夫からの連絡を拒否しても良いのか?小学生の子を勝手に連れて行ったことによる親権不利の可能性
夫からのモラハラで子連れで家を出る予定です。置き手紙をして相談していた警察、児相には家を出てから伝えるつもりです。
この場合夫からの連絡を拒否しても良いのでしょうか?うちの身内側も全て拒否してもらう予定です。
小学4年生の子供がいるのですが家を出てから詳しく伝える予定です。夫婦仲は悪いのは知っていると思うのですが、私のせいで転校になってしまうことと思います。
これは親権不利になりますでしょうか
当面の対応として、連絡を無視することはやむを得ないと思います。
夫側の対抗手段としては、子の引渡し・監護者指定の調停申立てがなされる可能性があります。その手続の中で、監護者適格性の検討がなされますが、その判断要素は親権者適格性のそれとほぼ同じで、婚姻生活において主な監護を父母のどちらがしていたかという点が重要です。副次的な判断要素はいろいろあり、非監護親との面会に寛容かどうかなども考慮され得ますが、重要なのは上記の主たる監護者かどうかという点です。貴方が監護者に指定されれば、その後に離婚について裁判所で争うような局面になった場合、貴方が親権者に指定される可能性が相当高くなると考えられます。
夫のモラハラが相談者様のみならず子にも悪影響を与えているようなケースであれば、子を連れて別居したり、当面の連絡に消極的であることをもって監護者としての適格性に大きな疑義を持たれることは考えにくいです。
成年に達しない子は、父母の親権に服する(民法818条1項)とされており、婚姻中の未成年の子は父母の共同親権に服します。
ただし、別居に至ったような場合、管轄の裁判所に監護権者の指定の調停•審判を申立て、子と一緒に生活しており、子の監護•養育を実際行なっている親を監護者者に指定してもらう方法があります。
監護者の指定については、これまでの監護実績、現在の生活•監護状況、監護補助者の存在、今後の監護方針等を踏まえ慎重に判断されます。
夫側からは、①子の引渡しの審判及び②子の引渡しの仮処分が家庭裁判所に申し立てられる可能性があります(特に②が申し立てられると、通常よりも早く審理が開始されるため、あなたの方でも早期の対応を裁判所から求められることになります)。
※調停は当事者間である程度時間をかけて話し合いを行う場合、審判は話し合いではなく裁判所の判断を求める場合、仮処分(審判前の保全処分)は緊急の必要性から審判を待っている時間もない場合に申立てがなされる傾向があります。
あなた側としても、別居を続けたまま、裁判所に認められた権利に基づいて子の監護•養育をして行きたい場合等には、家庭裁判所に監護権者の指定をあなた側から申し立てる方法もあります。
なお、監護権者の指定は、親権者の指定の前哨戦とも言われており、監護権者に指定された親が、後の離婚の際に親権者に指定されることが多いと言われています。
上記のような法的な対応を要する可能性のあるご事案であり、さらに、警察や児相も関わっていたご事案のようですので、あなた側としても、弁護士に依頼し、代理人として必要な対応をしてもらうことが望ましいように思います(相手方との連絡窓口を代理人弁護士の事務所にすることが可能となるため、あなたやあなたの身内のご負担の緩和にもなるかと思います)。
以上のように、色々な問題が想定されるため、お住まいの地域等の弁護士に問い合わせ、今後の対応等につき、直接相談なさってみて下さい。