「自身のアイデアや技術を守りたいが、特許を取るための具体的な手順がわからない」
「他社から『その技術はうちの特許を侵害している』という警告書が届いた」
こうした状態をそのままにしておくと、本来であれば守れたはずの発明を他社に先に権利化されてしまったり、侵害の警告に誤った対応をしてしまい、かえって不利な立場に置かれたりするおそれがあります。
この記事では、特許とはどのような制度なのかという基本から、特許を取得するメリットと活用方法、特許を取得するための要件、出願から登録までの流れと費用について解説します。
そのうえで、特許権を侵害された場合の対応と、逆に侵害を指摘された場合の対応についても、それぞれの立場に分けて具体的に説明します。
特許は、制度の全体像と自分がとるべき手順さえ理解できれば、決して縁遠いものではありません。
この記事を読み終えるころには、発明を安心して事業に活用できるだけでなく、侵害トラブルが起きた場合にも早い段階から主体的に解決へ動き出すことができます。
特許に関する問題の解決に向けて、まずは正しい知識を身につけるところから動きましょう。

特許について検討する前に、まずこの制度が何を目的とし、何を保護しているのかを押さえておく必要があります。
特許法という法律は、発明の保護および利用を図ることによって、発明を奨励し、産業の発達に寄与することを目的としています。
この法律で特許の対象となる発明は、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものと定義されています(特許法2条1項)。
つまり、単なるひらめきやアイデアの段階では足りず、自然界の法則を利用して、具体的な技術として組み立てられている必要があります。
たとえば、経済法則やゲームのルールのように自然法則そのものを利用していないもの、永久機関のように自然法則に反するものは、発明として認められません。
また、特許制度は、発明の内容を出願書類として公開することの見返りに、一定期間の独占権を与える仕組みになっています。
そのため、公開したくない製造ノウハウや配合の割合などについては、あえて特許を取得せず、営業秘密として社内で秘匿するという選択肢が適している場合もあります。
自分の考えたものが特許の対象になり得る発明なのかどうか、また公開してでも権利化すべき内容なのかどうかを判断することが、特許を検討する最初のステップになります。
特許はしばしば商標や意匠、著作権と混同されますが、それぞれ保護する対象と権利が発生するタイミングが異なります。
自分が守りたいものがどの権利に対応するのかを最初に整理しておくと、必要のない手続きに時間を使わずに済みます。
権利 |
保護する対象 |
存続期間の目安 |
|---|---|---|
特許権 |
技術的なアイデア(発明) |
出願日から20年 |
実用新案権 |
物品の形状・構造等の考案 |
出願日から10年 |
意匠権 |
物のデザイン |
出願日から25年 |
商標権 |
商品・サービスの名称やロゴ |
登録日から10年(更新可能) |
著作権 |
小説・音楽・プログラム等の表現 |
著作者の死後70年など |
このように、特許は技術的なアイデアそのものを保護する権利であり、出願と審査という手続きを経て初めて権利になる点が、創作と同時に権利が発生する著作権との大きな違いです。
自分の発明を守りたい場合は、著作権のように権利の発生を待つのではなく、自ら特許庁に出願して権利化する行動を起こす必要があります。
特許法67条1項により、特許権の存続期間は、原則として特許出願の日から20年です。
医薬品や農薬の分野など、実際に発明を実施するまでに長い許認可期間を要する場合には、一定の要件のもとで存続期間を延長できる制度も設けられています。
権利を維持するためには、登録後も毎年、後述する特許料を納付し続ける必要があり、納付を怠ると期間の途中でも権利が消滅してしまいます。
納付期限を過ぎてしまった場合でも、6か月間は割増料金を納めることで権利を継続できる追納の制度がありますが、この期間を過ぎると原則として権利は消滅し、以前の状態に戻すことはできません。
ただし、故意によるものでない場合には、特許料の追納期間や審査請求期限を過ぎても、一定の期限・要件の下で救済されます。
特許を取得したあとも、年金と呼ばれるこの維持費用の管理を継続することが欠かせません。

特許権を持つことで得られる代表的なメリットと、権利を取得したあとの活用方法を整理します。
