えないのですが、そここそが私の生きる場所だと思っています。私のような王道ではない弁護士は隙間産業のようなモノですから。また、「仕事の経験値を上げる」「仕事の幅が広がる」という観点でも、そういう案件を積極的に受けるようにしています。

――ご自身の弁護士としての強みはどこだと思いますか?
私は、旧来の司法試験に受からなかった他にも、年齢的にかなり遅れて弁護士になっています。よって、法律知識だけで勝負しても、他の弁護士に勝てない可能性があります。すると、別のことで勝負しなければなりません。それは「敷居の低さ」です。前述の内容とも地続きですが、対話する時は自分が弁護士であることを一切意識しないように心がけています。とにかく依頼者の話を聞きます。しゃべりたいことをしゃべって頂き、一回全部聞くようにしています。何時間かかっても、そうしています。1時間は少ないと思っています。短くて2時間だと見積もっていますね。さらに「一緒に聞いて一緒に悩む」ということも意識しています。対面しているのではなく、隣に座っている感覚でしょうか。逆に「話術」などの手法を意識したことは一度もありません。「効率はどうなの?」というご意見もあると思いますが、それが、私が弁護士業界で生きる唯一の道だと思っています。

04 目指す方向性

報酬よりも、依頼者の心に寄り添う相談員(・・・)でありたい。

――今後積極的に取り組んでいきたいことはありますか?
ロースクールの縁で、同期がもう一人、私の事務所に加わります。これによって、仕事を増やしていきたいと思っています。分野としては、債務整理は最初の事務所からやっているので、増やしていきたいですね。自己破産は多く手掛けてきましたが、何らかの事情で破産できない・したくない、という場合もあるでしょう。そんな時は任意整理を検討するなどして、利息だけでもカットし、依頼者の方の生活を少しでも楽にしていきたいと思っています。
その他、交通事故案件は得意分野です。例の行政書士の先生とも組んで仕事をしていますので、迅速にポイントを押さえた対応ができると自負しています。この分野ももっと伸ばしていきたいと思っています。

最後にもう一度。私は繰り返している通り、メインのルートを歩いていく弁護士ではありません。しかし、だからこそできる仕事もあります。自分の立ち位置を見極めて「報酬ありきではない、依頼者様の心に寄り添う『相談員』」を目指していきます。よろしくお願いいたします。
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