特許法68条により、特許権者は、事業として特許発明の実施をする権利を専有します。
これは、他社が同じ発明を無断で製造・販売・使用することを止められる立場に立てるということを意味します。
特許を取得せずに事業を続けていると、同じ技術を先に他社に権利化されてしまい、自社がそれまでどおりその技術を使えなくなるおそれもあるため、独占的な実施権をあらかじめ確保しておくことには大きな意味があります。
特許権を持っていれば、後ほど説明するとおり、無断で発明を利用する第三者に対して、差止めや損害賠償を求める法的な手段をとりやすくなります。
特許権がない状態で模倣品や類似品が出回った場合、契約違反や不正競争防止法など別の法律構成で対応できることもありますが、立証のハードルが上がりやすく、選べる対応の幅も限られます。
自社の技術を模倣から守りたいのであれば、あらかじめ特許を取得しておくことが、いざというときの対応力を高めることにつながります。
特許権は自社で実施するだけでなく、他社にライセンスを許諾して使用料を得たり、権利そのものを譲渡して対価を得たりすることもできます。
自社に製造・販売の体制を持たない発明者や中小企業にとっては、ライセンス収入という形で発明を収益化できる点も、特許を取得する実務上のメリットの一つです。
なお、権利を第三者に譲渡した後は、譲渡人自身もその発明を無断で実施できなくなる点には注意が必要です。

特許法は、特許を受けるための要件をいくつか定めており、これらをすべて満たして初めて特許権が認められます。
ここでは、実務上とくに重要となる要件や、注意点について確認します。
先ほど説明したとおり、特許を受けるにはまず、その考案が自然法則を利用した技術的思想の創作であるという発明の定義に当てはまる必要があります(特許法2条1項)。
数学の公式や自然法則そのもの、単なる情報の提示、ビジネスの方法そのものは、具体的な技術的仕組みと結びついていない限り、発明とは認められにくい傾向にあります。
自分のアイデアを技術的な仕組みとして説明できるかどうかを整理してみることが、検討の出発点になります。
特許法29条1項柱書は、産業上利用することができる発明でなければ特許を受けることができないと定めています。
ここでいう産業には、製造業やサービス業など幅広い分野が含まれますが、個人的にのみ利用される発明や、学術的な実験のみに使われる方法は、対象から外れることがあります。
たとえば人間を手術・治療・診断する医療行為そのものは、産業上利用可能な発明としては扱われない運用となっている点にも注意が必要です。
特許制度は、社会にまだ知られていない新しい技術を公開する見返りに独占権を与える制度です。
特許法29条1項各号は、出願前にすでに公然と知られていたり、刊行物に記載されていたりする発明には、新規性がないものとして特許を認めないと定めています。
展示会での発表や論文の公開、SNSでの紹介なども、この新規性を失わせる行為に当たり得ます。
もっとも、意に反して公開されてしまった場合や、発表してから間もない場合まで一律に特許をあきらめさせるのは酷であるため、特許法30条は、一定の要件のもとで新規性を失わなかったものとみなす例外を設けています。
この例外を利用するには、発明を公開した日から1年以内に特許出願をし、あわせて必要な手続きを行う必要があります。
学会発表や展示会への出品を予定している場合は、出願のタイミングを誤ると権利化できなくなるおそれがあるため、事前に専門家へ相談しておくことをおすすめします。
特許法29条2項は、その発明の分野の知識を持つ人が既存の技術から容易に思いつくことができる発明には特許を与えないと定めています。
これを進歩性の要件と呼びます。
既存の技術を単に組み合わせただけであったり、設計上の工夫にとどまるものであったりする場合には、進歩性がないと判断される可能性があります。
自分の発明がどのような点で従来技術と異なる効果を生み出しているのかを説明できるように整理しておくと、審査対応や専門家への相談がスムーズになります。
同じ発明について複数の人が特許を出願した場合、特許を受けられるのは最も早く出願した人だけです。
これは特許法39条が定める先願主義と呼ばれる考え方で、一つの発明について複数の権利を認めないという特許制度の基本的な性質を実現するためのものです。
同じ日に出願が重なった場合は、当事者間の協議で決めた一方のみが特許を受けられ、協議が成立しない場合はいずれも特許を受けられません。
発明を思いついたら、完成度を高めることにこだわりすぎず、早めに出願の準備を進めることが権利化の可能性を高めます。
特許法32条は、公の秩序、善良の風俗又は公衆の衛生を害するおそれがある発明には特許を与えないと定めています。
実務上この規定が問題になる場面は多くありませんが、犯罪の手段にしか使えない発明などが対象になり得ます。
通常の事業活動から生まれる技術がこの要件に抵触することは基本的に想定しにくいため、過度に心配する必要はありません。

特許を受けるための要件を満たしていそうだと分かったら、次に出願から登録までの具体的な手続きを把握しておく必要があります。
手続きには複数の段階があり、それぞれに提出書類や費用、期限が設定されています。
特許出願から権利化までは、おおむね次の表のような順序で進みます。
主な内容 |
タイミングの目安 |
|
|---|---|---|
出願 |
願書や明細書等の書類を特許庁に提出する |
発明完成後 |
出願公開 |
出願内容が一般公開される |
出願から1年6か月後 |
出願審査請求 |
審査官に実体審査を求める手続き |
出願から3年以内 ※審査請求は出願公開前にも可能 |
実体審査 |
新規性・進歩性等の要件を審査 |
審査請求後、順次 |
(拒絶理由通知・意見書等の提出) |
審査官の指摘に対して反論・補正 |
通知受領後、指定期間内 |
特許査定 |
要件を満たすと判断されると発行 |
審査完了後 |
登録料の納付・設定登録 |
納付により特許権が発生 |
原則、査定謄本の送達から30日以内 第1~3年分を一括で納付する |
出願内容は、出願日から1年6か月が経過すると原則として公開されます。
いったん公開されると、その後に出願を取り下げても、技術情報が世の中に知られた状態自体は覆らないため、公開のタイミングも見据えて出願戦略を検討する必要があります。
出願から特許権の発生までは審査請求の時期や早期審査の利用等によって異なります。審査の状況によっては数年かかることもめずらしくありません。
事業計画に合わせて、いつまでに権利化したいのかを見据えて出願の時期を検討することが大切です。
特許出願にあたっては、以下のような書類を特許庁に提出します。
特許請求の範囲は、将来その発明について認められる権利の広さを直接左右する重要な書類であり、書き方一つで保護される範囲が大きく変わります。
また、出願内容は権利化の有無にかかわらず原則として出願から1年6か月後に公開されるため、実施可能要件を満たす記載を確保したうえで、秘匿するノウハウの範囲を検討することも実務上のポイントです。
出願は書面のほか、インターネットを利用したオンライン出願にも対応しています。
出願の日から3年以内に、別途、出願審査請求という手続きを行って初めて、特許庁の審査官による実体審査が始まります。
この期間内に審査請求をしなければ、その出願は取り下げたものとみなされ、以後その発明について特許を受けることはできなくなるため、期限管理には注意が必要です。
なお、いったん取り下げた出願は、原則として復活させることができません。
ただし、故意によるものでない場合には、特許料の追納期間や審査請求期限を過ぎても、一定の期限・要件の下で救済されます。
審査では、これまで説明した産業上利用可能性、新規性、進歩性などの要件を満たしているかどうかが個別に判断されます。
審査の結果、要件を満たしていないと判断されると、拒絶理由通知という形で審査官の見解が示されます。
拒絶理由通知を受け取ったからといって、その時点で特許が取れなくなったと決まったわけではありません。
指定された期間内に意見書や手続補正書を提出し、審査官の指摘に反論したり、特許請求の範囲を補正したりすることで、特許査定に至るケースもあります。
ただし、補正で追加できる内容は、もともとの出願書類に記載されていた範囲に限られ、後から全く新しい内容を付け加えることは認められません。
どのように反論・補正すればよいかの判断には専門的な知識が必要になるため、この段階から弁護士や弁理士に相談される方も多くいます。
審査官が要件を満たすと判断すると、特許査定が発行されます。
特許査定を受け取っただけでは特許権は発生せず、所定の期間内に登録料を納付し、特許原簿に設定登録がされて初めて特許権が発生します。
登録料の納付を忘れると、せっかく審査を通過した発明であっても権利として確定しないため、期限の管理を徹底する必要があります。
特許の取得には、特許庁に納める法定の手数料がかかります。
特許庁が公表している料金一覧によると、主な法定費用の目安は次のとおりです。
費用の項目 |
金額の目安 |
|---|---|
出願料 |
14,000円 |
出願審査請求料 |
138,000円+(請求項の数×4,000円) |
特許料(第1年〜第3年、毎年) |
4,300円+(請求項の数×300円) |
特許料(第4年〜第6年、毎年) |
10,300円+(請求項の数×800円) |
これらは特許庁に納める法定の費用であり、このほかに出願書類の作成や審査対応を弁護士や弁理士に依頼する場合は、別途、代理人としての手数料が発生します。
代理人費用は事務所や発明の内容の複雑さによって幅があるため、依頼を検討する際は事前に見積もりを確認しておくと安心です。
自分で出願する方法もありますが、特許請求の範囲の書き方一つで権利の強さが変わってくるため、事業として発明を活用したい場合は、専門家に相談しながら進めるほうが結果的に安心につながることが多いといえます。

自社が特許権を持っているにもかかわらず、他社が無断で同じ技術を使っているのではないかと感じたとき、どのように動けばよいのかを整理しておきましょう。
特許庁の解説によると、特許権侵害が成立するかどうかは、相手の製品や方法が、特許請求の範囲に記載された構成要件をすべて満たしているかどうかで判断するのが原則です。
これを文言侵害と呼びます。
構成の一部が文言どおりでなくても、その部分が発明の本質的な部分ではなく、置き換えても同じ目的を達成できるといった条件を満たす場合には、均等なものとして侵害が認められることもあります。
また、特許発明の実施にのみ使用する部品を製造・販売する行為など、直接の実施行為でなくても侵害とみなされる間接侵害という類型もあります。
自己判断だけで侵害の有無を決めつけるのは難しい分野であるため、証拠となる相手方の製品や資料等を確保したうえで、早い段階から専門家に相談することが望まれます。
侵害の可能性が高いと判断できた場合、多くのケースでは、まず相手方に警告書を送付し、侵害行為の中止や協議を求めるところから対応が始まります。
警告書には、自社の特許番号や侵害と考える理由、求める対応内容などを具体的に記載します。
警告書は将来の交渉や訴訟の出発点になる重要な書面であるため、記載内容に不備があると、かえって交渉が不利に進んでしまうこともあります。
送付前に、侵害の根拠や請求内容を弁護士に確認してもらうと、その後の対応を進めやすくなります。
警告書を送っても相手方が侵害行為をやめない場合や、任意の協議で解決しない場合には、法的な手続きに進むことになります。
特許庁が公表している救済手続の説明によると、主な法的手段には次のようなものがあります。
差止請求(特許法100条) |
侵害行為の停止や、侵害のおそれがある行為の予防を求める |
|---|---|
損害賠償請求(特許法102条・103条・民法709条) |
逸失利益や侵害者が得た利益、ライセンス相当額を基準に損害額を請求する |
信用回復措置請求(特許法106条) |
謝罪広告の掲載など、信用を回復するための措置を求める |
損害賠償請求では、以下のような複数の考え方から事案に応じて有利な算定方法を選択・主張していくことになります。
特許法103条により、特許権を侵害した者には過失があったものと推定されるため、被害者側が相手の落ち度を一から立証する負担は一定程度軽減されています。
もっとも、侵害の事実や損害額そのものの立証には専門的な資料の分析が必要になるため、実際に訴訟へ進むかどうかは、弁護士と相談しながら費用対効果を見極めて判断することになります。
特許法196条は、特許権を侵害した者に対して10年以下の拘禁刑または1000万円以下の罰金、あるいはその両方を科すことができると定めています。
特許権侵害の罪は、被害者による告訴がなくても検察官が起訴できる非親告罪ですが、実務上、警察や検察が独自に侵害を把握して捜査に乗り出すケースは多くありません。
被害の実態を訴えて捜査を促すためにも、証拠を整理したうえで告訴状を提出するなど、被害者側から積極的に動く必要があります。
刑事告訴は相手方への強いプレッシャーになり得る一方で、故意の立証など民事とは異なるハードルもあるため、民事上の請求とあわせてどこまで刑事手続きを利用するかは、弁護士とよく相談して決めることをおすすめします。

反対に、自社が他社から「特許権を侵害している」と警告を受けた場合には、慌てて対応を誤ると不利な結果につながりかねません。
落ち着いて事実関係を確認することが何より重要です。
警告書を受け取ったら、まず相手方が主張する特許権が実際に存在し、有効に存続しているかを確認します。
特許料の未納付によって権利がすでに消滅していたり、特許自体がすでに他社に譲渡されていたりすることもあるためです。
そのうえで、自社の製品や方法が、相手の特許請求の範囲に記載された構成要件を本当にすべて満たしているのかを、書類上、客観的に検証する必要があります。
警告書を受け取ったからといって、内容をそのまま受け入れて直ちに製造・販売を中止したり、相手の言い値で示談したりする必要はありません。
確認の結果、自社の製品が相手の特許を侵害していない、あるいは侵害の主張に無理があると判断できる場合には、その根拠を示して反論することになります。
一方で、侵害の可能性が否定できない場合には、ライセンス契約の締結や設計変更など、複数の選択肢の中から現実的な着地点を検討していくことになります。
どちらの対応を取るにしても、相手方への回答内容は将来の交渉や訴訟に影響するため、送付前に弁護士のチェックを受けておくと安心です。
相手の特許そのものに、新規性や進歩性の要件を欠いているなど無効にすべき事情がある場合には、特許庁の審判制度を利用して特許無効審判を請求するという対抗手段もあります。
特許無効審判で特許を無効にする審決が確定すると、その特許権は初めから存在しなかったものとして扱われ、それまでの侵害の主張の前提が崩れることになります。
無効理由の有無を検討するには、相手の特許が出願された当時にすでに存在していた技術文献を調査する必要があり、専門的な調査能力が求められます。
警告を受けた製品を扱う事業の規模が大きいほど、早い段階でこうした対抗手段の可能性まで含めて弁護士や弁理士に相談しておく価値があります。

ここからは、ココナラ法律相談の「おしえて!法律Q&A」に寄せられた、特許に関する実際のお悩みと、弁護士による回答の概要をご紹介します。
ご自身の状況に近いケースを参考にしてみてください。
なお、見通しは個別の事情によって変わり得ます。正確な見通しについては、弁護士にご相談ください。
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【質問】 個人で無料のアプリを開発しているのですが、他社の特許権を侵害してしまうのではないかと不安に感じています。無料で公開するアプリであれば「個人的な実施」に当たり、特許権侵害にはならないのでしょうか。また、特許法上の「業として」「事業」とはどのような範囲を指すのかが分からず悩んでいます。アドバイスをお願いします。 |
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【回答】 特許法上の「業として」とは、事業に関連する経済活動の一環を指すとされ、営利目的であるかどうかは問われないと考えられています。そのため、アプリを無償で提供していることや、個人で開発していることだけで、直ちに「個人的な実施」に当たるとは限らないとされています。とくに、広く一般に向けてリリースする行為は、「個人的」な利用とは評価されにくいという考え方が示されています。 |
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【質問】 登録済みの実用新案について、技術評価書で進歩性がないと判断されました。判断の根拠となった特許文献や実用新案文献も権利として無効になっている場合、自分やほかの人がこの技術を使った製品を製造・販売する際に、第三者からライセンス料を請求されるリスクはあるのでしょうか。技術評価で指摘されていない別の第三者の権利に抵触する可能性もあるのではと心配しています。アドバイスをお願いします。 |
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【回答】 進歩性なしと判断された実用新案の権利者自身が第三者にライセンス料を請求することは難しいと考えられる一方、今回の技術評価の対象になっていない別の特許権者や実用新案権者からライセンス料を請求される可能性は否定できないとされています。対策としては、対象の技術がほかの特許権や実用新案権に抵触していないか、あらかじめ調査しておくことが望ましいという考え方が示されています。 |
参考:実用新案評価で進歩性なし、ライセンス料請求のリスクは?
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【質問】 会社の業務の中で意匠を創作し、その意匠が登録されました。しかし社内には職務発明に関する規程が整備されていません。この場合でも、会社に対して対価を請求することはできるのでしょうか。また、意匠権者が会社で自分は創作者にとどまる場合にも請求は可能でしょうか。アドバイスをお願いします。 |
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【回答】 意匠法が準用する特許法35条4項により、権利を会社に承継させた従業員等は相当の利益を受ける権利を有するとされています。相談のケースでは、意匠登録を受ける権利を黙示的に会社へ承継させたと考えられるため対価請求ができる可能性があるとしつつ、具体的な金額や進め方については、意匠分野に詳しい法律事務所へ相談することがすすめられています。 |

ここまで見てきたとおり、特許に関する悩みは、出願段階の技術的な判断から、侵害トラブルにおける法的な主張の組み立てまで幅広く存在します。
それぞれの場面で弁護士に相談することが、どのような具体的な意味を持つのかを整理します。
発明が完成した直後の段階から弁護士に相談しておくと、契約書や秘密保持の観点から、共同開発者との権利の帰属や、取引先への開示範囲について整理してもらえます。
たとえば、共同で発明をした場合の特許を受ける権利の持ち分や、従業員が仕事の中で生み出した発明、いわゆる職務発明の取り扱いは、後から誰の権利かをめぐって争いになりやすい典型例です。
これらは出願実務にとどまらず、契約や権利関係の整理が中心となるため、紛争予防の観点から弁護士に相談する意義があります。
出願前の段階で法的な整理をしておくことで、将来、共同発明者や従業員との間でトラブルになるリスクを大きく減らすことができます。
自社の特許が侵害されている疑いがある場合も、逆に侵害を指摘された場合も、初動対応を誤ると解決までの時間や費用がかさむ傾向にあります。
弁護士に相談すれば、証拠の集め方や警告書の文面、相手方との交渉のトーンなど、初期段階で押さえるべきポイントを踏まえたうえで対応を進めることができます。
感情的になりやすい局面だからこそ、依頼者の立場から助言・交渉する専門家である弁護士が間に入ることで、冷静な判断がしやすくなるという実務上のメリットもあります。
また、証拠保全や仮処分など、時間との勝負になる手続きの要否を早期に見極められる点も、専門家に相談する大きな利点です。
交渉での解決が難しい場合、最終的には訴訟によって決着をつけることになります。
特許権侵害訴訟では、技術的な争点と法律的な争点の両方を扱う必要があり、専門性の高い訴訟類型の一つとされています。
弁護士に依頼しておけば、交渉段階から訴訟に至るまで、方針が大きく変わることなく一貫した対応を任せられるという安心感があります。
弁理士と共同で対応する体制を組むこともでき、技術面と法律面の双方から主張を組み立てられる点も、専門家に相談する実務上の強みです。
費用や時間の見通しについても依頼前の段階から相談しながら確認できるため、見通しの立たないまま一人で対応を続けるよりも、精神的な負担を抑えやすくなります。

これまで説明してきたとおり、新規性や進歩性の判断、侵害の有無の判断、無効理由の調査など、特許に関する判断の多くには専門的な知識と経験が求められます。
だからこそ、早い段階で特許の実務に詳しい弁護士に相談し、状況を正確に評価してもらうことが、結果的に時間と費用の節約につながります。
ココナラ法律相談では、特許をはじめとする知的財産分野の相談実績を持つ弁護士を、プロフィールや相談内容から比較しながら探すことができます。
インターネット上で相談内容を投稿し、複数の弁護士からの回答や見積もりを比較できる仕組みになっているため、まずは費用感や対応方針を確かめてから、正式な依頼を検討することも可能です。
特許の取得を検討している段階でも、すでに侵害トラブルに直面している段階でも、状況に応じて相談しやすい弁護士を見つけられる点は、初めて弁護士に相談する方にとって心強いポイントです。
特許に関する悩みを一人で抱え込まず、ココナラ法律相談を通じて、自分の状況に合った弁護士への相談を検討してみてください。